"美しき大川橋蔵" 私の想い出***優美*大川橋蔵の時代劇

2024/07/14(日)20:59

炎の城・・・(8)

あなたは、気が狂ってるんではないんですね 正人が呼ばれて行こうとしている母時子の部屋では、丁度六角直之進に時子が話をしているところです。 王見勝正を殺したのは師景、そのことを知っているのは、師景とあたしと直之進の3人だけ、しかし直之進も知らないことがあると、勝正が長い病気の折師景が無理矢理自分を犯したことを話します・・・・・ひたすら正人の帰りを待っていた、正人の前に身を投げ出して許しをこい、正人の思うままにすればよいと、・・・その正人が気が狂って帰って来た、どうすればよいかと苦しんだ、・・・時子は正人に何もかも白状してしまいたいと直之進にいいますと、「それは・・・」という直之進に「どうして・・・」と聞く時子。 「和子はニセ気違いではないかという噂がございます」という直之進に、時子は「それならあたしは、いっそううれしい」という言葉がかえってきたので、そのことで直之進が意見をしているところに、正人の来るのを察し直之進は屏風の奥に隠れるます。 正人が常軌を逸した状態で部屋へ入って来ます。時子は正人の父勝正を殺したのは自分ではない、それだけは信じてほしいといいますと、正人は母の顔を見て突き放し、 正人「けものだ」 そして、敷いてあった寝具を持ち 正人「けものの寝床だ、・・・汚いな」                 老いゆく身になお情欲の火を消しかねて、見ろ、この牝め脂ぎった牡と睦言だ」                  時子は耐えきれなくなり、「正人」と。 正人「恥を知れ、・・・といっても、けものには恥はないのだな。アッハッハ、臭    いぞ、臭いぞ、どこもかも腐った臭い」 時子「そうです、・・・あたしは、一番大事なことを、母であることを忘れていた    のです」 正人「けものめ」        正人は、師景の使っている箱枕を時子の目の前に示し、 正人「この牡は、お前の前の夫に比べれば、ねずみやみみずほどにも値しない奴    だ」 そういうと、箱枕を投げつけ、座り込みます。時子には、正人の一言一言が剣のように胸を刺すと、いいます。          ひどい言葉を時子に投げつけていた正人は耐えられなくなり、どうして、どうしてあんなけものの寝床に率いられて・・・というと、顔を埋めて泣き出します。時子がもっとひどい言葉を投げつけてと、・・すると正人が、 正人「そうだ、俺はもっといいたい、ののしりたい。・・・でも、でも父上の声が    聞こうるのだ。・・・弱い者よ、それが女だ。お前の母上はあんなに苦しん    でいる。もう助けてやれと・・・」 そのとき、時子は正人の方に向きを変え、正人を見つめます。 正人「そんな父上の声が聞こえるんです」 涙を流している正人の顔をじっと見つめると、確信したのです。 時子「正人、・・・あなたは、気が狂ってるんではないんですね」                 時子が正人にそう言ったとき、背後の屏風が動いたのです。屏風の後ろに隠れていた直之進が驚いて動かしてしまったのです。それに気づいた正人は時子の手を振り払い「けものめ」と言い放つのです。              正人「その屏風が動いた。あの強欲なけものめ、そこにいたのか」 というと、剣を抜いて屏風に向い力いっぱいに突き刺したのです。                          屏風と一緒に倒れて出たのは師景でなく、雪野の父直之進でした。物音で駆けつけた家中の者達を前に、正人は直之進を部屋から引きづり出して行きます。そこへ、「正気の沙汰ではないぞ、手出しはならん」庄司に逃げるよう促され庭先へ出た時、父に泣きすがる雪野の声、追いかける侍達に立ちふさがり正人を守るため命を落とす庄司の絶叫を背に、正人は城下を駈け抜けて行きます。                            続きます。 ​🎞️​​​『炎の城』前回までの投稿掲載分は、ページ内リンクできるようにしてみました。下記のそれぞれをクリックしてご購読することができます。​ 炎の城・・・(1) 炎の城・・・(2) 炎の城・・・(3) 炎の城・・・(4) 炎の城・・・(5) 炎の城・・・(6) 炎の城・・・(7)

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