還暦雲巣管理人独言（還暦を過ぎたウエブマスターの独り言）

　喫茶店のカウンターなどでとなりが顔なじみ、取り留めのない話、

こういう時は大体エッチな話、風俗の話が中心になる事が多い、話

をしている途中に、隣の人がタバコを切らす事がある、オレはとい

うと、家を出るときには決まってタバコを、いつもたすきがけにし

ているシーザーズバッグに３ケ、ポケットに１ケの合計４つ持って

外出、自動販売機でタバコを買う際に必要なタスポカードを持って

いないためである、最もタスポカード実施の前でも、市内の中心部

へ行くと、オレが今吸っているタバコの銘柄はニコチンとタールが

きついエコーという安いタバコ、そのあたりの自動販売機には入っ

ていない、だからそれ以前からタバコを４ケ持って外出するのが習

慣になっている、だからオレがこういう時にタバコをきらすことは

まずない、「これでよかったら、どうぞ」、とオレのタバコを差し

出す、「ありがとう」、とオレのタバコを１本抜いて、火をつけて、

１息煙を吸い込む、むせ返るか、これはきついという顔付きで、す

ぐに灰皿でもみ消して、「タバコを自動販売機で買いにいってきま

す」、と店を出て行く、このエコーというタバコの銘柄を吸い出し

てもう数年になる、最初のうちはなんとまずいタバコ、１０個入り

の１カートン買い、これを全部吸い終われば別の銘柄にしようと思

いながら吸っていると、値段の安いタバコだけあって、葉がギッシ

リと詰まっているわけではない、だから軽く煙を吸っても、ニコチ

ンとタールが最近の軽いタバコよりも一桁多く、そのきつい煙がガ

ツンと入ってくる、まず煙が口の中へ、そして喉を通って、その喉

を通るときに一瞬鼻腔を刺激、それから肺の奥へ、その肺の奥に入

った煙が、喉を通って鼻腔からでていく、だから味覚でもなく、嗅

覚でもなく、こんな感覚があるのかどうかは知らないが、吸感覚の

刺激と、その吸感覚の充足、これがタバコの魅力という事ができる、

この安い、葉っぱがギッシリと詰まっていない、エコーという銘柄

のタバコがその刺激と充足を持ち合わせていて、しかもその葉っぱ

は恐らくタバコの葉っぱの安い部分、高級な銘柄はこの部分が捨て

られているのだろうと思える、そういう部分の葉っぱだから、雑味

が交じったタバコの煙になっているに違いがない、ところがタバコ

は嗜好品である、最初はまずいと思ったこのタバコが１０個、吸っ

ているうちに、このタバコの味になれ、好みの味になってしまった

のである、現在販売されている多くのタバコの中でこのエコーと類

似のタバコがないほどの、オンリーワンともいえる味でもあり、こ

の安い銘柄のエコーをが販売を停止されれば、タバコをやめられる

のではないかとさえ思っている。


　隣の人のタバコを１本もらう、よばれタバコ、タバコをきらして

よばれるという事はないのだが、新発売の珍しそうな銘柄のタバコ、

両切りのピース、メンソールのタバコ、こういうタバコは、ほんの

１本だけ吸って見たくなる事がある、そんなときにはツイツイ、「

１本、よんでェ～」、という事になる、まわしタバコというのもあ

る、高校の頃などの休憩時間、クラブの部室で誰かがタバコを吸っ

ていると、「吸う？」、「あ、あ～」、といって１息タバコを吸う、

これが順々に数人を回る事がある、映画などでベッドで仰向きの男

女、行為の後で男がタバコに火をつける、そのタバコを女の唇に、

すると女はそのタバコを大きく一息吸い込む、こういうシーンにあ

こがれた事がある、古い、「ナバロンの要塞」、という映画でデビ

ット・ニブンがダンヒルのシルバーのライターでタバコの火をつけ

る、その格好よさに憧れてダンヒルのシルバーのライターを買った

こともある、「勝手にしやがれ」、のジャン・ポール・ベルモンド

が両切りタバコを短くなるまで、ギリギリまで吸って、唇が熱くな

るのだろう、吸い終わるといつも親指で唇を撫でていた、それを真

似てみたり、フランス映画で女優さんがタバコをカッコよく吸う姿、

女性のタバコも悪くないと思うようになり、イブ・モンタンの奥さ

んだった、シモーヌ・シニョーレのガバッと吸い込んで、鼻からダ

イナミックに煙を吐き出す吸い方、女ながらも怖いほどの貫禄、そ

の昔のハンフリー・ボガード、ジャン・ギャバンは思い出の名シー

ンではいつもタバコを咥えるか、吸っていた記憶がある、「さらば

友よ」、ラストシーン、犯罪の相棒で捕まって手錠をはめられて、

連行されるチャールス・ブロンソン、逮捕を逃れた相棒にアラン・

ドロンが廊下ですれ違った時に、タバコを咥えさせて、マッチで火

をつける、マッチの火が消えないように、ドロンのすったマッチの

手を、手錠をはめられた両手でそっと囲うようにして、マッチの炎

に照らされたブロンソンの眼、眼で語る、「さらば友よ」、そして

タバコに火をつける、このラストシーンはタバコがあればこそ、マ

ッチだから作る事が出来た思い出の名シーンともいえる、秋山庄太

郎の写真展で、女性のポートレイトはその女性の生涯で１番美しい

瞬間を写しこんでいて、男性はというと、映画俳優、歌舞伎役者、

小説家、スポーツ選手、棋士、財界人、等々、その人の偉大な業績

をも写しこんでいるように思えた、そして不思議な事に全員が手に

タバコを持っていた、まさに、「タバコは動くアクセサリー」、今

思うと懐かしくもあり、克ってはそんな時代でもあった。


■「今日の言葉」■


「 困難も苦労もない生活からは

　　　　　　　　　　人生を学ぶことはできない 」

　　　　　　　　　　　　　　(自然社・平成２２年・新生活標語より）