モーニング 小路 幸也
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
大学時代の親友である河東真吾の訃報に接した私。
葬儀のため福岡に集まったのは、同じ大学でバンドを組み、
四年間一つ屋根の下で共同生活を送った淳平、ヒトシ、ワリョウ。
葬儀を終え、それぞれの家へ、仕事へ戻ろうとしたとき、
今は俳優となった淳平が言った。「この車で一人で帰って、自殺する」。
何故?しかもこんなタイミングで?思いとどまらせるために、
私たちは明日の仕事を放り投げ、レンタカーで一緒に東京まで
向かう決意をする。「自殺の理由を思い出してくれたら、やめる」。
淳平のその言葉に、二十数年前のあの日々へと遡行する
ロングドライブが始まった。それは同時に、
懐しい思い出話だけでは終わらない、鍵をかけ心の奥底に沈めた
出来事をも浮上させることになっていくが...。
なんかもぉ、初っ端から私の心を揺さぶる。
車の中でいろんな思い出話をしながら、
淳平の自殺の理由を探っていくっていう、
↑ の内容情報そのままやねんけど、
このメンバーの性格の描き分けとか、
学生時代もそうだし今も変わらず的なところとか、
なんかこぅ、読んでて胸が一杯になる。
全然会ってなくても、
会えば自然とタイムスリップしたような会話になるし、
沈黙が気にならない、そんな間柄、なんかな。
忘れられないこと、捨てられない思い、
忘れないといけないこと、捨てないといけない思い、
それを繰り返し選別していくことが、
大人になるっていうことなのかも。
思い出話と現在、
入れ替わりながら東京に近付き、
夜明けが近づいていって、
「自殺」の理由もなんかいい。
すごく分かる。
他の3人には、ひょっとしたら迷惑かけたのかもしれないけど、
私は淳平を支持するなぁ。
そして、先に逝ってしまった真吾もきっと喜んでくれるって思う。
ただ、
真吾と淳平の秘密みたいなやつはいらんと思う。
そこだけは不満。
でも、
4人がドライブ中に懐かしい思い出話をしているとき、
私も懐かしい頃に想いを巡らすことができた。
果たして私は、あの頃と何が変わったんだろう。
やっぱり大人になりたくない。