大阪のオバちゃん　よもやま話　IN　TOKIO

市ヶ谷記念館、スリッパに履き替え中に。

楢の寄木タイルが敷き詰められた床は、現代のタイルの

ように超フラットではない。

床の凸凹が、年季を感じさせる。

入り口から舞台に向かってかすかに傾斜している。

舞台近くの天窓が、

ほの暗い明るさを楢のタイルの上に落としている。

作られた当時のままの照明。

箱根の寄木細工で作られた舞台。

天皇陛下だけのために設えられた階段や部屋。

三島由紀夫が乱入した時にできた旧陸軍大臣室の刀傷。


旧日本軍の軍服は、サイズがとてもとても小さい。

モールが重たそう。みんな小柄だったんだ。


戦地から内地の家族に送られた手紙。

普通なら、旧漢字や続け文字で私には読めない。

その手紙は、平易な言葉と読みやすい文字で綴られていた。

手紙の内容は決して漏らさぬようにとの注意書きから始まり、

「自分が今いる場所は、湿気や蚊・蝿がすごくて穴倉暮らし。

父として夫として、これから段々に家族のためよくしていこうと

思っていた矢先の戦争だったが、ここで精一杯任務を遂行し、

内地（＝家族）を守ろうと思う。

世田谷でも昼夜を分かたぬ空襲が始まるであろうから、

最低限持ち出さねばならないものは、まとめておくこと。」

このような内容が、淡々と綴られていた。

子供が、易しく読めるように配慮された手紙だったから、

私でも読むことができたのだろう。

手紙の主は、30代後半から40代前半？かな？

現代人の精神年齢は、むかし（いつのヒトのことかは？？？？）の

同年代の人の7掛けと、誰かが言っていた。

極限状態にあった手紙の主と、同じ年代だったころの

自分を比較するのは、おこがましい。

けれど、今に至るまでの自分の未熟さや甘さを

突きつけられたようで、その手紙の前から動けなかった。

私には、ある種の覚悟が足りない。そう感じた。



「ハーイ、時間になりました。移動します。」

黄色いお姉さんの声で、今に戻った。

歴史の証人から出てきたら、真夏の青空。

明るくて高い空。

こんな風に、穏やかに空を見上げられる幸せを、

忘れないよう生きて行こう。

柄にもなく、そう思った。


厚生棟で休憩。

宝くじを売っている。

スタバもある。

衣料品のお店の名は『ペンタゴン』。

お土産用のお菓子を売っている店の名は『撃』。

買ったお土産は『炎の大作戦』と『それゆけ！女性自衛官』。

これ、お菓子の名前ですよ。

平和やなあ・・・・


屋外ヘリでは、結構なおじいさん方も操縦席に座ってみる。

大きな銀杏の木陰で、娘と二人、

「オトコは、あんなん好きやなァ！」

感心しました。

私たち、暑くてそれどころではなかったから・・・


そうこうして防衛省敷地を、大体ひとまわり。

正門前に戻ってきました。

フー、疲れた。はよ、帰ろ。

甘い甘い！

「回収した見学者用の札の数が合うまで、

こちらでお待ち下さい。」

ハァー・・・

「ハイ、お疲れ様でした。」

ハイ、ホンマに疲れました。

帰りは、迷わず曙橋へ。

日陰の歩道を歩きながら、

「今日はありがとう。楽しかったわ。」

娘がポツリ。

ウウン、付き合ってくれてありがとね。

言わなかったけど・・・

途中の自販機でコーラを買って、二人で分けました。

しめて、2時間15分の小旅行でした。



昨日の夕食
　　銀ムツの味噌漬け
　　アスパラのミモザサラダ
　　シュウマイ
　　枝豆
　　お味噌汁