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カテゴリ:SFサスペンス・ミステリー
1874 ギヴァー/記憶を注ぐ者
※オモテ面 【スタッフ】 ・監 督 フィリップ・ノイス ・製 作 ニッキー・シルヴァー ジェフ・ブリッジス ・撮影監督 ロス・エメリー ・原 作 ロイス・ローリー 「ギヴァー/記憶を注ぐ者」新評論刊 【キャスト】 ・長老………メリル・ストリープ(鈴木弘子) ・ギヴァー…ジェフ・ブリッジス(佐々木勝彦) ・ジョナス…ブレントン・スウェイツ(増田俊樹) ・父親……アレクサンダー・スガルスガルド(大隈健太) ・母親………ケイティ・ホームズ(まつだ志緒理) ・ローズマリー…テイラー・スウィフト(三木 美) ※ウラ面 【仕 様】 ・型 番 CPD-12286R ・製作年度 2014年 ・製 作 国 アメリカ ・原 題 THE GIVER ・発 売 カルチュア・パブリッシャーズ ・販 売 元 カルチュア・パブリッシャーズ ・DVD制作 ---- ・提 供 ---- ・字幕翻訳 佐藤栄泰 ・吹替翻訳 瀬谷玲子 ・吹替監修 ---- ・字幕監修 ---- ・日本公開 ---- ・リリース ---- ・収 録 本編 97分 ・サ イ ズ 16: 9 LB シネスコサイズ ・音 声 1.英 語 ドルビーデジタル 5.1ch サラウンド 2.日本語 ドルビーデジタル 5.1ch サラウンド ・字 幕 1.日本語字幕 2.日本語吹替字幕 ・そ の 他 片面1層、COLOR、MPEG-2、複製不能、 DOLBY DIGITAL、2 NTSC 日本市場内、 DVD VIDEO、レンタル専用 ・映像特典 ---- ※ディスク 【ジャケット】 ・オモテ面:隠された《記憶》 それは世界を救う鍵。 世界的ベストセラーSF小説の完全映画化 ・ウラ面 :支配された近未来。 唯一の記憶を受け継ぐ少年よ、 この世界を救えるか? 本編は、大半がモノクロ映像なので、宣材として提供されたスチールを使うと、本編と大きな齟齬が生じる。その辺りが、こうした作品の難しいところだな。 モノクロから始まり、主人公の感情の芽生えとともに、色が蘇って来る演出が奏功しているかどうかは別として、ジャケットやポスターのデザインに、その辺りの演出も盛り込んで欲しかった。そうすれば、もう少し物語の雰囲気を伝えられたかも知れない。(溜息) 【感 想】 「記憶は失なうもの」 時たま、子供の頃のことをよく覚えている人に出会うことがある。「その年で、よく覚えているなぁ」とツッコミたくなる。 まぁ、小学校の高学年の頃のことを話す人は、ままいる。これが低学年になると、一気に人数が減って、幼稚園になるとごく僅かだ。その情報量も少ない。余談だが、比較的、女性の方が古い記憶を保持しているような気がする。 私は、ほとんど小さい頃の記憶がない。覚えていないのだ。いや、「古い記憶を引っ張り出せない」というのが正確な言い方かも知れない。メモリー容量が小さくて、同時に開けるウィンドの数が少ないPCみたいだ。或いは、フォルダが多すぎて目的のファイルが見つけ出せないって感じ。(笑) だから、記憶ってヤツは失なうものだと思っているし、そもそも「記憶」って言葉は「記録」の主観的な言い替えだし、感傷的で散文的だ。本作品の失敗は「記憶」を正しく表現できていないことではないかと、先ずもって思う。 近未来の管理社会の欺瞞を壊す若者の衝動=改革を描いたSF映画。何だか、それすら欺瞞に思えるほど薄っぺらい作品だった。とは言っても、クライマックスでは、ちょっとウルウルする。いつの時代でも破壊から生まれる新しい世界は美しい。 ――近未来、荒廃した世界に、ひとつの管理社会が生まれる。《コミュニティ》と呼ばれるその社会は、誕生から死までコントロールされ、人間は感情を抑制されることで秩序は保たれていた。決められた服、住居、言葉遣い、コミュニティには勝者も敗者もいなかった。 儀式の日、ジョナスは《レシーヴァー》に任命される。友人たちがドローンの操縦士だの養育係だのコミュニティの維持に必要な普通の仕事を任命されたのに彼だけが違った。 レシーヴァーは、世界の《記憶》をギヴァーから受け継ぎ、その知識を活かして長老たちに助言するのが仕事だ。そのためには膨大な記憶を受け継がなければならない。美しくも荒々しい自然の風景や人間の生活、笑顔や愛のカタチ、或いは醜い争いや殺し合い、戦争も記憶のひとつだった。 ジョナスは、毎朝の投薬をやめて記憶を受け継ぐうちに、感情が芽生え始める。それは、彼の生活を豊かにするが、コミュニティの規律を違反することでもあった。 ……というお話し。 プレオープニングで《コミュニティ》の全景が映し出される。その小さなエリアに、どれだけの人が暮らしていて、どんな産業が営まれていると言うのだろう。言葉のイメージが優先されて、ヴィジュアルの説得力が検討されていないし、論理的な整合性が置き去りにされている。いわゆるヤングアダルトと呼ばれる作品の多くが、そうだ。だから、薄っぺらい。(予算が足りなかった?) 首席長老は、コミュニティが幾つもあるようなことを言っていたが、それは、どこにあるんだろう。コミュニティごとに記憶の結界があるのか? 何故、誰かが結界を破ると、住民全員の感情(記憶?)が戻るんだ? 勝ち負けはないと言いつつ、赤ん坊の体重を計って「勝った」「負けた」と言っているが、それはいいのか? いろいろな場面で「?」と思うことがあり、綻びが目立つ。あまりいい脚本とは言えないし、演出プランとも言えない。 名優ジェフ・ブリッジスと大御所メリル・ストリープが、若手を支えるように出演しているのは、作品に説得力を与えるためだろう。製作サイドの意図は、明確だ。 役者サイドとしても、若者の映画に出ることで、若年層の知名度を上げられる。活動の幅を広げようとするエージェントの企みが見え隠れしているように思える。(苦笑) だからって、こういう作品には、出ないで欲しいなぁ。特に、ジェフ・ブリッジスは、私たち世代にとっては『サンダーボルト(74)』や『天国の門(81)』、『トロン(84)』などで忘れ得ぬスターなのだから……。 さて、他の出演陣を見てみると主人公の母親役に、ケイティ・ホームズが出演。こう言っては何だが、「作品選びが下手な方だなぁ」という印象しかない。『バットマン/ビギンズ(05)』は明らかにミスキャストだったし、むしろ、(トム・クルーズの怨霊を除霊できれば)これからの方が活躍が期待できるんじゃないか?(笑) ギヴァーの娘で、前のレシーバーであるローズマリー役として出演しているのが、テイラー・スウィフト。ティーンに絶大な人気がある。 忘れてならないのが、主人公の幼馴染みであるフィオナを演じたオデイア・ラッシュ。『ティモシーの小さな奇跡(12)』でティモシーの親友になる女の子を演じた子だ。随分と大きくなって女性らしくなった。(汗) ネットによれば、本作品は児童文学が原作とのこと。J.R.R.トールキンの『ホビットの冒険』と同じだな。だとすると、もっと予算をかけて、説得力のある映像と脚本でみせるべきだった。製作方針を間違えたわけだ。 思うに、『ハンガーゲーム』や『ダイバージェント』シリーズのような作品を目指すより、アニメにした方が、いろいろな意味で違和感がなかったような気がする。 正直、オススメ出来ないかな。子供の頃に原作を読んだ方ならきっと懐かしいだろうから、観てもいいかも。(あ、主人公を演じた役者さんを紹介するのを忘れた) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.05.21 05:30:06
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