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カテゴリ:ジャズ
夏野菜から秋野菜に転換するための畑仕事が忙しく、更新が滞ってしまった。 今日はひと段落したので、溜まっていた未聴の音源から、平倉初音(1999-)のアルバムを取り上げる。 筆者は価格の関係から、国内の配信元から入手することは殆どない。 この前の渡辺貞夫のアルバムは演奏が良かったので例外。 今回はe-onkyoの期間限定でのポイント・アップのセールだったので、思わずダウロードしてしまった。 今回のアルバムはDays Of Delightからの第2弾。 前回はスタンダードを特集したもので、筆者は未入手。 アルト・サックスの池田篤(1963-)とベースの井上陽介(1964-)というベテランを配した変則的なトリオだった。 今回は 平倉初音, 須川崇志(1977-), 山田玲(1992-)というメンバーで、大分若返っている。 須川崇志はバークリー音楽大学卒で、現地で活躍の後2009年に帰国した。 ニューヨークでは菊池雅章(1929-2015)の薫陶を受けたそうだ。 山田玲は18歳よりプロ活動を始めたそうだ。 有名ミュージシャンとの共演多数で、2023年はブロードウェイミュージカル「War Paint」に参加しているそうだ。 今回は全曲平倉の作曲で、水準が高い。 「Espelhar」と「Virgo's Sapphire」ではフェンダーローズを弾いている。 ポルトガル語で、「反映する」「鏡のように映る」「反射する」という意味の「Espelhar」はミディアムテンポのムーディーな曲で、フェンダーローズが効果的だ。 クラッシュ・シンバルを効果的に使ったスタイリッシュなドラミングもいい。 「Virgo's Sapphire」はアップテンポの曲。 ベースとドラムスの強力なサポートに乘ったフェンダーローズのサウンドが快適だ。 タイトルチューンの「Moon and Venus」はダークな雰囲気で同じフレーズを執拗に繰り返す、問答無用でぐいぐいと進む男勝り?の演奏。 大西順子のピアノに似ているなと思って調べたら、2013年から大西順子に師事していたそうだ。 「Glass Falls」はミディアムテンポの少しサスペンスがかった、乾いた空気を感じさせる作品。 須川崇志のベースソロが強力。 平倉のソロも粘っこい。 「Ballad no.4」はピアノとアルコ・ベースのデュオ。 ピアノの上質な叙情が心に沁みわたる。 明るくリズミックで爽やかなメロディーが流れる「Sea Raccoon」は、平倉の爆発的な推進力をみせるアドリブが素晴らしい。 「The Trigger Point」はダークなサウンドで驀進する、ピアノのアドリブが見事。 「ソバの花」は日本的なムードのスローバラード。 最後の「Days of Delight」はこのレーベルへのオマージュだろう。 アップ・テンポでデキシー風味の楽しい演奏がエンディングに相応しい。 平倉のソロもノリノリだ。 ベースは堅牢で重心が低く、少し軽めだが切れの良いドラムスとも申し分ない。 ということで、すべての曲が非常に高い水準で、攻撃的なアコースティックとムーディーなフェンダーローズのコントラストが際立っていた。 アンプが修理から戻ってきていないので、今回もPCをDACにつないでヘッドフォンでの試聴。 適度なバウンス感のある録音で、演奏に相応しい滑らかなサウンドに仕上がっている。 ただ、スピーカーで聴いたときに、どう感じるかは、分からない。 平倉初音:Moon and Venus(Days of Delight DOD-044)24bit 96kHz Flac 平倉初音: 1.Moon and Venus 2.Glass Falls 3.Espelhar 4.Virgo's Sapphire 5.Ballad no.4 6.Sea Raccoon 7.The Trigger Point 8.そばの花 9.Days of Delight 平倉初音(p,piano, fender rhodes) 須川崇志(b) 山田玲(ds) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024年09月07日 16時46分29秒
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