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カテゴリ:生活・文化
行政書士が取り扱う仕事の中に「風俗営業許可申請」がある。今日はこの話を。
ある日、男性の声で事務所に電話が掛ってきた。 「マージャン営業の申請を出したいのですが 書類を作っていただけますか?」 「それが仕事ですから 申請書 作りますよ」 「これから そちらの事務所に伺いたいんですが」 「どうぞ お待ちしております」 しばらくしてから 電話の主が私の事務所に店舗の図面をもって来ました。古ぼけた背広を着た年配の人だったと記憶しています。 雀荘、バーなどいわゆる水商売を営業する場合は風俗営業の許可が必要になります。申請先は県公安委員会。 数日経ってから店舗の図面を作成する為にそこに出張しました。 卓の配置を調べたり、 床面積を計算するために巻尺で室内の長さを計りながら何気なく壁に目をやると‥ そこに映画のポスターのようなものが張ってある。 (背中に刺青? 仁侠映画のポスター?) と思いながら部屋の長さを計る。 時々 眼はポスターへ (それにしても どこの映画会社なのか 配給映画会社の名がない?) 暫くして ひょっとして ここ 組の事務所‥? 古い建物の内部を改造してマージャン荘にしたようです。 外見は古い平屋建木造住宅。 どうしてそんな仕事を引き受ける! といわれるかも知れませんが 行政書士法の中に 正当な理由がなければ依頼を断ってはいけないという条文があります。 断ったときの罰則規定もあります。 依頼を受けたときに知っていれば断ります。 「私はまる暴の関係者です」なんていう人はいません。 それに書類の中にボの関係者がいれば申請することはできませんから申請者は隠します。 あとでひとから聞いて「えっ !! そうだったのか」と気が付くのが普通です。 この仕事はさっさと書類を作成して申請しました。 ただ、参考の為に‥ こういう時に気をつけることは 「許可は下りてきます」と相手にいわないことです。 警察が調査してボの関係者が申請人である会社の中に役員として就任していることが分かれば許可は下りてきません。また、店舗の設計、立地条件などでも不都合なことがあれば許可は下りてきません。 そうなると 「先生 あの時 許可が下りてくるといいましたよねぇ~」と絡んできます。許可が下りるというから先生に頼んだという事を含んで言ってくると思います。 そこから人生の転落が始まる事が多い。隙をつくらないこと。隙を見せれば突いてくる。世間の厳しさ悲しさかな‥‥。 「申請書類は作りますが、許可を下ろすのは公安委員会です」というのが正しい接客態度。自分の責任の範囲をキッチリと説明することが大切です。 また、そのような行政書士に会ったら信頼してください 「仕事キッチリ !!」しますよ。多分。 面白かったらポチッをお願いします お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.12.26 21:54:01
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