楽天・日記 by はやし浩司

2008/05/20(火)06:23

●ディズニー・シー

日々の随筆(1009)

●ディズニー・シー(Disney Sea in Tokyo) +++++++++++++++ 孫の誠司と、ディズニー・シーへ 行くのが、ここ数年の夢だった。 その夢はかなった。 が、しかし……。 +++++++++++++++ ●計7人! もうすぐ孫の誠司が、満6歳になる。 正確には、2008年の8月に、 満6歳になる。 私とワイフは、いつもこう言いあっていた。 「誠司が来たら、ディズニー・シーへ 連れていってやろう」と。 その日は、やってきた。 5月の連休をはさんで、日本へ来るという。 その日にあわせて、私たちは予定を組んだ。 最初は、私とワイフ、それに誠司の3人だけで 行く予定だった。 が、それに長男が加わった。 「誠司が行くなら、ぼくも行く」と。 それで計4人になった。 私たちは、そのつど旅行社に足を運んだ。 で、そのことを二男に電話で連絡すると、 二男夫婦、それにもうひとりの孫の芽衣も、 いっしょに行く、と。 計7人になった。 私にとって、人生で最良の日になる予定だった。 しかし現実は、甘くなかった。 ●予定変更 二男が来日したあと、数度、予定が変更になった。 最初から、夜行バスで行くつもりだった。 が、それについて、満2歳の芽衣には、無理だろうということになった。 二男がそう言い出した。 「バスの中で、おとなしくしているだろうか?」と。 芽衣が行かないということになれば、だれかが、浜松に残らねばならない。 ……ということで、二男夫婦と芽衣が、浜松に残ることになった。 旅行をキャンセルした。 またまたもとの計4人になった。 が、そのたびに、旅行者へ足を運び、頭をさげ、 キャンセル料を支払わねばならない。 いや、実際には、二男が来日したあと、一度は、「誠司も 行かない」ということになり、旅行すべてをキャンセルした。 こうして(申し込み)→(キャンセル)を、3度、繰りかえした。 (3度だぞ!) 計7人で、10万円ほどの旅行だったが、支払った キャンセル料だけでも、5~6万円になった。 で、最終的には、私とワイフ、誠司と長男の、計4人で 行くことになった。 ●マイナス10度 当日は、小雨模様だった。 前線が、北からおりてきていた。 その2日前、私とワイフは、富士山に登っている。 5合目までバスで言ったが、気温は、そこで22度。 暑さを感ずるほどだった。 ……ということで、ディズニー・シーへは、夏場のような薄着ででかけた。 しかしこれがまちがいだった。 ディズニー・シーへ言ってみると、気温は、10数度。 あとでタクシーの運転手に聞くと、「昨日より、今日は、10度ほど低いです」と。 おまけに小雨。 ディズニー・シーの正面の門をくぐったときから、 私たちは、ブルブルと震えだした。 が、そこで長男が、ダウン。 数日前から、風邪気味だった。 それが、ディズニー・シーへ来て、とたんにひどくなった。 長男は、そのまま救護室へ。 結局、誠司を間にはさんでの、私とワイフの3人の行楽となった。 ●寒い! 私たちは、それぞれ1~2枚の上着をもってきた。 しかしそれほどまでの寒さになるとは、思ってもみなかった。 上着は、バスの中に置いてきてしまった。 「寒いね」 「上着をもってくればよかった」と。 ワイフとたがいに、そんな会話を繰りかえした。 見ると、誠司が、鼻水を出しているではないか! これには仰天。 私たちは、誠司に、合羽(かっぱ)を2枚、重ねて着させた。 が、こうなると、旅行どころではない。 昼を過ぎるころには、「電車で帰ろうか」という話まで、出た。 その点、当然だが、バス旅行は、融通がきかない。 バスが出発するのは、午後10時30分。 「開園から閉園まで、まるまる1日、ディズニー・シー・コース」という あの歌い文句が、うらめしく思えた。 「10時まで、こんなところにいたら、みんな風邪をひいてしまうよ」と。 ●ホテルへ 私たちは、近くのホテルに入ることにした。 案内の人に言われるまま、入ったホテルが、ディズニーランド直営(?)の、 Rホテル。 フロントで、午後10時まで過ごさせてほしいと言うと、1人、4万円です、と。 「午後3時を過ぎますと、一泊料金です」「今日は土曜日料金です」と。 時計を見ると、針は、午後3時10分を示していた。 4、5時間、部屋で過ごすだけで、計12万円! 私は別のホテルをさがすことにした。 幸い、誠司の鼻水は治まっていたが、油断はできない。 自分の子ならまだしも、孫となると、責任は重大。 雨の中、私は傘をさして、通りへ出た。 10分ほど歩いたところに、ビジネスホテルが一軒あった。 しかしそこでも、同じようなことを言われた。 料金は、1人、1万8000円。 しかしそんなところで、午後10時まで、何をして過ごすのか? ……というようなことを相談すると、フロントの男が、近くに、 温泉ホテルがあることを教えてくれた。 「あそこなら、ゆっくりとくつろげます」と。 私はその温泉まで歩いた。 ●温泉ホテル 行ってみると、大きな温泉ホテルだった。 3階が、フロントと休憩室。 4階が、風呂場。 5階が、休憩室で、6階にレストラン。 料金は、1人、2500円。 「これならだいじょうぶ」と、私はそのままタクシーを呼び、Rホテルへ。 ワイフと誠司、それに長男は、そこで待っていた。 ……といっても、そういう日だから、タクシーが来るまでに、 15分ほどの時間がかかった。 あとで計算してみると、私は、40分以上、雨の中をさまよい歩いたことになる。 靴は、雨でズブズブに濡れていた。 私たちは折りかえし、そのタクシーで、温泉ホテルにもどった。 ●誠司 誠司はワイフに渡した。 そのまま私と長男は、「男湯」に。 しかし入ってしばらくすると、館内アナウンス。 「はやし浩司さんは、すぐフロントへ」と。 私は、誠司が事故でも起こしたのでは……? あわてて半裸のままフロントへ。 そこにワイフと誠司が立っていた。 「裸の女の人を見たら、びっくりしたみたい」と。 私が誠司のめんどうをみることにした。 風呂の中で暖まれば、鼻水も消えるだろう。 そう考えた。 が、誠司が温泉に入るのは、そのときが、生まれてはじめて! つまり、初体験。 まず、裸にするのが、たいへんだった。 ああでもない、こうでもないと、服をぬぐのを、いやがった。 つぎに湯船に入れるのが、たいへんだった。 足に湯をかけただけで、「I am burnt!(やけどする)」」と泣いた。 私は誠司をしっかりと抱きながら、「だいじょうぶ」「ぼくを信頼しな」と。 湯船はいくつかに分かれていた。 その中でも一番右手奥にある湯船の湯が、ぬるいのがわかった。 私はそこへ誠司を入れようとした。 そこでも誠司は、「NO」を繰りかえした。 が、そこに小学2、3年生の女の子がやってきた。 とたん、誠司は、風呂の中に。 どこかのプールと勘違いしたらしい。 ●ハラハラ、ドキドキ が、そこは子ども。 ひとたび遊び始めると、夢中になって遊び始めた。 しかし風呂には、あちこちに段差がある。 足をすべらせてはたいへん。 私は常に誠司の脇の下に手をかける。 が、誠司は、それをいやがった。 「ぼくは立てる」「ぼくはだいじょうぶ」と。 大きなボタンを押すと、泡がボコボコと出る装置があった。 先の女の子に、5歳くらいの男の子が加わった。 誠司たちは、その装置を使って、遊び始めた。 こうなると私にとっては、温泉どころではない。 ハラハラ、ドキドキ。 その連続。 「もう、風呂から出よう」「NO」と。 2人で、押し問答を何度も繰りかえした。 あとで時計を見たら、私たちは1時間以上も、風呂の中にいたことがわかった。 「入るのに、一苦労、出るのに、一苦労」と、私がワイフに話すと、 ワイフは、楽しそうに笑った。 ●食事 6階がレストランになっていた。 そこで4人で、食事。 風呂から出て、長男も、気分がよくなったらしい。 私は、いくら丼、ワイフは、……?、(忘れた!)、長男はカツ丼、そして誠司は、 子ども定食を食べた。 見ると、前の席に、風呂で会った女の子が座っていた。 風呂の中では、私はメガネをはずしていた。 顔はよく見えなかった。 しかし誠司は、その女の子をよく覚えていた。 親しげに、たがいに笑いあっていた。 私たちは、食事に夢中になった。 ほっと、一息。また、一息。 時計を見ると、午後8時を回っていた。 ●帰る ディズニー・シーは、私たち夫婦にとっては、やや期待はずれだった。(ゴメン!) 誠司が楽しめばと思ったが、誠司には、まだ早すぎた。 長男は、救護室で横になっていただけ。 それに加えて、あの寒さと、雨。 何がよかったのか、悪かったのか? はっきりとわからないまま、9時少し過ぎ、温泉ホテルを出た。 タクシーで、バスの駐車場へと向かった。 バスには、私たちが一番乗りだった。 乗って、私たちは、そのまま眠りの支度(したく)を始めた。 「人生、最良の日になるはずだったのに……」と私。 「残念だったね」とワイフ。 結局その日は、ほどほどの日になってしまった。 期待が大きすぎた分だけ、落胆も大きかった。 内心では、コリゴリと思った。 しかしそれは言わなかった。 ワイフも同じ気持ちではなかったか……? 私はそのまま目を閉じ、眠ってしまった。 バスが駐車場を出たのさえ、気がつかなかった。 目をさますと、どこかのサービスエリアへ、バスが入るところだった。 誠司は、ワイフのひざで、安らかに眠っていた。 それを見て、私は、また目を閉じた。 ……以上、人生最良の日を記録するために……。

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