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ヘンリーの国際関係学

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December 28, 2004
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さてさて。昨日の日記コメント欄で、まさやんさんに「おぶじぇくしょん」して頂きました。

誰かの反応・反論があってこそ、より深く考えることができますので、とっても有難くて、
有難すぎて質問にめいっぱい考えて答えた結果、長くなってしまったので(笑)、
たっぷり書ける日記の方に返信を書いていこうと思います。
昨日の続きなので、先にそちらの方をご覧下さい。

まさやんさんには(1)発展性と(2)確実性という点から反論をして頂きました。

----------------------------------
(1)発展性≒私を超える と考えてください。
自分を超えていってもらうにはまずは自分と同じレベルまでできるだけ早く到達してもらわなければならないわけですよ。ところが自分が考えてきたのと同じように考えさせていたら、相当才能に差が無い限り、時間がかかってせいぜい自分と同程度のところで終わってしまうはずです。だから自分が考えてきた所をすぐに教えて、次のステップを考えてもらうべきなのです。

(2)確実性≒どのくらいの確率で理解させられるか
自分からよく考えようとする人と余りそうでない人がいると思いますが、
よく考える人は前述の1.でよりよく理解させられます。
あまり考えない人はとりあえず言ったことだけは理解させられます。考えさせて考えなかったら何も身につきません。

ただ1つ思うのはすぐに教えてしまうと考える楽しみを奪ってしまうんじゃないかな、ということ。私は正解を教える、ということは楽しみと効率のトレードオフだと思っています。
--------------------------------

では、これに対する僕の意見を書いていきます。


>理由は二つ。1.発展性と2.確実性。
うむ、完璧なNLC(Numbering、Labeling、Contents)やね!ディスセクの鏡やわ☆


>自分と同じレベルまでできるだけ早く到達
なるほどね。たしかに、まずは自分の所まで上ってきてからでないと、それから先に行く事ができない。至って同感です。

でも、「レベル」って何なんでしょう?技術でしょうか?
僕が後輩に超えて欲しいのは、ディスの技術でもランキングでもありません。
1人の人間として超えて欲しいのです。

その為には、技術よりも動機を与えたいのです。
それゆえ、「レベルとは何か」も含めて「考えてもらう」のが、僕の意見です。でないと、いくら「技術」を教えた所で、それを他の場面で応用し、人間力につなげる事が難しくなると思いますから。

また、そういった事を考えていないのならば「次のステップ」と言われても、何が「次」なのか解らないのではないでしょうか?


>自分から考えない人
なるほど、こういった人はむしろ多数派だと思います。
そう言った人に対して「言ったことだけは理解させられる」という点も同感です。

ですが、むしろこう言った人にこそ、考えてもらう事が僕の目標です。人生の目標と言っても過言ではありません。

「考えないから、とりあえず言っておいて理解できる範囲だけは機械的に理解させよう」という事をしたくないのです。
「どうすれば考える動機を与えられるだろうか」と言うのを僕は考えたいのです。

「教えたこと」自体が身に付かなくても構いません。
僕が接したことで、「考えていくきっかけ」を与えられたら、僕の目的は十二分に達成しているのです。
たかが1,2年間で後輩に教えられる事は限られています。だから、僕が居なくてもめいっぱい成長できる土壌を育ててあげたいのです。


>すぐに教えてしまうと考える楽しみを奪ってしまう
僕が思うのは、奪われるのは「楽しみ」ではなく、「成長のきっかけ」では無いかという事です。詳しくは以下に書きます。


>私は正解を教える、ということは楽しみと効率のトレードオフ
「正解」とありますが、世の中で「正解」と定義できる事はどれほど存在するでしょうか?
果たして「これが正解です」と言ってしまって、伝えても構わない事なのでしょうか?

日記上で何度か書きましたが、「思考の余地」を無くす言葉が世の中に溢れています。
人権という名の元で、ホームレスに人権侵害をする住人(参照)、
ナンセンスと決め付け、インドの他宗教に対する視点を奪う知識人(参照)、
愛国者アメリカ人・反日中国人というステレオタイプで国民を定義する人々(参照)などなど。

先輩として教えるのは、
「これが正解で、これが間違っている」という単純な世の中の見方ではなく、
「何が正解で、何故そう思うのか、自分で考えようね」と言う「これからの彼らの人生に対する考え方」だと僕は考えています。


何度も引用していますが、
人権教育の1つのGoalは、「児童・生徒たちが『よりよい人間関係を作る為には何をしたら良いのかな?』について話し合って、話し合った後も心のどこかにわだかまりを感じていれば・・・『まだやっぱり(内容的に)納得がいかない』と思っていれば、成功したもの」だと先生は仰っていました(参照)。
「安易に答えを断定せず、ひたすらに考え続ける原動力に」
「最も大切なのは、考えればきっと納得のいく答えが見つけられる、という立場よりもむしろ、答えが決して見つけられないものに対して、どう向き合い続けていくか、という立場だ」とも。

現実にもディスカッションの中にも「正解」と一括りにできない事が山ほどあります。
そういったものに対してどうやって付き合っていくか。
それを教えることができたならば、僕の後輩に対する「教育」は成功しているのだと、僕は考えています。




蛇足ですが、「自分が得てきたことを伝える」という点について補足です。

日記内で不十分だった点を加えて要点をまとめ直すと
「教える前に考えさせるべき。
その理由は『なぜ正解か、間違っているか』を理解した上で指摘を受けて欲しいからだ」
と言うことになります。

つまり、「考えてもらう」のは「答えを出す為」だけでなく、「これから伝えるものを後輩が聞きやすくする効能」も見越した上での事なのです

技術面でも超えてもらう為には効率的に伝えないといけませんから、考える事で「先輩から学ぶ必要性」を感じて欲しいのですよ。


以上です。
いや~、長々と申し訳ない。
相変わらず反論は大歓迎なので、ガツンガツン言って下さいな♪





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Last updated  December 31, 2004 08:01:00 PM
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