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カテゴリ:クラシック音楽
グラナドスの歌劇「ゴイェスカス」(1916)を聴く。 初めて聴く曲で、この歌劇のもととなったピアノ組曲(1911)は知ってはいるが、あまりちゃんと聴いたことがなかった。 組曲の副題は「恋する若者たち」となっているが、歌劇にもつけられていたかは? ジョゼップ・ポンスという方の指揮するBBC交響楽団の演奏。 ラテン音楽をイギリスのオケでという否定的な感情で聴いたが、冒頭から沸き立つような音楽に惹かれて買ってしまった。 いつものeclassicalから$13.33で購入。 題名は『「ゴヤ風の音楽」というほどの意味で、フランシスコ・デ・ゴヤの絵画やタペストリーの下絵に霊感を受けて作曲されているそうだ。』 wiki 台本はFernando Periquet y Zuaznabar によるが、ピアノ曲をもとにして台本を作ったというからすごい想像力だ。 この曲は1916年1月にニューヨークのメトロポリタン歌劇場で初演されるが、立ち会ったグラナドスは、帰りの船がドイツの潜水艦に撃沈され亡くなる。 歌い手は4人だけで、演奏時間1時間あまりの小ぶりなオペラ。 粗筋は、次のようになっている。 18世紀末のマドリードを舞台に、恋人ペーパがいるにもかかわらず、美しい令嬢ロザーリオをたらしこもうとするジゴロの闘牛士パキーロ。 嫉妬したロザーリオの恋人フェルナンドがパキーロに決闘を申し込み、殺されるというもの。 指揮者のジョセプ・ポンス(1957-)はスペイン生まれの指揮者で初めて聞いた。 主にスペインで活動しているようだ。 10枚以上のCDをリリースしていて、ラテンものからマーラー、ストラビンスキーなど守備範囲は広そうだ。 生き生きとした音楽でとても楽しめる。 歌手もそろっている。 特に上流階級の令嬢ロザーリオ役のナンシー・ファビオラ・エッレラ(1968- ベネズエラ生まれ)がいい。 このオペラではコーラスがかなり活躍していて、BBCシンガーズが生き生きとした合唱を繰り広げている。 気に入ったのは、第3幕のロザリオのアリア。 スペイン情緒が濃厚な美しい旋律で、とても印象的なナンバー。 ピアノ組曲では第1部の第4曲「嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす 」 ポンスの指揮はタメをあまり作らず、すっきりとした仕上がり。 劇的な表現にも不足はない。 スペイン情緒を徒に強調しないが、曲によっては、テンポを落として、じっくりと歌ってほしいところもあった。 BBC交響楽団はさすがにうまい。 これがスペインのローカルの楽団だと、ローカル色豊かな(言い換えると田舎臭い)だけになっていた可能性が強い。 ところで、ラローチャのピアノで組曲を何回か聞いてみたが、組曲のほうが曲の美しさがよくわかった。 オペラも美しいところが沢山あるが、散漫な印象だった。 このオペラ頑があまり上演されない原因の一つかもしれない。 映像を伴っていると、だいぶ印象が違うような気はする。 なお、ジャケットはゴヤの「ペレレ遊び」という絵画。 「ペレレ遊び」とは女の子が藁人形を毛布で飛ばす遊びだそうだ。 ゴヤの絵を見ると少年が飛び跳ねているように見えるのだが、藁人形だそうな。 まあ、これが人間だったらすぐ地面にたたきつけられるだろうから、実に恐ろしい遊びということになるのだが。。。 ハイライト Josep Pons Granados:Goyescas(Harmonia Mundi 902609DI) 24bit 96kHz Flac Nancy Fabiola Herrera(s) Lidia Vinyes Curtis(ms) Gustavo Pena(t) BBC Singers BBC Symphony Orchestra Josep Pons; Recorded July 2018, Barbican Concert Hall, London お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019年06月06日 14時19分57秒
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