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カテゴリ:ジャズ
渡辺貞夫の新作「Peace」を聴く。 リリースされていたのは知っていたが、音をチェックすることもなく5か月が過ぎてしまった。 数日前に思い出して、Spotifyで聞いたらなかなかいいではないですか。 前作のライブはちょい聞きしていまいちだったのでパスしたのだが、何故か今回はいい。 もう年なので、多くのことは期待できないという気持ちが先に来たのも、悪かったのかもしれない。 今回はカルテットの演奏で、アンプが故障(再発?)したため、PCにDACをつないで、ヘッドフォンでの試聴。 moraから購入したが、CDの百円安で助かる。 4曲のオリジナルとスタンダードやジャズメンのオリジナルという構成。 若い頃のような気力がみなぎった溌溂としたプレイとはいかないが、晩秋を思わせるカラーに彩られた、味わい深い演奏が続く。 スタンダードでもおなじみのフレーズが出て来て、すぐ貞夫さんの演奏だということが分かるのが嬉しい。 心配していたサウンドも意外と健在で、嬉しかった。 ホレス・シルバーの名曲「Peace」やJ.J.ジョンソンのミディアム・テンポの「ラメント」はバップ・チューンだが、彼一流の洗練された演奏で曲の良さが引き立つ。 「Deep In A Dream」も味わい深く、おしゃれな演奏だ。 スタンダードの「I'm A Fool To Want You」は悪くないが、個人的には粘らない軽い仕上がりの方が好ましい。 オリジナルはどの曲もみずみずしい抒情に溢れている。 どの曲も何度も録音されているが、今回は時間がなかったので確認はしていない。 気に入ったのは軽快な3拍子の「Tree Tops」、実に爽やかだ。 穏やかな「If I Colud」は副題に示されるように、チベットの人たちへの祈りが感じられる心温まる演奏だ。 最後はリラクゼーションの感じられる「After Years」で締めくくられる。 サイド・メンではイエロー・ジャケッツのラッセル・フェランテのピアノが素晴らしいサポート。 ベン・ウィリアムスのベースはシンプルながらも力強く、その存在感が際立っている。 竹村一哲の控えめなドラムスも悪くない。 ということで、円熟味を増し、常に進化し続ける姿勢には頭が下がるばかりだ。 ところで、渡辺貞夫が11月に北上に来ることを知った。 知るのが遅かったので残り数席になっていたが、なんとか席を確保することが出来た。 このアルバムを聴くまでは懐疑的だったが、余計な心配をしないで楽しめそうだ。 渡辺貞夫:Peace(JVC VICJ-61795)24bit96kHz Flac 1.Horace Silver:Peace 2.Jule Styne:I Fall In Love Too Easily 3.Harold Arlen - Yip Harburg:Last Night When We Were Young 4.Jimmy Van Heusen:Deep In A Dream 5.J.J. Johnson:Lament 6.Sadao Watanabe:Tree Tops 7.Sadao Watanabe:If I Could(For Tibetan People) 8.Vinicius de Moraes - Antonio Carlos Jobim:Eu Sei Que Vou Te Amor 9.Frank Sinatra;Jack Wolf;Joel S.Herron:I'm A Fool To Want You 10.Sadao Watanabe:Only In My Mind 11.Sadao Watanabe:After Years 渡辺貞夫(as) ラッセル・フェランテ(p) ベン・ウィリアムス(b) 竹村一哲(ds) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024年09月21日 14時53分43秒
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