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二年前に当地で行われた鼓童の演奏会。 知るのが遅く、チケットを取ることができなかった。 今年になってから盛岡芸術振興財団からのメールで、盛岡で公演があることを知り観に行った。 てっきりマリオスでの公演だと思っていたが、何を思ったか、車に乗ってからチケットを確認したところ、なんとキャラホールでの公演だった。 危うく間違えるところで、全くやれやれだ。 「鼓童ワン・アース・ツアー2024」というツアーは1984年から始まり、今年で40年という長い年月続いていることは驚異的だ。 団員の不断の努力もさることながら、スタッフや新曲の導入など、常にリフレッシュを続ける姿勢にも頭が下がる。 もちろん、聴衆の支持がなければ成り立たないが、彼らの絶え間ない努力が聴衆に支持され続けているからこそ、ここまで続けられているのだろう。 なによりも、日本人のDNAに直接響くような音楽であることが、続いている理由ではないだろうか。 鼓童の前身である「鬼太鼓座」の頃から何度か観に行っている。 最初はもう50年近く前のことだ。 あまり記憶に残っていないが、その古い記憶と比べるとだいぶ様変わりしている感じがした。 メンバーはもちろんのこと、ステージそのものがかなり洗練されている。 踊りが取り入れられたり、ステージ上の楽器の配置換えがあったりするなかで、音楽(横笛)が流れており、切れ目のない進行が印象的だ。 「最初は休みなしの80分」と聞いていたので、物足りないかと思ったが、全くそんなことはなく、大変充実したコンサートだった。 以前観たときと大きく変わっていて、ショー的な要素が増え、飽きさせない構成になっていた。 狂言を思い起こさせるようなナンバー(興)やバック転などもあり、驚かされた。 プログラムの大半は聞いたことのない曲で、編曲物を除き、ほとんどが2000年代になってからの曲だった。 作曲者は石井眞木(1936-2003)と、と原田敬子(1968-)の作品を除きメンバーの作曲。 筆者にとって驚きだったのは、石井眞木の「モノクローム」がいまだにレパートリーに入っていたことだ。 この曲は最初、オーケストラとの「モノプリズム」(1976)が発表され評判になり、グループ単独でできる「モノクローム」(1976)が作られたと記憶していたが、オフィシャルサイトを見ると逆だった。 昔から好きな曲で、この鮮烈な音楽は今でも健在だった。 大変な緊張と持続力、それに一糸乱れる統率力が必要だ。 ところが、録音だけを漫然と聞いていると、そこまでは分からなかった。 生を聞いて初めて聴き手にもそれが伝わってくることが実感された。 「富岳百景」というアルバムに収録されている同曲を聞き直したが、音が軽くて迫力がまるで違った。 録音には収まりきれないサウンドなのだろう。 その他記憶に残っているのは「大太鼓」。 二人の奏者が客席に向かって縦に並んで演奏していたため、後ろ側の奏者は見えなかった。 音も客席側の奏者に比べて小さく感じた。 それにしても、裸になった奏者の肩の筋肉がすごい。 背骨のところまで筋肉がついていて、日ごろの厳しい鍛錬が想像できるほど。 全体を通して、厳しい鍛錬の賜物であることがよく伝わり、現代では稀な体験だった。 今でもマラソンなどを行っているのだろうか。 期待していなかったアンコールも二曲演奏された。 最初の曲はジャズのリズムが刻まれ、太鼓のソロが回されて、まるでジャズのジャムセッションのような感じで大変面白かった。 CDも最近はあまり聞いていないが、たくさんリリースされているし、動画も多数YouTubeにアップされているので、しばらく彼らの音楽に浸りたいと思う。 鼓童:ワン・アース・ツアー2024 1.平田裕貴:兆(Kizashi) (2019) 2.平田裕貴:祝福(2024) 3.石塚充:Stride(2010) 4.住吉佑太:山影(2024) 5.鼓動編:木遣り~三宅 6.原田敦子:鬼より第1曲<E>(2022) 7.石井眞木:モノクローム(1976) 8.三枝晴太:きざみ拍子(2024) 9.前田順康:興(Okoshi)(2021) 10.前田順康:nat. 11.鼓動編:山唄 12.鼓童編:大太鼓 13.鼓童編:屋台囃子 鼓童 2024年9月23日キャラホール 12列32番で鑑賞 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024年10月10日 21時49分24秒
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