ヘンリーの国際関係学

2004/04/02(金)11:24

へんりのヒトリゴト(1)<セルビアのすごいおっさん>

ヘンリのヒトリゴト(コラム)(27)

 すごいおっさんが居る。名前はフラシュコ・ガブリッチ。セルビア人。印刷業を営む61歳。このおっさん、去年の5月、自宅の敷地3.5haを「新ユーゴ」の為に開放した。そして記念式典。これに一万人が参加!国歌・国旗は制定して、「市民権」登録を開始して、今や約2500人が市民権を登録している。セルビア共和国のレストランのオーナーも新国家の支部と宣言しちゃったりしてる。そんでこのガブリッチさん、市民権が一万人になったら国連に加盟申請にしちゃうそうです。自分の手で国連加盟国を作ろうとするなんて!熱いぜ、おっさん! ところで、ユーゴスラビアって国は知ってる?かつて、そんな国があったのだが、冷戦終了とともに崩壊の一途をたどる。今や、スロベビア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア、セルビア・モンテネグロ国家連合に分裂してしまった。民族紛争が起こったこの地域だが、ガブリッチさん曰く「昔は民族名をお互いに聞いたことがなかった。今も自分を『ユーゴ人』とする人は数百万人」だそうで、チトー元大統領の孫も「民族が平和に共存していたユーゴノスタルジーから新国家に参加した」とのこと。 そうは言っても、この新国家、かつて6共和国を束ねた「連邦」の再興にはほど遠く、政治形態・財政基盤など、新国家とするには未整備の点はある。当面、民族共存をアピールする象徴的なものになるみたい。それでも、こういった行動に出ちゃうあたり、我々若者もこうしていられんよなぁ、なーんて考えてしまいました。うんうん。 (読売新聞2004年1月4日より) このコラムの感想があればどうぞ♪

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