還暦雲巣管理人独言（還暦を過ぎたウエブマスターの独り言）

　昨日あたりから、仕事場の最寄り駅、河原町丸太町の駅でバスを降りて、

鴨川にかかる丸太町橋の向こうに見える東山、薄い茶色から濃い茶色、茶色

に近い赤から真っ赤まで、ところどころに黄色と橙色が混じり、東山全体が

紅葉、１１月の末になってやっとこの景色、街路樹の銀杏も、このあたりで

は殆どが真っ黄色に紅葉、足を止めてタバコに火をつけて暫くその美しさに

見とれるほど、仕事場に着くと、裏口から鴨川の河川敷公園に出てみる、５

時少し前だが、もう薄暗くなりかけている、昼間に琵琶湖からやってくる、

ユリカモメはもう引き揚げてしまっている、河に残っているのは放流されて

いる、はいじゃこを河の瀬でついばむ鴨と鳶だけ、カラスはどこかに急いで

飛んでいく、今年まだ全てが紅葉せずに、天辺が先に紅葉し、その葉っぱが

すでに散りかけている銀杏の巨木、その気をねぐらにしているムクドリが、

数１０羽が群れて飛び立ち、河の水を飲んでは銀杏の木に戻る、また別の群

れが飛び立つ、同じことを忙しげに繰り返す、河川敷公園の小高く盛り上が

った所の真ん中にあるセンダンの木、その気にモタれて、暗くなって、暮れ

て行く東山を眺めながら、仕事前のタバコをもう一服、ここでつかの間の秋

の夕暮れを眺められるのも、今のマンションの管理人のこの仕事のお陰。


　ほんの少し前までは、遊びと言えば、祇園界隈にネオンがつき出す頃から、

この辺りの徘徊、この時期で紅葉を見るといったら、店から店へ移動の時に

祇園新橋の白川畔ぐらい、ところが祇園に出入りする身分ではなくなって以

来、夏から１１月の紅葉に時期が楽しみ、１１月に入ると月初めから紅葉の

色つき具合が気になりだす、１日おきくらいに、京都観光タクシー協会のウ

エブサイトの紅葉速報をチェックしだす、京都の四季の花の情報は全てこの

サイト、梅、桜、躑躅、五月、アヤメ、菖蒲、杜若、藤、睡蓮、蓮、紅葉、

ここは更新頻度が高く、２、３日おきに更新、それぞれの場所の定点での写

真だけではない、チョッとしたコメントがついている、例えば紅葉で有名な

あるお寺、そこの写真が数枚掲載、そして、色づきの良い木、場所のみ撮影、

全体では２、３分程度、今年はやや色づきは遅く、見頃は何日ごろ、とこん

なコメントが書いてある、そのために外れるという事が殆どない、ようし、

今度の休みはここに行こうと、このサイトを見てから行く場所の予定を立て

る。


　今年は１１月の中旬以降のオレの休みの日は全て天気が良く、この間の日

曜日までに休みの日は４日、その内で土、日、祭日は１９日（土）、２７日

（日）と２日ある、この日は交通渋滞を予測して、バスではなく交通渋滞に

左右されない乗り物でいける場所、私鉄か地下鉄などの電車、それとオレの

愛車、マウンテン・バイクでいけるところ、そしてまず、１１月１７日（木

）、この日は例の京都観光タクシー協会のサイトの紅葉速報ではどこもまだ

早すぎる様子、その中でも一番色づきが早そうなところ、東福寺、入場券売

り場と庭の入り口に混雑する日の行列の整理用のロープが張り巡らしてあり、

多い日にはここにずらりと人が並ぶ、恐らくそれを見ただけで、中には入ら

ずに、Ｕターンしただろう、少し早い目の平日でよかった、久し振りに庭の

中に入ったし、人ごみにもまれることなく、「臥雲橋」から「通天橋」の写

真もゆっくりと撮影、紅葉は七分程度の色づき、次の休みの１９日（土）、

この日は道路の車が多い、家の近くのバス停、向かおうとする方角は北、金

閣寺の方向、バス待ちの行列が出来ている、乗っても恐らく渋滞、バスはや

めた、阪急と地下鉄、御池で東西線、乗りついで、「蹴上駅」、疏水のトン

ネルをくぐって南禅寺、その中の初めて入った、「天授庵」、枯山水の広い

庭、端から端まで紅葉の木、緑色から真っ赤まで、真っ赤な紅葉は少しだっ

たが、毎年一度は来ている南禅寺、ここを見ただけでも、来た甲斐あり、帰

り際、一般公開していない書院、そこを覗くと、広い書院の奥のガラス戸、

その向こうに裏庭の紅葉が見える、土間までは入ることが出来たのでその中

に入る、まるで書院の奥に紅葉の屏風を広げたかのような眺め。


　次は２２日（火）、何年か前に一度訪れた事のある、西加茂車庫の近くの

「神光院」、ここは少し、ここだけぽつんと離れているために人が少ない、

１本の木で見事にグラデーションに紅葉する木が多く、それを見たにの足を

運んだが、完全に空振り、綺麗に紅葉することなく、もうすでに葉が落ちて

いる、ほんの数本、紅葉している木があるだけ、折角、来たのだからと写真

を撮りだす、何枚か撮ってからモニターでチェック、皮肉な事に、写真に撮

ると、なかなか良い、せめてもの慰め、帰り道に金閣寺に立ち寄る、庭には

入らず、可もなし、不可もなし。


　次は２７日（日）、この日はマウンテンバイクでいけるところ、まず裏千

家の「今日庵」の少し東の、「妙顕寺」、本堂横の紅葉の通路、大徳寺へ行

くのには、西大路通りを北へ、ところがこの道は家を出てからずっと登りば

かり、ペダルをこぐ足が疲れてきたので、坂のゆるい道を少し遠回りしてい

るうちに、チョッとよった程度、目指すは大徳寺、しかも広い境内の端っこ

の、細川ガラシャ婦人ゆかりの、「高桐院」、ここは門を入って庵までの細

い石畳の道の両側の苔の上に積もった「散紅葉」で有名、紅葉も大徳寺の中

で一番の人気の場所、ところが日曜日、この道に人が多すぎて、写真には撮

れない、撮っても「散紅葉」の風情なし、明日、出直すことに。


　明日から１２月、１１月と１２月、１日の違いで急に忙しなくなる、人の

歩く足取りまでスピードアップ、車やバイクはさらにもっと、お歳暮、忘年

会、クリスマス、ボーナス、買い物、最近ではこれらと関係なく過ごす師走、

１２月になって、いまさら紅葉、そんな気もしないではないが、今年の紅葉

はひょっとして明日が一番良いのではないかと、ひそかに期待。




■「今日の言葉」■


　　　　「 無駄遣いも出し惜しみも

　　　　　　　　　　　　　　お金の働きを粗末にしている 」