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双子や三つ子って、まとめて一つのキャラみたいな扱いになるので個々の個性や人気が出すのが難しい気がします。
また、コンビ芸人みたいにどちらかだけキャラが立って、片方は影も薄くなったりするので個人的にはロリショタに並んで動かし難いキャラ属性です。 === ――諸君らは、吸血鬼の存在を知っているだろうか? 強者の象徴として、食物連鎖の頂点に君臨するという世にも恐ろしい化物であるが彼等にも幾つかの弱点がある。 曰く、日光や炎、銀に弱い。 曰く、招かれないと家に入れない。 曰く、流水を渡れない。 曰く、心臓に杭を打ち込まれると蘇れない。 曰く、細かいものを出されると数を数えてしまう。 ざっと挙げてみただけでも、これだけの弱味が恐怖と畏怖の対象である彼等にも存在するのだ。 一見すると、一つ一つは大した事無い事象かも知れない。けれど、それで十分過ぎるのだ。 こと、戦闘行動に於いてそうした一瞬の隙は、お互いの勝敗を分つ決定打となる。 人間はいつだって、そうして知恵を凝らし化物を屠って来た。自身の情報を知られると言う事はそれだけ致命的な事なのだ。 ――”彼を知り、己を知れば、百戦危うからず”……とは、良く言ったものだ。 相手が吸血鬼の様な規格外の化物ではなく、同じ人間ならば尚更だ。 ……いや、少々言い方に御幣があるか。幾ら、超越した力を持つ輩が相手でも話は変わらない。 どんな相手であろうと情報を得、対処方法さえ解れば恐るるに足りず。 それが例え、歴戦の英雄だろうと我々が討てぬ道理など無いのだから。 ~少し時は遡って 孤児院~ 「……無理はしないで吐いた方が良い。これは……慣れている者でも堪える」 「……それではお言葉に甘えて」 タッタッタッ…… 「オェェエエ……ゲロゲロゲロ……ぅうう……」 「うぇっ……ぷっ……はぁはぁ……こんなの!こんなのって……!」 name:ラスター・ケイプニール 選定アーティファクト:”量体光子 バシィン” 「……あちらの部屋ではまだ年端もいかない少女が”生きたまま”全身の皮を剥かれていました。その向こうでは、自身の腸で縄跳びを強要されて絶命したと思われる少年が……ここは再現された地獄です。 ……以前、とあるマフィアの臓器売買拠点に突入した事があるのですが、それでもここまで惨い光景ではありませんでした。 ……済みません。自分も少し吐いて来ます」 タッタッタッ…… (内容物は四散し臓器ビジネスが目的と言うワケでは無い。拷問も尋問というよりも……苦しむ様を楽しんで皆を解体した様だ。差し詰め”見せしめ”と言った所か……) ギリッ……! 「隊長……先ほどバルコニーでチェツィン殿と思わしき遺体を発見しました」 「そう。駄目だったのね……」 「……口にするのも憚れる損壊具合でした。悔しいですが、あまりにも細かく散らばっていて彼を埋葬する事すら不可能かと」 「この怒りは……!もどかしさは!一体、何処にぶつけたら良いんだ!畜生!」 「た、隊長ぉ!あちらでピースさんを発見しました!まだ息があります!」 ~~~~ 「ピース!ラスターがメディックを迎えに行った!状況をほうこ……うっ……!」 「……ん?ああ……この声はカリンちゃんか?ラスターにはわりぃが無駄足になっちまった……な……。御覧の通り……もう俺は助からねぇ……生きてるのが不思議なくれぇだ」 「ピースさん……もう目が!うわぁあああん!ピースさん!ピースさん!だめだめだめ!死んじゃやだぁ!」 「ロザリィちゃんも居るのか? 無茶言わないでくれや。……幾ら最強の俺でも胴体真っ二つにされたら厳しいってばよ。 ま、この有様だから奴等も退散して、こうして話が出来ただけでもある意味ラッキーかね? でも、俺の下半身が無くなっちまうとはよ……世の女の子達にとっちゃ、でっけぇ損失だぜ……」 「こんな時まで、冗談ばっかり……!」 「ケイトちゃんか?いや、けっこうマジなんだが……ま、いっか。 それよりよ?ジジイとガキどもはちゃんと逃げ切れてたか? この通り、この場から動けねぇから状況が解らねぇんよ。真っ先に目を潰されちまったから何一つ解んねぇのよ、ぶっちゃけ」 「ひっぐ……ひっく……チェツィンさんや子供たちは皆……」 スッ…… 「心配するな。駆け付けた我々で敵部隊は殲滅。チェツィン老と子供たちは保護した」 「ええ、全員無事でピンピンしてるわ。そうでしょ?ロザリィ?ま、杞憂だったわけね」 「う、うん……!み、みんな元気過ぎてこっちが……えへへ……こま……ひっくえぐ……!ちゃうくらいなんだから……!」 「…………おーそりゃ良かったわ。囮冥利に尽きるってもんだわ。そういや、この場にヨーヘイの馬鹿はいるかい?」 「居ないけど、何か用でもあるの?」 「いやー……”目の上に目”をマジックでキュッキュッと書いて欲しくてな。 俺とヨーヘイはお互いに死に様晒す時は”最高に笑える死に方しようぜ!”っつー同盟組んでるんだわ。 ほら、死体を発見した奴が、死んだ奴の瞼に目が書いてあんの見たら、思わぬ不意打ちでブッフバルト!って吹き出すだろ? あんま神妙になられちまうのもらしくねーしよー。折角だから誰もが笑う様なすげぇアホな死に方の研究結果がこれなんよ。 ……逝くときは、皆の笑い顔に囲まれて逝きてぇしな。 わりぃけど、カリンちゃん。やってくれねぇかな?これ遺言って事でよろしく!」 「了解した。約束は必ず守る」 「あーあー、そんな堅くなりなさんな。 ま、俺としてはいつも難しい顔してるカリンちゃんやケイトちゃんを笑わせられれば本望だ。死んでも役に立つ男!それがピースさんだぜ!」 ~~~~ ~~~~~~ キュッキュッ…… 「ふふ……約束通り書いたわよ?でも、これ……全然笑えないじゃないの」 「最後の最期まで本当に馬鹿な遺言!こんなの!こんなの……!笑える筈…………ないじゃない……!」 「どうしたのよ!役に立つ男は私とケイトを笑わしてくれるんじゃなかったの!答えなさいよ!馬鹿!」 「あははは!はははは……!……ひっく……ひっぐ……!うわぁああああああん!」 ――彼女達の慟哭はまるで舞首の様に、混ざり合い溶け合って墓標となった孤児院に木霊した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年01月15日 18時36分47秒
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