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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2022年10月15日
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カテゴリ:ジャズ

サマラ・ジョイ(1998-)の2枚目のアルバムは、何とヴァーブからのリリース。
前作が良かったのか、いきなりメジャーに移籍するとは思っていなかった。
今回も前回の路線からの変更はないが、あまり知られていないスタンダードやジャズメンのオリジナルで構成されている。
彼女のコメントによると、『最初のアルバムの曲はすべて、数年前に学校で習ったスタンダード曲で、今回は、同じスタンダード曲の系統でも、みんなが聞いたことがないような違う曲ばかり。』とのこと。
一部インスト・ナンバーに歌詞をつけた曲もある。
サマラのヴォーカルはますます味わい深いものになっていて、とてもデビューからそれほど時間のたっていない歌手とはとても思えない程。
そして、いざとなった時の爆発的なフォルテシモには圧倒される。
よく長らく活躍しているミュージシャンに対して、「円熟の・・・」という表現を使うことがある。
このアルバムを聴いているとその言葉が思い浮かぶが、それほど急速に進化しているのかもしれない。
却ってあまりにもどっしりしているので、年相応の若々しさを感じる曲も聴きたいと思ってしまう。
管理人の好きなナンシー・ウィルソンの「Guess Who I Saw Today」が入っているのが嬉しい。
ただ、少しネットリしていて、もう少しさらっと歌ってほしかった。
ファッツ・ナヴァロの代表的なナンバー「ノスタルジア」はサマラが歌詞を書いている。
なかなかいい感じの歌詞だ。
この曲のヴォーカリーズ版は聞いたことがないが、他にEmily Daviesという歌手が歌っているバージョンもある。
リズミックな「Sweet Pumpkin」やスインギーな「Social Call」など多彩な魅力にあふれている。
最後の「ラウンド・ミッドナイト」(1944-)は2管編成で、作曲当時(1944)を思い起させるようなホーンとドラムロールが醸し出すレトロな雰囲気のイントロが新鮮だ。
バックではベン・ピアソンのスインギーなピアノがいい。
今回も前回同様ギターのパスクァーレ・グラッソが付き合っていて、妙技を披露している。
急速調のタイトルチューン「Linger Awhile」でのキレキレの速弾きが光る。
最後の「Someone To Watch Over Me」のギターとヴォーカルの心温まる演奏が、しみじみと心に染み入る。
ということで、地味ながら味わい深いアルバムで、ジャズ・ヴォーカル・ファンの皆様方には是非お聴きいただきたい

Guess Who I Saw Today
歌詞を映像化したシュールなモノクロの映像が美しい。
Samara Joy:Linger Awhile(Verve 4826650)24bit 96kHz Flac

1.Jimmy McHugh:Can't Get Out of This Mood
2.Elisse Boyd, Murray Grand:Guess Who I Saw Today
3.Fats Navarro, Samara Joy McLendon:Nostalgia (The Day I Knew)
4.Ronnell Bright:Sweet Pumpkin feachuring Pasquale Grasso
5.Erroll Garner:Misty
6.Qusim Basheer, Jon Hendricks:Social Call
7.Doc Daugherty, Ellis Reynolds:I'm Confessin' (That I Love You)
8.Harry Owens, Vincent Rose:Linger Awhile feachuring Pasquale Grasso
9.Thelonious Monk, Bernard Hanighen, Cootie Williams:'Round Midnight
10.George Gershwin, Ira Gershwin:Someone To Watch Over Me feachuring Pasquale Grasso

Samara Joy (vo)
Ben Paterson (p track1,5,7,8)
David Wong (b track1-9)
Kenny Washington (ds track1-9)
Pasquale Grasso (g track2-4,6-9)
Kendric McCallister (ts track9)
Donavan Austin (tb track9)
Terell Stafford (flh,tp track9)





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Last updated  2022年10月15日 18時58分01秒
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