ハッピー・タクシー~stage 3~

2011/08/29(月)05:15

伝言ゲームの悲劇~殴り込んでやる!!~

運転手のお仕事(30)

タクシーのお仕事は、 伝言ゲームです。 お客様と運転手の間には、 多くの人間が関わっています。 多くの人間が関わっているということは、 そこに流れる情報に 揺らぎが生じるということです。 間に関わる人間が、 多くなればなるほど、 揺らぎが大きくなります。 この揺らぎを楽しむのは、 伝言ゲームです。 揺らぎが大きくなればなるほど、 ‘笑い’の対象になり、 みんなは‘幸せ’になります。 しかし、 タクシーの場合、 この揺らぎは、 悲劇の始まりです。 先日のトラブルのケースです。 場所は、 民間の老人施設。 お客様はAさん。 老人施設では、 夏祭りが行われていました。 予定では、 15時30分にお祭りが終了するので、 Aさんは、 施設のスタッフに頼んで 15時30分にタクシーを予約しました。 ところが、 お祭りの進行が予定より早く進んだので、 タクシーの予約時間を、 スタッフに頼んで、 15時10分に変更してもらいました。 15時10分に、 予約通り、 タクシーが迎えに行きました。 運転手は「Aさんですか?」 と、確認したら、 お客様は「はい」 と、言ったそうです。 運転手は、 Aさんを確認した上で、 お客様をお乗せしました。 しかし、 運転手がお乗せした方は、 予約電話の主ではありませんでした。 予約したAさんは、 自分が乗るはずのタクシーを、 別の人に乗られた訳です。 予約したAさんは、 15時10分になっても、 なかなかタクシーが来ないので、 「どうしたのかなぁ?」 と、不審に思ったのですが、 もともとの予約が、 15時30分だったので、 「おかしいなぁ、でも、もともと15時30分の予約だったので、15時30分にはくるだろう・・・」 と思い、 15時30分まで待つことにしました。 Aさんが予約されたタクシーは、 別の方が乗られてますので、 もう老人施設には タクシーが行くことはありません。 15時30分を過ぎてもタクシーが来ないので、 Aさんは施設のスタッフに、 「まだタクシーが来ない」 と伝えました。 施設のスタッフが タクシー会社に電話されて、 初めて‘お客様間違い’ に気づきました。 タクシー会社は、 慌てて、次のタクシーを手配しました。 結果的に、 Aさんがタクシーに乗ることができたのは、 50分遅れの16時00分 でした。 Aさんは、 「殴り込んでやる!!」 と、カンカンだったそうです。 実際には、 Aさんが殴り込んでくることはなかったのですが、 Aさんは心証をひどく害されたのは事実です。 会社としては、 Aさんに対して謝罪をし 運転手全体に対しては、 2度とこのようなトラブルを起こさないように注意しました。 以上が顛末です。 ご感想はいかがでしょうか? せっかくhappyのブログを読んで頂いている皆さまには、 ご自分の立場で読んで頂いて結構なのですが、 できれば、 他の人の立場に立って、 この場面の登場人物のすべての立場に立って、 何度も読み直してみて欲しいのです。 決して、誰が犯人か? と問いたい訳ではありません。 いろんな立場の人間が いろんな価値観(思い・意識)で仕事をしています。 このトラブルを、 皆さんの職場での ‘事例’にしてみて欲しいのです。

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