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カテゴリ:クラシック音楽
1982年アメリカ生まれのアリサ・ワイラースタインという女流チェリストの新譜を聴く。 いつも利用しているeclassicalに以前から気になっていたタイトルがある。 弦楽器のネックの向こうに顔が半分写っているというもの。 なかなかシュールな写真で、この人物が中性的な顔立ちだったことが印象的だった。 今月号のレコード芸術の月評にこのCDが取り上げられていて、あのジャケットだとピーンときたこともあり、spotifyで軽く聴いた後で、ダウンロード。 この方はデッカに録音していたが、この録音からペンタトーンに移籍した。 今迄のジャケ写はちょっとケバい感じだったのだが、今回のジャケ写は何故か同一人物とは思えない端正な顔立ちだったのが意外。 整形したわけではないと思うが、げに恐ろしいのは女性の化粧で、見事に騙されてしまった。 曲目はハイドンの2曲のチェロ協奏曲とシェーンベルクの「浄夜」というプログラム。 通常ならハイドンだけでもおかしくないが、「浄夜」も入っているのは嬉しい。 ワイラースタインの演奏をはベルリン・フィルのヨーロッパ・コンサート2010でバレンボイムの指揮でエルガーのチェロ協奏曲を聞いたことがあるだけ。 バレンボイムが高く評価しているらしい。 ハイドンがすごくいい。 速めのテンポできびきびと進行する。 軽い仕上がりなのだが、技巧のさえが凄い。 速いパッセージは唸りをあげて迫ってくる凄みがあるが、やりすぎの感じはする。 技巧的には素晴らしく安定していて、ハイ・ポジションも音程がぶら下がったりしない。 シェーンベルクは弦楽合奏の版で、以前聴いたジャニーヌ・ジャンセンの演奏の傾向にかなり近い。 情熱的でカロリーが高い演奏。 現在の主流なのだろうか。 当ブログのこの曲のイメージはブーレーズのドメーヌ・ミュージカルの演奏がデフォルト。 月明かりのほの暗い中で女が男に告白しているというデーメルの詩を思い浮かべてしまう。 雰囲気としてはじめじめした感じだ。 バックはTrondheim Soloistsという団体。 ノルウェーのトロンハイムに拠点を置くアンサンブルで、設立は1988年とのこと。 編成はオケの8型程度でメンバーは20数人で、指揮者は置いていない。 平均年齢が30歳に満たない若い人たちばかりだが、合奏の精度はかなり高い。 この団体はムターやアンスネス、ジョシュア・ベルなど一流どころとの共演をしているそうだ。 今までリリースされたディスクは今回のディスクを含めて11枚。 ムターとの「バッハ・ミーツ・グバイドゥーリナ」のバッハの協奏曲などで共演していて、このアルバムが2008年10月のビルボードヒットチャートの「トップクラシックアルバム」チャートの1位になったそうだ。 団体としてはノルウェーの2Lというレーベルに録音している。 因みにこのレーベルはハイレゾに熱心でDSD11.2MHzやMQA、192kHz Flacと幅広くラインナップしている ワイラースタインがどこまで関与しているか分からないが、表現が凄まじく劇的で濃厚。 しかもおどろおどろしい。 こういう演奏も珍しい。 ただ、1つ1つのフレーズに意味を持たせすぎている感じで、聴いている方は少々つらくなることも確かだ。 この点に注目すると、ハイドンも味が濃い気がする。 録音はハイドンは問題がないが、「浄夜」は演奏のせいだろうが音が混濁していて、荒れ気味に感じる。 曲の出だしからざらつきぎみなのは何故だろうか。 Alisa Weilerstein Transfigured Night(PentaTone PTC5186717)24bit 96kHz Flac 1.Haydn:Cello Concerto No. 2 in D Major, Hob. VIIb:2 4.Haydn:Cello Concerto No. 1 in C Major, Hob. VIIb:1 7.Schoenberg:Verklärte Nacht, Op. 4 (Version for String Orchestra) ,revision 1943 Alisa Weilerstein(Vc) Trondheim Soloists Geir Inge Lotsberg, Concertmaster Recorded in the Selbu Kirke, Trondheim, Norway in April 2018. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019年02月03日 21時58分26秒
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