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Nov 23, 2006
カテゴリ：ぼやき
戦後最長の好景気、「いざなぎ景気」、を越す、４年１０ケ月の 景気拡大を記録、日本発世界金融恐慌の引き金になりかねない銀行 の膨大な不良債権の圧縮、デフレからの脱却、企業の好業績、これ は小泉改革の華々しい成果、安倍政権に変わってもより一層の改革 を継続、しかし、個人消費はいまだに伸び悩んだままである、この 事が今の実感なき好景気を如実に物語っているようである、しかし、 今の国と政府は改革は善なり、改革を止めたりブレーキをかけるは、 改革に対する抵抗派とみなして、全てが悪なり、改革を旗印にして 改革というよりも破壊を強力に、スピードアップして進めようとし ている。 小泉政権の行った改革は市場原理主義にもとづいた、改革による メリットのみを強調し、改革によるデメリットを無視した改革、小 泉政権発足前、バブル崩壊後の長い不況、その不況のトンネルの出 口さえ見つからない閉塞感の中で、小泉氏に痛みを伴ってもいいか ら、小泉氏の掲げる改革に身を託した、数年辛抱すれば、克っての ようにドンドン所得が上り、生活が豊かになり、といった好況を期 待したわけではない、先進国の成熟した国として、もうそんな過去 の好況のような事はないだろうが、将来に不安がなく、豊かな気持 ちでの生活を望み、今現在を好景気の時期と呼ぶのなら、痛みを耐 えてまで望んだ好景気というのが、こんな事だったのか、そうでは ないはず、これを考える時、何のための耐えた痛みだったのか。 国と政府は改革の成果だけを喧伝するが、失敗の部分には見向き もしていない、今日は、「勤労をたっとび、生産を祝い、国民がお 互いを感謝する日」、の、「勤労感謝の日」、この祝日の日の意味 を考える時、市場原理主義に基づいた小泉改革は、企業の業績は著 しく向上しているが、リストラの成果であり、失業率は改善された が、正規社員の減少、賃金の安い、待遇の悪い、雇用の極めて不安 定なパートタイマー、派遣社員などの非正規社員の増加により失業 率が中身のない改善、ＩＴ関連の産業の振興には力を入れるが、生 産、製造に携わる産業は軽視、市場原理主義にスタンスをおいた改 革の果てに、国民に勝ち組、負け組みを生み出し、国民がお互いに 感謝する方向には向かっていないことは確かである、世の中には不 幸にしてという事がいつの世にもある、その不幸により生活が困窮 という事に陥る、一方で国や政府が手を差し伸べるべきという意見 があり、同時にその降りかかった不幸を、その人の自己責任である という意見もある、良い例が耐震構造計算書偽造事件である、当該 マンションを購入した人達、借入金が残ったまま取り壊し、建て替 えた時には、古い借入金の上にさらに新しい借入金、２階建ての借 入金、新しい借り入れの出来ない人達や、多額の返済に耐え切れな い人達も出てくるはずである、悪いのは、その建物に関わった建築 設計士、民間の検査機関、デベロッパー、工務店である、被害にあ った人達の救済はお金である、ところが悪い事をした人達にはお金 の返済能力がない、小泉改革の規制緩和、この結果、出来る事は官 から民へ、耐震構造計算書のチェックも民間の業者が請け負う、官 がしていた仕事を民へ、その民でキチンと行われているかチェック するのが国や政府の義務であり、責任でもある、しかし、やりっぱ なしである、当該マンションの購入した人達は、杜撰な規制緩和の 被害者であり、最終的には国や政府が保証と思うが、買った人達の 自己責任で、国や政府が保証すべきでないという意見の人達もある、 国民がお互いに感謝、この気持ちを希薄にさせ、逆に意見の違う人 達に敵意を抱く感情の芽生えが無きにしも非ず、これは小泉改革以 後に生まれたものである。 業績の良い企業に於いて、正社員の比率が下がり非正社員の数の 増加、限界までのリストラを終え、業績回復による補充人員をコス トの極端に安い労働者に依存、これにより低所得者層の増加、景気 拡大が４年１０ケ月も続いても、実感のない好況、個人消費の伸び 悩み、この原因はここにあり、これが進むと頼りは輸出のみで個人 消費は改善どころかまだまだ下がる可能性も出てくる、それだけで はない、年金の未加入・未払い問題、これもその人達の自己責任、 個人の問題のようにいわれているが、年金に加入・支払い不能の人 達を生み出している、ＮＨＫの受信料未払い・不払いの増加の問題 もＮＨＫの企業体質の問題、不祥事が原因になっているが、この受 信料を払えない、払うだけの経済的余裕のない人達の増加、ここに は失業率の数字的な問題は改善され、国や政府はこれを我が手柄の ようにいうが、フリーター、ニート、派遣社員の激増、労働者の質 的な問題はむしろ悪くなっているからである。 安倍首相の掲げる再チャレンジがしやすい社会、冗談を言うな、 再チャレンジではなく、ファーストチャレンジしやすい社会にしろ と言いたい、再チャレンジしやすいのは政治家だけの話、まるで任 侠の世界で、内輪モメのけじめで長い草鞋をはかせた連中に、組の 都合で戻らせようとしながらも、小指の１本ぐらいじゃあたりねえ と無理難題を言っているような中川自民党幹事長、この人こそ再チ ャレンジの成功者の見本、そういえば先の武部自民党幹事長も同じ、 ニートやフリーターの増加、国や政府は自らの責任放棄して個人の 問題として捉えようとしている、零細・中小企業でリストラをしな いという事を社是として、一度採用した社員を定年まで雇用し、昇 給をし、結婚したから、子供が生まれたからといって、手当てを払 い、めでたく定年を迎えた時には社内規定の退職金を支払い、会社 の経費の中で馬鹿にならない高い法定福利を払い続ける、こういう 企業は人件費の比率がどうしても高くなる、経営をも圧迫させる、 しかし経営者自らの報酬をカットしてでも、歯を食いしばっても、 それを継続す企業もある、これこそが一番の企業の社会的貢献、市 場原理主義者はこういう企業の存続を許そうとしない、情け容赦の ないリストラを行い、安い賃金の外国労働者ばかりでなく、安い賃 金の日本人労働者を増やし、押し付ける仕事の内容は正規社員並み の仕事、人件費のコストを大幅にカット、それにより業績を上げて いる企業はもてはやす、もてはやされた企業は、企業の社会的貢献 などと口癖のようにのたまう、一旦採用した社員を定年まで、その 人の生活・人生の寄る辺となる事こそ、企業の社会的貢献、こうい う企業をこそ国や政府は支援するべき企業、そうしなければ、「勤 労感謝の日」、という祝日があっても、勤労感謝というものがない 国になってしまいかねない。 ■「今日の言葉」■ 「 親や先祖を尊ぶ家庭に 思いやりのある子供が育っていく 」 (自然社・平成１８年・新生活標語より） お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
Last updated
Nov 23, 2006 06:28:50 PM
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