引き続きエジプトの土器を紹介します。これも2009年に出土したものです。土器の破片をセメダインで接着し上半分まで復元しました。残念ながら下半分は見つかりませんでした。発掘現場からはよく出るタイプのもので、口が大きくて、把手のついた大きな甕(カメ)です。下半分はこのまま卵型にすぼまっていくと思います。そこは平らにならず、丸くなります。専用の器台に置いて固定します。台に置いた様子は、壁画などに残っています。普段使う水などを貯めておいたのでしょうかね。たっぷり入りそうです。表面にはうわ薬が塗ってあります。水が漏れないようにするためでしょうか?土の特徴から、生産地はエジプトのどこか、遺跡からそれほど遠いところではないと思いますが、今のところ不明です。王朝時代も終に近づいた頃の、エジプトの田舎の、名もない庶民が使った、とてもとても地味な土器ですが、口のあたりの微妙な丸みが私にとっては愛しくてたまりせん?