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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2014年01月19日
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 今回も、このところ集中的にレビューしている吹奏楽のアルバム。
 
今回は、北テキサス大学(UNT)のシンフォニックバンドの2011年にリリースされた「After Sunset」。

曲は組曲を含め、どれも10分を越す曲ばかり。

表題曲の「アフター・サンセット」がシリアスな曲だった以外は楽しい曲ば
かりだった。

金管主体の曲が多く、ぼけっと聞いているとブラス・アンサンブルのアルバムと錯覚してしまう。

最初はバーンスタインの「ミサ」のメドレー。

カナディアン・ブラスとイーストマン・ウインド・アンサンブルの委嘱でマイケル・スウィーニー(1952-)が編曲した。

「アレルヤ」、「サンクトス」、「アニュスデイ」、「シンプル・ソング」、「オルフェトリウム」、「全能なる父」のメドレーで、独唱や合唱の部分は金55重奏が使われている。

この曲はロックやフォークが入り混じったシアターピースなのだが、金管5重奏を使ったためか、ムーディーな仕上がり。

金管の柔らかなサウンドが効いているようだ。

原曲を最後に聴いたのがいつだったか忘れていたが、こんなに楽しい曲だとは思わなかった。

ブルース・ユアコの「アフター・サンセット」はこの作品バンドの委嘱作品で、作曲者の母親の追悼のためにつくられた。

小編成のアンサンブルで、曲は金管だけの部分、木管だけの部分、全員、最後に金管だけと4つに分かれている。

そこに時折入るチャイムやシロフォンの響きがとても印象的だ。

中間部のフルート・アサンサンブルも美しい。

悲歌なので暗くて当たり前だが、不協和音を交えた、じとっとした救いようのない暗さで、聴いていると落ち込んでしまいそうだ。

3曲目はケント・ケナン の「トランペットとウィンド・アンサンブルのためのソナタ」(1956/1996)。

元々はピアノとトランペットのために書かれた作品だが、1986年と1996年に第1楽章の終結部を変えて、ウインドアンサンブル用に改定した。

この曲は色々な楽器の協奏曲の一環として書かれた。

ウインド・アンサンブル用に書き直したのは、トランペットとピアノではバランスをとるのが難しかったからだと作曲者にっている。

ソロとバックのブレンド具合が絶妙で、アメリカの田園風景を思わせる作風と相まって、とても心地よい空間になった。

まさに作曲者のねらい通りの仕上がりになったと思われる。

ソロのジョン・ホルトの柔らかなサウンドが曲にマッチしている。

ギリングハム(1947-)の交響曲第2番 「ジェネシス」は5楽章構成。

長い楽章でも6分で、演奏時間19分ほどの曲。

相変わらずの暗い作風だが、変に明るい所があり、普段は苦虫をつぶしたような顔をしている人物が無理やり笑っているような気食の悪さを感じる。

この曲はその名の通り旧約聖書の創世記を題材にした作品。

各楽章は「始まり」、「エデンと禁断の果実」、「ノアと箱舟」、「天の水門」、「契約の印」と名付けられていて、ブックレットを見るとストーリーにそって忠実に作られているらしい。

私は聖書に関して全く不案内なので、どういうことを言っているのか分からなくて調べてみた。

「始まり」は神が万物を想像する場面を描いている。

「天の水門」とは地球を自ら守っている水門のこと。

ノアの洪水は単なる大雨が降ったことかと思っていたのだが、まるで違っていた。

最後の「契約の印」とは水が引いた後、神がすべての生き物を絶滅させる大洪水を決して起こさない事を契約し、その証として空に虹をかけたことにちなんでいる。

最初は暗いが途中から明るくなり、あっけなく終わってしまう。

壮大なところもあるが、全体的には軽量級の作品で、展開も中途半端のため、これが交響曲かと言われても、ちょっとと思ってしまう。

讃美歌が使われているのも軽量と感じさせる原因で、それは3楽章に顕著に表れている。

第4楽章ではグレゴリア聖歌の「怒りの日」が断片的に出てくるが、何の描写を意味するのかブックレットには書かれていなかった。

もともと個人的には全く魅力を感じない旋律で、幾多の作曲家がこの旋律を使っている理由がさっぱりわからない。

そのなかでは第2楽章のリンゴをかじる場面がサスペンス風の緊迫した音楽で、トランペットの刻みと暴力的な表現が三善晃や長生淳を思い出させる。

この曲は創世記の内容を熟知していれば、さらに楽しめたかもしれない。

演奏は全く問題はないのだが、作品に問題があり、楽しさも中くらいといったところ。

AFTER SUNSET:UNT SYMPHONIC BAND(Klavier K 11186)

1.Bernstein(arr. M. Sweeney):Mass
2.Bruce Yurko:After Sunset
3.Kent Kennan:Sonata for trumpet and wind ensemble
  l.With Strength And Victor
  ll.Rather Slowly And With Freedom
  lll.Moderately Fast,With Energy
6.David R.Gillingham:Symphony No. 2, "Genesis"
  l. In the Beginning …
  ll. Eden and the Forbidden Fruit
  lll. Noah and the Ark
  lVV. The Floodgates of Heaven


University of North Texas Symphonic Band
Dennis Fisher,conductor

Recorded 2009-2010











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Last updated  2014年01月19日 08時20分25秒
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