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みなみ 優

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2009.04.29
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カテゴリ:おうじの介護日記
平日、なぜかヒトが足りないらしい水曜日。
他の職種よりも、自分の都合で稼働日を決められるこの仕事。
(いや、人材不足でそうもいかない事業所もあるようだけど)
平日稼働のヘルパーが1番休みをとっているのがなぜか水曜……
というのも聞いたので、一応、水曜日は稼働日にしている。

心臓が悪いらしいおばあさんは、
カラダがしんどいわりに口は達者。
思ったコトをずけずけ言うので、
最初はそんな彼女宅への訪問がユーウツだった。

どのお宅でもお互いに慣れていないと、
普段、他のお宅でスムーズにいくことでも
なかなかそれがうまくいかないということがある。
見知らぬヒトを家に入れるのだから、利用者自身も気を遣う。
それを、回数を重ねることで信頼感を得ながら、
自分のやり方を理解してもらう。

彼女の家では、居室の掃除機がけ・ポータブルトイレの掃除。
あとは、買い物・ごみ出しが主な生活援助になる。
他に、血圧と体重を測ったり、洗濯物の片付けなどもある。
時間内でおさまれば、順番なんてどうでもいいと思うのだけれど
やはり慣れるまでは、彼女自身の手順通りに行なうことが大変だった。

今日、掃除機をかけているときに、
紙おむつの入っていた空き袋があったので
片付けようとしたら、彼女はそれを見てこう言った。

「ああ、それはとっておいて。息子に買い物に行ってもらうときに
『どんなのを買えばいい?』って聞かれるのよ」

わたしたちも空き袋を見て、欲しいモノを買ってくることがあるので
「わかりました。じゃあ、ココにおいておきますね」
と、彼女のベッド周りにある紙袋の中に入れておいた。

「うるさいばばあでごめんね。息子にも言われるのよー。
だけどさ、こっちは一生懸命生きてるのよね」
そんなコトバを彼女から聞いて、ハッとした。

そうなのだ。
彼女たちは自分がよりよく暮らすために、うるさいばばあにもなる。
最初は彼女の口調がキツくて、やっぱり他のヘルパーに代わってもらおう
と思ったこともあったけれど、そういう心の裏側をわかってきた最近は
だんだん自分が苦痛ではなくなっていた。

「いや、うるさいばばあでいいんですよ。ちゃんと言ってもらうほうがいいもの」
「うるさくってもいいの?」
「うんうん。ヘルパーが帰ってから『やっぱり言っておけばよかった』と
ならないように、何でも言ってくださいね」
「そう? ありがとう」

別に嫌いだからツンツンしているわけじゃない。
若いときの自分と同じように生活ができなくなったコトが
彼女たちにはもどかしくてしょうがないのだ。
彼女たちの文句やキツい口調は、自分らしく生きようとする証し。

一生懸命に生きているからこそ、
よりよく最期まで生きたいと願うからこそ
ああやって文句も出るのだと思うと、逆にその文句が嬉しいと思った。

「パンを食べるだけなのに(カラダが)しんどくってしょうがない」
そうやってこぼす彼女が、ベッドサイドでお茶を飲む。

彼女が排泄したポータブルトイレの掃除をしながら、
食べたり飲んだり、排泄したりと
『生きる』ことを捨てていない姿を見て、ホッとするとともに
彼女の日常をできるだけ支えていけるように介護をしていこう
と、そんな風に気持ちを新たにしながら彼女のお宅を退室した。







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Last updated  2009.04.30 01:42:17
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