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テーマ:旅のあれこれ(10088)
カテゴリ:英国日記(日常編)
カチャカチャカチャカチャ。
関西国際空港。目的地を告げる掲示板の表示が変わる。 ドーハ行きとドバイ行きの二便だけを残して、後は黒い。 出発1時間半前。 店は閉まり、ひとけの失せた空港で、出迎えに来た家族に手を振る。 僕はカタール航空、ドーハ経由の飛行機に乗り込んだ。 興奮は無い。ただ、何とかなる、という予感だけがある。 カタールに着くまではあっと言う間だった。 夜に出発しただけあって、よく眠れた。ドーハ到着は現地時間の早朝だ。 イスタンブール行きの飛行機までの時間を持て余し、空港内をうろつく。 Prayer Roomという看板を見て、イスラム国にいると改めて実感する。 ![]() 荷物をベンチに置き去りにして、トイレに向かう。 個室のほう(つまり大きい用)に入ると、下が濡れている。理由はすぐに分かった。便器の横にシャワーがある。もちろん、ここがシャワー室とは思えない。 「なるほど、これが紙の代わりに使うという水のためのシャワーか。」 すぐに納得して、ウォッシュレットの要領で、水と不浄の左手を用いてお尻を拭く。これも文化だとは理解しつつも、やはり最初は抵抗がある。 個室のトイレの目の前には、それぞれに洗面台がある。僕は、待っていた人と交代すると、すぐさま石鹸で手を洗う。 手を洗い終え、トイレから出ようとすると、奇妙な直方体がいくつも並んだ、扉の無い部屋を見つけた。何だろう、と中に入ると、張り紙を見つけた。「手と足しか洗ってはいけません」とある。何のための部屋か解らない。 ![]() 後日談になるが、この部屋の正体が明らかになった。 イスタンブールで、ブルーモスクにトルコ人と共に入ろうといった時、 その男は「今日、足が臭いから止めておく」と言った。 モスクとは、それだけ神聖な場所なのであろう。 だが、トルコのモスクでは手足を洗う場所はあるので、彼の真意は別のところにあったのかもしれない。 (モスクには屋根のついた円柱の建物があり、そこの壁には蛇口がある。祈る人は、そこで手足を清めてから、モスクに入るのである) とにかく、お祈り前には手足を洗うムスリムは少なくない。 このエピソードに遇った後になって、ようやくトイレの中の直方体の部屋の正体が解った。あの部屋は、お祈り前に手足を清めるための場所だったのである。 初めてのムスリム国への旅。 そのカルチャーギャップは、トイレから始まった。 <過去のトルコ・中東旅行記> トルコ・中東旅行記(0)好きな場所ランキング トルコ・中東旅行記(-1) シリアで聞いた変な噂。~自衛隊に死者?~ トルコ・中東旅行記(-2) 日本のInvisible Rule。 トルコ・中東旅行記(-3) 世界の英語 今後、トルコ・中東旅行記はTMET(Turkey・Middle East・Travel)の略称で表します。タイトルが長くなり過ぎるんで。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 8, 2005 01:12:32 AM
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