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変人555☆答えは自分の中にある☆

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2004年09月19日
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身体が心を裏切るとき、心は平気でいられるのだろうか?

私は彼に裏切られたのだろうか?

それとも自分自身に?



信じた人に裏切られるとき、信じる心はどれだけ傷つくのだろう?

平和が裏切られるとき、争いはどんな顔をするのだろう?

好きな男が私を裏切るとき、私は何を想っただろう?



答えを得るにはまだ早すぎる。

人生は短いし、未来は長いかも知れない。

間違った回答は、混乱する事態を増長させるだろう。

「まぁ、落ち着けよ」、冷たい言葉が怒りを呼び込む。



私は何が欲しかったのだろう?







小学生の娘が、一人で神戸から東京の父親の所へ行ってみたいと言い出した。

これまでもう何度も新幹線に乗って二人で行っていたので、私はさほど心配はしなかった。

私も彼女の歳には一人で乗ったことがあったし・・・。

でも彼女の父親はとても心配そうだった。(笑)

彼と電話で話をした。



「あなたは本当に変わったわね」

「あの娘のおかげさ、僕は彼女に父親にしてもらったんだ」

「そうね、昔のあなたは・・・」







私も迂闊だったのだ。

すべての男が簡単に父親になれる訳はないのだ。

それは私にも言えることだ。

いつまでも良い母親でいることは、時として簡単ではないということを知ったのだから。







私は子供の頃から男の子と良く遊んでいた。

女の子らしい遊びは好きではなかった。

身体を動かすことも好きだったし、自然の中で泥だらけになることも好きだった。

それが成長するにつれ制約が多くなってきた。

私は自分の身体に嫌悪感を憶えた。

次第に私は絵画の世界に魅せられていった。



私は男になりたかった。

女の身体も女らしい心も好きじゃなかった。

でも周りはそんな私の気持ちとは裏腹なことを要求してくるのだ。



男と特別な関係になることも、なりたいとも思わなかった。

私は一人で居るのがお似合いの人間なんだと思っていた。

ところが大学のサークルで彼に逢った。

彼は私のどこが気に入ったのか?しつこいぐらいに言い寄ってきた。

私はまたかと言う思いで軽くあしらっていたのだが・・・人間って分からないものだ。

私はつい彼に身体を許してしまった。

少しそういうことを軽く考え過ぎたかも知れない。

私は・・・自分の身体に裏切られた気がした。



結婚するつもりは無かった。

彼がなんと言おうと私は妻と言う言葉にも、母と言う言葉にも興味は無かった。

ただ彼の恋人と言う居場所に関心があっただけだった。



私の卒論を高く評価してくれた教授からフランス留学の話をもらった。

夢が叶う・・・私はもちろんすぐに了解した。

その後・・・彼になんて言おうかと思ったけれど・・・



ところが私が妊娠しているのが彼にバレてしまった。

当然のごとく彼は結婚を申し込んできた。

私は・・・困った。

困ったけれど・・・彼に流されてしまった。

このことを私は後で深く後悔することになった。

自分にも、彼にも、そして娘にも・・・。







結婚生活は慌しいまま始まった。

お腹は大きくなってくるし、もちろん何も準備していないし、彼は就職活動で忙しいし・・・。

それでも私は幸せだった。

自分でも吃驚するくらい幸せだった。

これを女の喜びって言うのかしら・・・?

だけどそれは長くは続かなかった。

私はどこで道を間違えたのだろう?







私は寂しかったのだろうか?彼が相手をしてくれないから?

私は空しかったのだろうか?家の中に閉じ込められているから?

私は気が狂ったのだろか?こんなことばかり考えているから?







私の代わりにフランスへ行った友人と会うとき、仕事で認められてキラキラ輝く友人と話すとき、知り合いの活躍を耳にするとき・・・。

私の心に得体の知れないものが目を覚ます。



「止めて!私は今のままで幸せなの!例え彼が冷たくなっても、私にはまだこの子がいる。何者にも代えられない可愛いこの娘が居るのよ!」







それは静かに誰にも知られることなく侵攻していった。

小さなひび割れが堤防を破壊するように・・・ある日突然・・・



それは近所のスーパーがくれるスタンプだった。

毎日の買い物、食事、洗濯・・・それら日常生活を象徴するものなのかも知れない。

几帳面に貼られたスタンプ・・・それは私の心の象徴でもあるのだろうか?

娘が誤ってそのスタンプを床に落とした。

スタンプはバラバラに零れて散らばっていった。


「何をしているの!?早く拾いなさい!」


声が震えた。

娘は脅えたように黙った。


「なんで黙ったままなの!?まるで・・・お父さんみたいに・・・!?」



私は気づいてしまった。

娘を憎んでいることに!

彼を恨んでいることに!







私は彼に離婚を申し出た。

彼はまったく相手にしなかった。

分かってない・・・彼は全然気づいていないのだ。

そもそも彼の瞳の中に私と娘は映っているのだろうか?



限界だった。

私は自分を守るために、娘を守るために、行動を起こすしかないと決心した。

このままでは破滅するだけだ。

私は自分を取り戻さなければならない。

そして娘を愛する心を!



私は家を出た。娘を残したままで・・・。

きっと戻ってくるからね。

私はあなたをきっと取り戻してみせる。

それだけが私に残された希望だった。



夜眠る時あの子の顔が浮かんだ。

朝起きた時あの子の名前を呼んだ。







私は許されない過ちを犯してしまったのだろう。

私はこの子に対する罪を贖わなければならない。

これからの未来を通して・・・

世界でたった一人のあなたに・・・

代わるものの居ないあなたに・・・

愛していると伝えてゆこう。











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Last updated  2004年09月20日 16時38分38秒
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