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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2010年06月17日
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カテゴリ:映画



 北野武監督の最新作。
 
今年のカンヌ国際映画祭でコンペティション部門に出品されましたが、パルムドールを受賞することはできませんでした。

ただ、観客はノックアウトしたという評判でした。

題名は辞書を引くと激怒とか(激しい)暴力を意味するそうです。

この映画では暴力を意味すると思います。

簡単に言うと暴力団の抗争を描いた映画で、題名の通り、激しい暴力の場面がこれでもかと出てきます。

指を詰める場面とか、歯医者で治療している組のやくざの親分のところに乗り込んで、ドリルで口の中を血だらけにするとか、いかにもぞっとするような描写が続きます。

とどめは、車の中で黒い袋を頭から被さられて、首に絞められたロープを進入禁止のバーにくくりつけて、そのまま車を動かすという残忍な殺し方も出てきます。

そのほか、殴り合い、銃撃戦はふんだんに出てきます。

見るからに凄惨なシーンがテンコ盛りですが、不思議とそれほど凄惨な感じはあまりしません。

色彩が全体的にブルーがかっているのも、それを和らげる効果があるのかもしれません。

 凄惨なシーンの連続の中で、監督が言いたかったのは何だったんでしょうか。
 
小物が滅び巨悪が最後に残るということでしょうか。


■動機がいまいちわからない

抗争の発端は、巨大暴力団組織、山王会の若頭加藤(三浦友和)が、直参である池元組の組長、池元 (國村隼)と村瀬組の組長、村瀬(石橋蓮司)との蜜月を怪しみ、池元に村瀬組をしめ上げるよう命令したことから始まります。
 
ところが、その目的が何だったのか、最後まで明らかになりません。
 
推測するに、この2つの組の島を独占しようという目論見だったのかもしれません。
 
大友組組合員が村瀬組の息のかかったぼったくりバーの餌食になり(なったふり)、そこから、池元組が色々難癖をつけ、抗争はエスカレートしていきます。
 
池元の配下の大友組の組長、大友(ビートたけし)に汚れ役をさせますが、そのうち大友は真実を知ることになります。

最後はお決まりの結末になりますが、つまらないことはありません。

ただ、テンポが少し惜しく、スピード感に欠けるところがあります。

■昔の日本映画みたいな佇まいが懐かしい

 冒頭、暴力団が本家の会合に向かう場面が映し出されます。
 
アスペクト比で縦が異常に長く伸びていて、ピントの合っていない暴力団のメンバーたちが物凄いクローズアップで映し出されます。

これを見ていて昔の日本映画を思い出しました。

最近こんな映像を見ることもなくなって、なぜか懐かしささえ感じてしまいました。

それに、クレジットが最初に出るのも昔風です。

 個人的には、北野監督作品は殆ど見ていないのですが、今回は純正の日本映画だと思います。

■キャストが素晴らしく充実

北野作品は初めてという俳優が数多く出演しているそうです。

大変充実したキャストですが、「このやろう」が連発していて、それもぎこちない方が何人かいて、どうも暴力団になりきれていない感じがします。

私は、本物の暴力団と接したことがないので何とも言えないのですが、実際の方たちはああいう言葉使いなのでしょうか。

ビートたけしはさすがに手慣れています。

その落ち着きはほかの俳優には感じられません。

椎名桔平もなかなかいい感じです。

國村隼、石橋蓮司、北村総一朗の親分たちは少し軽薄っぽいです。

特に北村総一朗の山王会本家会長関内はサングラスをかけていることもあって、金正日の雰囲気にそっくりです。

マル暴の刑事片岡役の小日向文世は相変わらずの小悪党ぶりを発揮しています。

一番おいしい役だったという評判の山王会本家若頭加藤(三浦友和)は抑えた演技で、暴力団の若頭というよりも有能な秘書みたいな感じで、凄味はあまり感じられませんでした。

こういう人が一番怖いと相場は決まっているので、そういう意味ではこれでいいのかもしれません。

大友組組員石原役の加瀬亮は、冷酷な金庫番で実業家としても有能ですが、変に暴力団ぽい演技をしている場面があり、かえって逆効果だったと思います。

凄味がまるでなく、空威張りしていて、そこいら辺のチンピラと変わりがありません。

ここは、常に冷静で手を出さないような感じにしてほしかったと思います。

殆どが暴力団の方たちばかりなのですが、大友の策略にはまって、仕方なく大友に協力するアフリカの某国大使役の方が、そこはかとなくユーモアを感じさせる演技で異彩を放っていました。

 ということで、北野監督の真価が発揮された映画ではないでしょうか。
 
このようなヴァイオレンス映画を撮れる方は世界でもごくごく少数の監督しかいないと思います。

これからも、この路線を続けていってほしいと思います。

公式サイト


最近の公式サイトにしては貧弱です。

トレーラーもサイズが小さくてかわいそうなくらいです。









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Last updated  2010年06月17日 22時49分07秒
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