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ヘンリーの国際関係学

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June 1, 2006
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僕は、Herald TribuneIndependentという英字紙のメルマガをとっている。
見出しがメールに送られてくるので、気になる記事があれば、
そこに張られたリンクから飛んで読みにいける仕組みだ。

僕は英語をPCで読むのにあまり慣れていないので、
毎回プリントアウトして、通勤の行きの電車で1つだけ記事を読むようにしている。
近頃、あまりに英語に触れていないので、錆びないように必死なのである。

で。
ある日、メルマガで届いた記事の見出しが赤かった。
大体、半分くらいが赤かったので、何事かと思い、よく見てみた。
どうも、AIDSの特集をやっていたようだ。
(ちなみに、AIDS DAYは12月1日である)

携帯でも、こっちは日本語だが、メルマガをとっている。
そちらの方でも、AIDS関連の記事があった。


"「HIV感染、昨年1年で280万人志望…国連報告」
国連合同エイズ計画(UNAIDS)は30日、1981年にエイズが初めて確認されて以来、昨年末までに世界で累計約6500万人がエイズウイルス(HIV)に感染し、約2500万人が死亡したとする報告を発表した"


と、言うことらしい。



で、英字紙の方にはどんなことが書かれていたのか。
適当に訳してみた。


<AIDS drug provokes patent battle in India (Herald Tribune, May 11, 2006)>


インドのデリーで、AIDSのジェネリック薬に対して、HIV感染者グループが法的挑戦を試みている。

もし、Tenofovirという薬のパテント(特許)が認められてしまえば、
インドで安く作られる薬の製造が違法になってしまうからだ。
そして、途上国の人々は、薬が高すぎて買えなくなってしまう。
インド製のAIDS薬は、途上国に居る何十万人ものAIDS患者が使用しているのだ。
アフリカやカリブ海地域では、インド製の薬に頼りきっている。
インド製の薬は、質はアメリカ製と変わらない。だた、値段が買える範囲かどうかだけが違うのである。

Tenofovirは、決して新しい薬ではない。ただ、以前の薬の構成を変えただけのものだ。
いわば「New form of a known substance(ありきたりの中身のまま、形だけを変えたもの)」である。

また、Tenofovirは副作用が小さく、この薬無しでは困る患者は多い。

先進国でのtenofovirの費用は、年5718$である。
一方、インドでは年700$で済む。

このインドの薬も、アフリカで作れば更に半額になるだろう。

インドで、HIV感染者グループが抗議行動が行なわれた。
「Patients before patent (特許の前に患者を)」「Lives before profit(利益の前に生命を)」
というカードを掲げて、警官と衝突する騒ぎとなった。

デリーにあるHIV感染者の団体のリーダーはこう言った。
「もし政府が特許を認めれば、我々は薬を変えなくなる.
これは、私にとって、そして世界中の人々にとって生死の問題だ。
我々は、簡単に救えるはずの命を、失いたくはない」

今年の3月に、インドで特許法が施行された。
この法律では、西洋の薬のコピーを禁じている。
この法律成立には、WTOのルールを導入したいインド政府の狙いも含まれている。

特許を支持する人々は、生命に不可欠な薬を開発するための更なる研究のための資金を、
研究する企業に保障するために特許は必要だと主張する。
ジェネリック薬を禁止することで、世界規模の新薬ができると訴える。


AIDS患者の権利グループの一人はこのように言った。
「我々は知的財産権や特許に反対しているのではない。
我々が反対しているのは『独占』に対してである。
命を救うための薬は、誰でも自由に手に入れることができるべきだし、
開発のための対価に見合った特許権使用料も支払うべきだ」




<AIDS and ideology(Herald Tribube, May 14, 2006)>

ブッシュ大統領は、海外でのAIDS防止プログラムへの予算増を行なった点では支持できる。
だが、そのお金の配分には首をかしげたくなるのが事実だ。

と言うのも、AIDS拡大防止に対し、セックスを我慢するとか、禁欲だとかを強調しているからである。
問題はそこではないのだ。
インドとかロシアを見よう。
これらの国でAIDSが拡大する原因は、売春やドラッグである。
禁欲を過度に強制するには、そういった問題を無視することに他ならない。

たしかに、禁欲や貞節は大事かもしれない。
しかし、それを強調するあまり、コンドームなどの今までやってきた効果的なプログラムがないがしろにされるならば、
「危険な戦略」としか思えないのである。



ということである。

うーむ。
昔、AIDS関連の日記を書いたことがあるが、久々に思い出した。
エイズデーにはちと早いが、少し、そういったとこにも目を向けてみてもいいかもしれない。



<AIDS関連の過去日記>
AIDSに関するオモイゴト その1「日本を取り巻く状況」
AIDSに関するオモイゴト その2「エイズ問題の課題を考える」
AIDSに関するオモイゴト その3 ブラジルは希望になるのか?―国家と協力する市民社会の形成





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Last updated  June 1, 2006 12:49:44 PM
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