「今日は夕方から出掛けるからね。ま、夕飯は簡単な物を用意するよ。」
「オッケィ~」
ぜにこ奥様、今夜はフライパンでささっと作れる物でお茶を濁すつもりだった。
用事を終えて地下鉄に乗る。
「まだ会社ですかぁ?」とこすけにメール。
返事来ず
ふ~ん、まだ仕事中なのね。
ラッキー あわてなくていいんだにゃ
運良く座れて、ぜにこは読書にいそしんでいた。
そこへこすけからメールが・・・
「ごめんごめん、早く帰れたので○○○してました。写真参照。」
「なんだろ?」
写真を開いたら、おお、なんと、なんと、美味しそうなカレーが出来上がっている。
あえて伏せ字にした意図は理解しかねるが、わ-いわーい、ぜにこの大好きな『こすカレー』だ
仕事で疲れてるだろうに、本当にありがたい。
とーっても美味しかった。
ぜにこ、幸せ。
ぜにこが通っている料理教室には男性だけのクラスがあり、なかなか盛況らしい。
初心者の男性は女性と一緒にやるのを嫌がるのよねぇ・・・とは、講師のお話。
どうやら物怖じするらしい。
「ねぇねぇこすクン、このクラスに行ってみればぁ?」パンフレットを差し出すぜにこ。
「どれどれ? なんだぁ、ジジイばっかじゃないか。」
(アンタだって、ジジイじゃないか!)
「オレは女の人と一緒の方がいいなぁ。色々教えてもらえそうだしさ。
それにジジイ相手だと、うるせぇクソジジイ!とか言っちゃいそうだし。」
「そうだね、こすクン、おばさまに人気あるし。」
今んとこ、こすけは『こすカレー』しか作れないけど、そのうち時間に余裕が出来たら本格的に料理を習ってみたいんだそうだ。
「料理ってクリエィティブだもん。」
ああ、早くそんな日が来ないかなぁ。
楽しみ。