|
カテゴリ:カテゴリ未分類
昨日、若松に行くのに 洞海湾を渡る渡船に乗った 風が強い日は 桟橋が大きく揺れる 20年以上前 長男が1歳前でヨチヨチ歩きの頃 夫と3人でこの船に乗った 長男と手をつなぎ 転ばないよう注意しながら乗った
つもりだった
一瞬にして目線が床に近くなる 私の片足が船と桟橋の間の海に落ちたのだ まだ若かった私は 痛いのよりも恥ずかしいのが先で 陸に残った片足に力をこめて 海に落ちたもう一方の足を引き上げて すっくと立ち上がり 船と桟橋で擦れて血だらけの足には 目もくれず 何事もなかったかのように船に乗り込もうとした 靴は当然脱げて海の中 片足裸足のままでも平然を装った
きっと私のような人が過去にもいたのだろう (違うと思うがその時はそう思った) 係の人が 脇にかけてあった網で 靴を拾い上げてくれた 憮然とした表情(だったと思う)のまま 礼を言って靴を受け取り ビチョビチョなことなど気にもせず さっと履いて船に乗った
その間夫は さっと長男の手をひき まるで他人のふりして さっさと船に乗っていた
履いていたスカートは上から下まで全部ボタン 下半分くらいのボタンがとれ 足は血だらけ 病院へ行くほどではなかったが 後でかなりの青あざになり 痛みもしばらく続いた
今は足元注意の塗装が施され みんな安全に乗りこんでいる 誰かが落ちたという話も聞かない
この渡船に乗るたびに思いだす 忌わしい過去と あの時の夫の笑顔
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|