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カテゴリ:マンション管理人独言
今月の初めころは、3月26日でマンションの管理人の仕事を始めて、丁
度1年、意識はしていたが、気が着くともう通り過ぎていた、大学卒業後、 繊維関係の仕事のみ、還暦を過ぎてから、初めて経験する仕事、大学を出て、 大阪のメリヤス屋さんに丁稚奉公の時、まァ、人の倍も仕事をすれば、そこ そこになるだろう、と神経質な割に横着で図太いところ、今度のこの仕事を 始めるのに同じような気持ち、ただ10数年間のオレのマンション住まいの 経験から、そこに住む人は、どうしても管理人さんというと、少し心のどこ かで見下すようなところがあった、今度はオレがその立場、しかも10数年 間は一応、社長、社長といわれていた身分、どこまでこれから起きうるであ ろうそういう場面で、人一倍プライドも高く、おまけに癇癪もちの、偏屈な こだわりがある、仕事柄一人での仕事、同僚との対人関係のストレスやトラ ブルは皆無、オレの忍耐と辛抱がどこまで持つか、それが少し気がかりであ ったが、館内に管理人と工事の人や誰でも使えるトイレが一つ、始めのうち の数ヶ月は、毎日、毎日、このトイレの掃除、余り器用な方の性格でないか ら、トイレの掃除は丁稚の時の原点、原点に戻って新しい仕事というと、や はりここまで戻らないと、本当の原点ではないような気がして。 仕事の時間は、午前8時から正午までの4時間、午後の5時から午後の8 時までの3時間、これを2人のシフトで、365日、休みなしであり、相方 は主婦、1ケ月でほぼ210時間、オレが130時間、相手が80時間、5 日サイクルのシフトを組んでいる、大晦日と元旦をフルタイムで仕事をした 初めての経験、フルタイム勤務の時は、朝6時に起きて、午前中の仕事、5 時間の休憩を挟み、夕方の勤務、帰宅するのは午後の9時である、朝起きて から、夜家に帰るまで、実に15時間、しかしながら実働はたったの7時間 である、そして休日手当ても無く、一律の時給850円也。 お世辞にも良い労働条件とはいえない、しかし昔の仕事がらみのところで もない限り、60歳を過ぎて、募集を見ても殆どが年齢制限で応募も出来な い、年齢制限の無い数少ない募集の中で、履歴書を持参して面接、そして採 用、これだけでもかなりの難関である、オレの場合は諸般の事情で、本気で 仕事を探そうという気になったのが、昨年の3月の始めである、履歴書を3 枚書いて、新聞や折込チラシの求人を見て、年齢制限の書いて無いところに、 電話、面接の日時を指定、そうして面接に行ったのが3社、その3社目が今 の職場、4社目の面接の行く前日に、採用の連絡、すぐにその4社目には、 就職が決定したので、面接のお断りの電話、それが3月の中旬の事、他人に 言わせれば、労働条件なんかは関係なく、これだけ早く仕事が見つかっただ けでも感謝モン、贅沢言うたら、バチが当たるというモノ、ということであ る、丸1年が無事に経った今、確かにオレもそう思う。 今の管理人の仕事をしているマンション、7階建て、全部で34室、60 平米のワンルームから、210平米の広さの部屋まで、数種類の広さの部屋 がある、繋がってはいるが5階建ての東棟と7階建ての西棟があって、東側 は鴨川に面していて、8月15日には、「大文字」が部屋のベランダから見 られる、当然の事ながら、東棟の部屋から先に売れていった、最後まで売れ 残っていた部屋はやはりこのマンションの部屋の中で、何らかの条件の良く ない部屋で、6階の広くて北西側の部屋であったが、それもようやく、買主 さんが現れ、入居開始から11ヶ月目に全室完売。 又、セカンドハウス用、社宅、これだけ長く不況が続いているが、お金と いうヤツはあるところにはあるモンで、取り敢えずこの高級マンションを買 うだけ買っておくという人などがあり、いまだに常時居住の人が半分という ところ、そのセイもあって、管理組合をスタートするにも、役員になる有資 格者が余りにも少なく、管理組合の設立が大幅に遅れていたが、役員の候補 の人への根回しも終わり、この2月の末に、入居が始まり11ケ月目にして ようやく、臨時総会の開催、所定の手順を踏んで、管理組合理事長以下、所 定の人数の役員さんも決まり、管理組合が発足、子供の数、小学生1人、保 育園児1人、2歳児1人、1歳児1人、ペット1匹。 子供さんが少ないために管理が楽である、それと住人さん殆どがお金持ち である、それなりの気位の高さや、プライドがあり、これはオレにもよく分 かるのだが、世の中、自分を中心に回っているよう普段からの生活のために、 全てのことが自分の思い、思惑通りでないと気が済まないといった我侭なと ころもあるが、無茶なことは一切言わない、金持ち喧嘩せずであって、住人 さん同士の直接のトラブルはない。 1年経ってみて、この仕事手を抜こうと思えばいくらでも手を抜ける仕事、 しかしそれをやりだすと歯止めが利かなくなるだろう、これは職業には貴賎 無し、生き方には貴賎あり、それと仕事は楽しくする、これはオレのルール、 これから外れるようなことだけは、決してやるまい、今のマンションの管理 人の仕事を始めて満1年のささやかな誓い。 日記に書く意欲をそそられる、ちょいと訳ありの住人さんも多いが、個人 情報保護法とやらで、書きにくくなるのが残念な事。 ■「今日の言葉」■ 「 地道な努力の積み重ねなしに 自己の能力が開花することはない 」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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