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bunakishike
折に触れて聞いた音楽の感想をだらだらと書いています。
音源は主に海外サイトからダウンロードしたハイレゾで、その他観たコンサートや映画などの感想を綴っています。
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3月はいい作品が目白押しで、どれを見るかは悩むところだ。
先週は公開日を間違えたダラス・バイヤーズ・クラブがアカデミー賞で前評判の呼び声が高かった主演男優男優賞だけでなく、助演男優賞まで受賞 |
するとは思っていなかった。
前週の予定では水曜日に次週がどうなるかわかるというのが映画館の話だった。
そのあとこの映画がアカデミー賞受賞をしたので今週も大丈夫だと判断して昨日まで予定をチェックしていなかった。
思惑通り今週も上映することになったので今日見に出かけた。
いつも興味ある映画でスケジュールにあっているものを探すのだが、これも注目していた「鑑定士と顔のない依頼人」が丁度いい時間だったので「ダラス・・・」の前に見た。
今日はそのレビュー。
「英国王のスピーチ」での名演が記憶に新しいジェフリー・ラッシュが天才的な鑑定士ヴァージルを演じている。
舞台はどこかわからないが、その重厚な映像から勝手にイギリス映画だと思い込んでしまっていた。
このブログを書くために公式サイトを見たら『ニュー・シネマ・パラダイス』のトルナトーレが監督とは思わなかった。
おまけに音楽はモリコーネだ。
今までの私のイメージするイタリア映画と全く違っている。
これは喜ぶべきか悲しむべきか。
多分イタリア語ではなく英語、それもキングズ・イングリッシュであることも大きく影響している。
イタリア語だとここまで重厚になるはずがない。
映画はこの鑑定士ヴァージルが正体不明の鑑定依頼人クレア(シルヴィア・ホークス)と恋仲になるというお話。
この鑑定依頼人は両親の残したヴィラに住んでいるが、他人と顔を合わせることが出来ない病気「広場恐怖症」の持ち主。
これは一種のパニック障害で、「もし何か(不安発作が)起きたら…」と恐れ、また、そこに人だかりのできることを恐れる恐怖症で広場に限らず、旅行や家の外に出ること・群集・不安発作時に避難できない場所などが、恐怖の対象になるようだ。 wiki
この鑑定人は世界を相手にする凄腕鑑定士という表の顔と、美術品の真の価値を公表しないで画家崩れの友人ビリード(ナルド・サザーランド)と組んで安く落札して自分のコレクションを増やすという裏の顔を持っている。
鑑定を通じてクレアをヴァージルは親しくなり、ついに結婚に至る。
結婚したことで、鑑定人をやめる決意をしたヴァージルが最後のオークションを終わって自宅に戻ると思いがけないことが待っていたというのが粗筋。
最後の結末はどうしてそうなるのか全く理解不能でストレスがたまってしまう。
ミステリー映画だということは、いろいろ調べて初めて知ったが、ミステリーであることはそれほど強調されていない。
なるほど、記憶力抜群で、見たことは忘れない小人の中年女とか、たとえ古くても修理してしまう凄腕修理屋のロバート(ジム・スタージェス)とか、オートマタという気食の悪いロボットとか、ヴァージルがいつも手袋をしているとか、それっぽい小道具はそろっている。
最近は、すべてが終わった後で種明かしされることが多いが、この映画では種明かしは全くないし、結末も謎に包まれたままだ。
ヒントはプラハの「Nigh & Day」というレストランらしいが、それ以上は分からない。
まあ、このように謎のままで終わるのもいいかもしれないが精神衛生上あまり良くない。
キャストでは主演のジェフリー・ラッシュはこの鑑定士そのもののような演技。
クレアを演じているシルヴィア・ホークスは長身で色白のスレンダーな美人で、役柄にぴったり。
全裸も披露しているが、中性的でいやらしさは皆無。
一癖も二癖もある人物がそろっているキャストの中で、唯一まともな役のヴァージルの使用人フレッド(フィリップ・ジャクソン)が出てくると救われる。
そう思うのは監督の術中にはまっているのかもしれない。
名画が沢山出てくるがセーラー服の少女が見つめている絵は実在しているのだろうか。
とても気になった。
また、美術の裏の人間臭い世界を垣間見られ、なかなか興味深い映画だった。
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Last updated
2014年03月09日 21時40分20秒
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