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Jan 30, 2007
カテゴリ：ボクシング
ボクシングのＷＢＡ世界ヘビー級チャンピオンのニコライ・ワル ーエフ選手、身長２１３センチ、体重１４０数キロ、史上最長身、 最重量、何試合か前までは動きがスローで、決め手にかける感が有 ったが、スピード不足も解消、ガードも固く、そのボクシングは極 めてオーソドックスで、細かいワンツーパンチで攻め込み、右の２ 階から打ち下ろしのような強烈なパンチで止め、リングに登場の時 にロープの最上段をヒョイとまたいで登場する、文字通りのロシア の怪物チャンピオン、彼がリング上で倒れる姿は、今では想像でき ないが、もし倒れたとしたら、それを想像するだけで彼の試合はワ クワクする。 彼に勝つには、或いは彼を倒すには、どうすれば、それをどんな ボクサーが出来るのか、小柄な部類のヘビー級ボクサーでは、彼の 前では１８５センチぐらいの身長のボクサーでも、恐ろしく小柄に 見えるが、ポーン、ポーンと軽くリードブローを突かれるだけで、 パンチの当たる距離まで近づくことが出来ない、だから限りなく２ メートルに近い大柄なボクサーで、スピードのあるパンチの大振り の強打の持ち主、それでも身長差は１０数センチ、顔面を狙って打 とうとすると上を向いて、顎の上った状態で打たなくてはならず、 パンチの威力は半減、だからワルーエフ選手の顔面を見ずに、むし ろ足元を見ながら、勘で顔はこのあたりと想像して、思いっきりパ ンチを振り回し、身体も大きいが顔も大きい、その大きい的にこれ を当てる、ガードは拳だけ、頭は余り動かさない、この戦法以外に はなさそうである。 つい最近、ジャミール・マクレイン選手というアメリカの黒人 ボクサー、身長１９８センチ、体重約１２０キロ、鍛えられた、ア メリカンフットボールのプロテクターを着けたような体型、そんな 彼でもワルーエフ選手と対峙すると小さく見える、しかし彼なら思 いっきり振り回したパンチをワルーエフ選手の大きな顔面にヒット させる事が出来うる可能性を感じさせた試合であった、１ラウンド、 ワルーエフ選手はいつもより攻撃的に細かいパンチを出してプレッ シャーをかけて接近、打ち下ろしのパンチを狙う、ラウンドの中盤 になってマクレイン選手が、狙うことなく、構えた位置から突然、 ブン、と大振りのパンチを一振り、大きいワルーエフ選手の顔面に 綺麗にヒット、こんな手ごたえのあるパンチが彼に当たるのを始め てみた、彼もこんな強烈なパンチを初めて受けた事だろう、パンチ のあたる鈍い音、大きな身体がグラリと揺れる、いくら身体の大き いワルーエフ選手でも、ヘビー級のパンチがまともに当たればダメ ージを与え、倒す事ができる、それを証明したような一撃であった、 １ラウンドはマクレイン選手のポイント、２ラウンドは手数でワル ーエフ選手のポイント。 そして迎えた３ラウンド、マクレイン選手はワルーエフ選手の攻 め込むタイミングにあわせるようにカウンターを打ち始める、紙一 重の空振りだったり、的確にヒットはしないが、当たりそうな予感 がする、ラウンドの終盤のワンツーで攻め込むワルーエフ選手に対 して、思いっきり力を込めた左で応戦、強烈な空振り、そしてその ままマクラーレン選手がもんどりうって倒れこみ、膝を押さえて痛 そうにリングを転げまわる、覗き込むレフリーに、「ダメだ、膝を 痛めた、試合は出来ない」、と訴えるようにグローブをはめた拳で アピール、試合はここでストップ、セコンドの２人に両側から支え られて、立ち上がるが、膝の痛さの余りに又もやリングに倒れこむ、 大柄なマクレイン選手が、より大柄なワルーエフ選手に少しでも大 きなダメージをと、必要以上に力こめてパンチを繰り出したために、 膝に負担がかかりすぎた事による負傷であった、 マクレイン選手に自分の体力以上に力を込めて、自身の膝を痛め るようなパンチを振るわせたのは、ワルーエフ選手の桁外れの身体 の大きさと、彼のもつ威圧感であったように思う、今の現役選手で 彼と互角以上に戦う可能性のあるヘビー級ボクサーはＩＢＦ世界ヘ ビー級チャンピオンのウラデイミール・クリチコ選手以外には見当 たらない、モハメッド・アリ選手の全盛期なら華麗なフットワーク で彼を交わしきり、スタミナをロスさせ、ばてた所をフィニッシュ する事が出来るだろうか、ジョージ・フォアマン選手の全盛期の破 壊力、ジョー・フレージャー選手をクラウチングスタイルで構えた 姿勢のままで横倒しに倒したパンチの破壊力で彼を倒すことが出来 るだろうか、私生活でトラブルを起こす前のマイク・タイソン選手 なら、あの鋭い踏み込みと同時に繰り出す、早くて強い左フックを、 身長差が３０センチ以上もある相手に当てて、倒すことが出来ただ ろうか、過去の強い世界ヘビー級のチャンピオンの全盛期とイメー ジの中で戦わせても、果たしてそれぞれの持つ長所が通じるのかど うか疑問を抱かさせるほど、ワルーエフ選手は桁外れに大きい、そ の彼が倒れる時、どれほどリングが響き、どんな、どれほど大きな 音がするのだろうか、それを目の当たりにした人達の驚き、彼が余 りにも、大きくて、強いが故に、彼がダウンしたり、彼がＫＯされ ることに、限りない想像力をかき立てられる選手である。 ■「今日の言葉」■ 「 目標を立てて励むことは日々の 生活にけじめと張り合いを生む 」 (自然社・平成１９年・新生活標語より） お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
Last updated
Jan 30, 2007 10:11:53 PM
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