|
カテゴリ:クラシック音楽
エリーナ・ガランチャの久しぶりのアルバムはポピュラーなラテン・ナンバーを集めたもの。 タイトルはスペイン語で「太陽と人生」という意味。 5/10にリリースされたが、ハイレゾも同時リリース。 この前エスペランサ・スポルディングの新作をProstudiomastersで見ていて、偶然ガランチャの新譜を見つけて速攻でゲットした。 セール価格とはいえ税込みで2枚で$32.52、邦貨だと約\1380とかなり安い。 この前カナダのサイトは税金がかかるから避けたほうがいいようなことを書いてしまった。 あとでクレジットの明細を偶然見て、カナダドルは¥85で、米ドルの20%ほど安いことに気が付いた。 なので、税金が付くとは言え、現在のレートだとProstudiomastersではカナダのほうが安いことが分かった。 ただ、ブックレットが付いていないので、データを探さなければならないが痛い。 前置きが長くなったが、がランチャの新作はポピュラーのラテン・ナンバーとクラシックの有名な歌曲を主にオケ伴奏で歌うという趣向。 ジャンルを問わず歌手が大物になると、ポピュラーなアルバムを作ってヒットを狙う傾向があるように思うが、最近のアルバムのコンセプトを見ると、彼女もそういうレベルの歌手になったのかもしれない。 歌は立派だが、キャッチ・コピーの「南国の情熱」は温度が低めで、情熱がいまいち感じられなかったのは残念。 ただし、ポピュラー・ナンバーとクラシックでは歌い方を変えているのが好印象。 クラシッの発声でポピュラーを歌われた時の居心地の悪さを感じないのは何よりだ。 ピアソラの「私はマリア」は軽い声で歌う場合とドスの効いた声で歌う二つのアプローチがあるが、今回は後者。 表現が重く、当ブログとしてはあまり楽しめなかった。 バックはまあまあだが、編曲が厚ぼったいので、ラテンの気分がいまいち伝わってこない。 ラテン・ナンバーではリズミックな曲よりもバラード風のゆったりとした音楽が彼女にはあっている。 その中では、カルロス・ガルデルのタンゴの名曲「想いの届く日」がしびれる仕上がり。 バックがホセ・マリア・ガジャルド・デル・レイのギターなどのコンボのナンバーは飾らない歌唱で、最も楽しめるトラックだった(track 2,4)。 特に4曲目の「人生よありがとう」は心に沁み渡る演奏だった。 最後の「ブラジル」はブラスも入ってなかなかゴージャスな仕上がりだが、バタ臭くてあまり楽しめない。 クラシックのナンバーは南国とは関係ないだろうが、どういう意図で選ばれている不明。 イタリアの作曲家ガスタルドン(1861-1939)の「Musica proibita(禁じられた歌)」は初めて聞く曲。 イタリアで人気のある曲らしいが、ガランチャの歌唱と相まって曲の劇的な展開が楽しめた。 トスティの「君なんかもう」などともに、クラシックの曲のほうがスタイルが違うとか余計なことを考えずに済む。 ガランチャの最近の傾向として、このようなポピュラー系のアルバムが多くなったような気がする。 昔の「ベルカント」(DGG)のような本格的な歌唱が楽しめる録音は望めないのだろうか。 Elina Garanca:Sol y vida(DGG 4836217)24bit 96kHz Flac 1) ララ:グラナダ(K.M.チチョン編) 2) メキシコ伝承曲:ラ・ジョローナ(泣き女)(J.M.ガジャルド・デル・レイ編) 3) 伝承曲:Vai lavar a cara 4) ビオレータ・パラ:人生よありがとう(J.M.ガジャルド・デル・レイ編) 5) グリーグ:T'estimo 6) カルディッロ:カタリ・カタリ 7) デ・クルティス:帰れソレントへ 8) 忘れな草 9) ガスタルドン:禁じられた音楽 10) トスティ:君なんかもう(K.M.チチョン編) 11) デ・クルティス:夜の声 12) トスティ:マレキアーレ 13) ピアソラ:私はマリア(『ブエノスアイレスのマリア』より)(J.M.ガジャルド・デル・レイ編) 14) ロセンド・マト・エルミダ:Lela 15) パブロ・ソロサバル:そんなことはあり得ない(『港の居酒屋』より) 16) カルロス・ガルデル:想いのとどく日(K.M.チチョン編) 17) アリ・バホーゾ:ブラジル(K.M.チチョン編) エリーナ・ガランチャ(メッゾ・ソプラノ)、 ホセ・マリア・ガジャルド・デル・レイ(ギター)(2,4,13)、 カレル・マーク・チチョン(指揮) グラン・カナリア・フィルハーモニー管弦楽団(1,3,5-12,14-17) 録音:2018年11月12-19日、スペイン、ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019年05月18日 18時54分57秒
コメント(0) | コメントを書く
[クラシック音楽] カテゴリの最新記事
|