昔々、40年前の昔、台風の日の夕方
仕事場から、車でお家に向かうヒーローがいました、
もちろん風がビュービュー吹いて、
雨がザーザー降って車線も見えません!
何か気配を感じて車をとめると
道の真ん中に小さな犬っころが座っていました、
ちょうどテレビのコマーシャルみたいに目と目があった!
それから何秒か何分か解らないけど二人?(一人一犬)の間に
時が止った!感じでした、そしてテレパシーのように心に送ってきた
「お願い、私を見捨てないで!」って、
ヒーローは風に押されながら、車のドアを開けた、
すると当たり前かの様に助手席にポンと乗った、
びしょ濡れな身体が震えている
急いでお家に連れ帰りシャワーを浴びせ
シャンプーをしてドライヤーで乾かし
温かいミルクを飲ませた!
のむたびにお腹が膨れるのかわかる!
よっぽど空腹だったんだね~、
パンもあげるとガツガツ食べた
そして笑顔で「有難う!」って言った気がした
翌日嵐が過ぎて外は青空だ!
子犬の飼主が心配してるといけないから似顔絵を画用紙に書いてコピーした、
それを出会った場所の近くの電柱に50枚も貼り付けて連絡を待った!
沖縄のラジオ局FMのハッピーアイランドにも放送させた
本犬とも一緒に実家を探しに行こうと思いバイクに乗ったら
子犬はシートの後ろにピョンと飛び乗って腰掛け
前足でヒーローの背中を捕まえている、
ず~と昔からそうしてた様に違和感が無い!
カーブの時も一緒に身体を傾ける、
であった所から1キロ四方を廻ってみたけど思い当たる所は無いらしい
それから一週間、一月と過ぎたので,名前をラッキーと付けた
一緒にいるのが当たり前な幸せが続く
そしてラッキーは成長して一犬前のお年頃になった
歩いて15分くらいの所に一軒家があってそこのメス犬が好きらしい、
ヒーローと何時も一緒に過ごしていたのに
朝日が昇ると、外に出して~って舐めまくる
まだ6時だよ~、寝かしてくれ~って感じ!
ドアを開けると同時に恋人の元へ一目散、
帰ってくるのは夕方の日が続く
一度あとをついて行って恋犬を見た、
一緒に戯れて凄い幸せそうだった、
この時、ラッキーが振り向き「もう帰らないで良いかな?」って、
ヒーローもいいよ!って言った!
雌犬の飼い主も、ラッキーを一緒に飼いたいと言ってくれた
帰り道がとっても寂しかった、
楽しかった思い出がいっぱい頭に浮かんだだけど、
幸せにしてあげたいな~って思うとこれが一番なんだよな~
それから帰って来る事は無かった
風の噂でいっぱい子供が出来たと聞いた・・・・・
よかったよかった!