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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2024年09月23日
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カテゴリ:クラシック音楽

ノルウェーのヴァイオリン奏者、ヴィルデ・フラング(1986-)の新作がリリースされた。
今回は、彼女が録音を切望していたエルガーのヴァイオリン協奏曲(1910)のアルバムだ。
この協奏曲の楽譜の献辞(ここに・・・・・の魂が祀られている)はエルガーの助言者であるアリス・ステュアート=ワートリー(ウインドフラワー)といわれているらしい。
第1楽章の第2主題は彼女のために作ったと言われる。
オーケストラの序奏からとても熱っぽく、悲しみを帯びて濃厚な表現。
ソロ・ヴァイオリンは深みと艶のあるサウンドで、気迫がこもり、切々と訴えかけてくる演奏だ。
聴き手の心をざわめかせるような弦のサウンドから始まる第2楽章も、淡彩画のような色調ではなく、コントラストが際立った濃密な表現で、聴き手の心を鷲掴みにする。
超絶技巧を要する第3楽章では、彼女の気迫に満ちた、胸のすく様な技巧が堪能できる。
後半第1楽章の第一主題が帰ってくるところからは始まるオーケストラ伴奏付きのカデンツァも、しみじみとした抒情の感じられる意味深いものだ。
エルガーの考案による弦のピチカート・トレモロも印象的だ。
それまで暗めのムードであったのが、次第に明るさをまして、堂々たるエンディングを迎えるところは感動的だ。
オーケストラもフラングの熱気に当てられたのか、熱い表現で、ソロとの一体感が強く感じられる。
筆者はこの曲がこれほど素晴らしいと思ったことはない。
エルガーのチェロ協奏曲が、曲が進むにつれて尻すぼみ気味になるのに対し、この協奏曲は最後まで熱っぽさと緊張感が保たれ、はるかに優れているように感じられる。
この演奏を聴いたからだろうか。。。
参考までに架蔵していたヒラリー・ハーンの演奏(2003 DGG)を聴いてみた。
彼女特有のクールな表情で、バックもソロに肉薄するわけではなく、今回の演奏に比べると印象が薄い。
録音も今回に比べると些か古さを感じてしまう。
フィル・アップはエルガーの「カリッシマ」とウィリアム・ロイド・ウェバー(1914-1982)というオルガニスト兼作曲家の「イーストウェルの庭園:晩夏の印象」という小品。
曲がよく、趣味の良い選曲だと思う
「カリッシマ」は小オーケストラのための作品を作曲者自身がピアノとヴァイオリンために編曲したバージョンだ。
1913年12月に録音専用に依頼された二曲のうちの一つで、締め切りが何と1932年の1月で、演奏時間もSPの片面に収まる4分以内という厳しい条件。
この作品がクラシック作曲家による初の録音専用の作品だったそうだ。
今回は作曲者自身の編曲のピアノ版が演奏された。
エルガー特有の優しい旋律が流れる、美しい曲だ。
「イーストウェルの庭園:晩夏の印象」の作曲者ウイリアム・ロイド・ウェバーはミュージカルの作曲家として有名なアンドリューの父親で、ヴォーン・ウィリアムズの弟子だそうだ。
「イーストウェルの庭園:晩夏の印象」は原曲はフルートとピアノのための作品だった。
ゆったりとしたテンポで、イギリスの田園風景を思わせるような上品で美しく、映画にも使えそうな音楽だ。
指揮者のロビン・ティアーチ(1983-)はロンドン生まれのイタリア系指揮者。
現在スコットランド室内管弦楽団の首席、バンベルク交響楽団の首席客演指揮者、来シーズンからはグラインドボーン音楽祭の音楽監督に就任するという伸び盛りの指揮者の一人だろう。
協奏曲は劇的で、音楽の彫が深く、音楽がスムーズに流れる。
ベルリン・ドイツ交響楽団の起用も、がっしりしたエルガーの協奏曲に相応しい重量感のあるもの。
録音は分厚いハーモニーの影響もあるのか、響きが混濁していて、やや抜けが悪い。
低音も十分ではない。
せっかくの名演なのに実に惜しい。



Vilde Frang Elger:Violin Concerto(Warner Classics 2173240942)24bit192kHz Flac

1.Elgar: Violin Concerto in B minor, Op. 61
4.Elgar: Carissima
5.Lloyd Webber, W: The Gardens at Eastwell "A Late Summer Impression" (Arr. Soudoplatoff for Violin and Strings)

Vilde Frang(Vn)
Robin Ticciati (track 1-3,5)
Deutsches Symphony Orchestra Berlin(track 1-3,5)
Thomas Hoppe(p track4)





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Last updated  2024年09月23日 11時50分11秒
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