2005/02/16(水)19:15
2/16 『記憶喰』 2
彼の記憶の中から、記憶喰は『私』を選んだ。
それは、『私』が彼の中での一番だという証明だった。
でも、あまりにも嬉しくない。むしろ、悲しい証明。
彼とは、結婚をしていたけれど。そのまま、離婚してしまった。
『僕が君を選んだんだから』と彼は言ってたけれど。
それでも、私には、離婚を選ぶしか出来なかった。
だって、彼にとって『私』は見知らぬ女性になったのだから。
最初から関係を、やり直したとしても。出会いから始めたとしても。
彼が、また私を愛するかなんて分からないから。
これは、もしかしたら、『逃げた』だけなのかも知れないわね。
それでも、私には、結婚を持続させることが出来なかった。
『私』を知らない彼と、一緒に暮らすなんて辛いから。