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カテゴリ:クラシック音楽
ラファエル・ピション率いるピグマリオンのマタイ受難曲を聴く。 出たときにガーディナーのヨハネ受難曲と同じようなデザインだったために、関心がなかった。 ある日よく見たら管理人の好きなピグマリオンの演奏だったので、取りあえずspotifyで聞くことにした。 風呂に漬かりながら聞いていたら、あまりにも声が素晴らしく、ビックリしてしまった。 速攻でpresto musicからダウンロード。 日本のサイトでも24bit96kHzが¥2860とかなり安価に購入できた。 管理人はマタイのディスクはいくつか所有しているが、それほど聞きこんではいない。 受難曲なので、どちらかというと暗い感じであることも、馴染めない理由の一つだ。 ところが、この演奏妙に明るい。 歌のずば抜けたすばらしさのためかと思うが、メンバーの生き生きした姿が見えるような活力に満ちた演奏だ。 ディストリュビューターによると。 『ピションは導入―受難への準備―庭での場面―大祭司の場面-ピラトの場面―十字架の場面―埋葬―エピローグと場面を分けていて、これにより、よい意味で血なまぐささのない演奏で、この作品が感動的で普遍的な叙事詩のようであることにも気づかせてくれる』とのこと。 なるほど、管理人が感じたことは、このことが大いに関係しているのかもしれない。 参考までに、バッハ・コレギウム・ジャパンの去年リリースされた音源を聴いてみた。 これは従来の演奏のイメージの古楽器特有のくすんだサウンドで、いい演奏ではあるが、ピグマリオンの演奏とはまるで違っていた。 ザビーネ・ドゥヴィエル(ピラトの妻)をはじめとした、ソリストはみな素晴らしい歌唱を聴かせるが、合唱Ⅰの一員でもあるアルトのルシール・リシャルドーの歌唱にくぎ付けになった。 一聴カウンター・テナーが歌っているのかと思ったが、よくよく聞いてみるとメゾ・ソプラノなことが分かった。 一度聴いたら忘れられない独特の声で、発声も柔らかで丸い感じだ。 有名な第39曲「憐みたまえ」も素晴らしい歌唱だった。 普段はやらないが、お気に入りに彼女のトラックを入れて、それだけを聴くだけでも楽しかった。 気に入ったので、彼女のアルバムを探したらべリオの作品集が出ていたので、これもダウンロードしたしまった。 福音史家のユリアン・プレガルディエンの艶のある美声と柔らかな表現、ステファヌ・ドゥグーの威厳のあるイエスなど男声陣も抜かりがない。 ピグマリオンによる合唱は透明なハーモニーと沸き立つような生命力にあふれている。 バックも古楽器らしからぬ、潤いと艶のあるサウンドで、このサウンドがなければ、印象はだいぶ違っていただろう。 ということで「衝撃の美しさ。比類なき完成度。」というコピーは大げさではなかった。 マタイの異色?の演奏として、是非ご一聴頂きたい。 Raphael Pichon,Pygmalion:Matthaus-Passion(Harmonia Mundi HMM90269193)24bit 96kHz Flac ユリアン・プレガルディエン(tn/福音史家) ステファヌ・ドゥグー(bs/イエス) ザビーヌ・ドゥヴィエル(s/ピラトの妻) マイス・ド・ヴィルトレイ(s/召使1) ペリーヌ・ドヴィエール(s/召使2) ティム・ミード(alt/証人1) エミリアーノ・ゴンザレス=トロ(tn/証人2) クリスティアン・イムラー(bs/カイアファ、ピラト) エティエンヌ・バゾラ(bs/ペトロ、大祭司1) ゲオルク・フィンガー(bs/ユダ、大祭司2) ラジオ・フランス女声合唱(合唱指揮:モルガン・ジュルデン) ピグマリオン ラファエル・ピション(指揮) 録音 2021年4月、フィルハーモニー・ド・パリ、ピエール・ブーレーズ・ホール お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022年04月06日 15時27分45秒
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