カテゴリ:●猫
今日中に返さなければならない本を持って、隣の図書館へ行こうとした時、マンションエントランス前に駐車された車の下に猫がいるのを目撃しました。
全身は見えなかったけど、白黒の仔猫であることは間違いなさそうです。 「何故、こんなところに仔猫がいるのかしら?」 気になりつつも、とにかく本の返却をしてから、すぐにトンボ返りすると、さっきの車のそばにお二人ほどマンション住人と思われる方がいて、何事か心配しているような様子です。 「猫いましたよね。」 と話しかけると、 「そうなのよ。仔猫がいたんだけど。」 と、やっぱり私以外にも目撃者さんはいたようです。すると前輪のあたりから 「にゃ~」 という鳴き声が聞こえました。思わず、いつものように私も 「にゃお」 と猫語で答えると声は更に大きくなりました。 そこで、はいつくばって、車の下をのぞき込んで見渡したのですが、・・・いません。 何度も「にゃー」「にゃお」と声を交わしても、姿は見えずです。 どうやら、エンジンルームに入り込んでしまったようです。自分の車では、ボンネットに猫の足跡がついていたことはあったけど、下から猫が入り込んでしまったという経験はありません。小さいからほんのちょっとのすきまでも入り込めるのね。 思いは皆同じで、「猫がいるのを知らずに、持ち主さんが車を発進させたら大変!」ということです。 食べ物で誘惑してみたらどうかと、ちゅ~るをいれた小皿を持ってきた方もいたり、私も家からうちの猫が大好きなおやつ系キャットフードをもってきて、声のする近くにおいてみたりしたのですが、全く効果なし。 時折聞こえる鳴き声が、私には 「出られないよ~助けて~」 と聞こえます。 なんだかんだと、私が参加してからでもかれこれ30分以上過ぎています。 とにかく、車のオーナーさんに来てもらうしかないということで、ここは来客用の駐車スペースなので、窓越から読める訪問者さんのメモにある電話番号に、どなたかが連絡したようです。 程なく、やってきたのは、このマンションに住むおとうさんのところに遊びに来た息子さんでした。 事情を話すと、そういうことなら、うっかりエンジンもかけられないとびっくり仰天。たしかに鳴き声は聞こえるので我々の話に間違いはなしと、まずはめったにあけることのないボンネットをオープン。 すると、すきまからわずかに見えるところに仔猫発見。猫の方も上の方が急に明るくなってキョロキョロ顔をあげ、覗き込んだ私と目が合いました。でも手は届きませんし、猫も上から出る気はなさそうで、また奥の方に移動してしまったもようです。 どう考えても、車を持ち上げて、下から行かないと救出できそうもありません。 JAF頼みしか手はなさそうねとみんなの意見が一致。息子さんはJAFに入会していないということでしたが、通りかかった方から電話番号を聞いたりして、依頼の電話を掛けました。 道が混んでいるのか、依頼が多いのか、到着には1時間以上かかるという返事だったようです。聞こえてくる鳴き声が小さくなると、具合が悪くなったのでは?と心配になるのですが、しばらく、人が車から離れていた方が、もしかしたら出てくるかもと、JAFを待ちつつも自主的脱出を期待しながら遠巻きに見守ることにしました。 あの白い車のどこかに仔猫がいるのだ 時折かすかな鳴き声が聞こえてくるのですが、いつのまにか、今度は後輪の方から声がするみたい。え~っ、車の下はずっと見てたつもりなのに、どうやって前から後ろに移動したの?車の底って繋がってるの?とっても不思議です。 それでも、とにかく声が聞こえてくれば、なんとか元気そうとみんな顔を見合わせ、安心顔。 1時間以上待って、ようやくJAF到着です。 JAFスタッフさんのお話によれば、こういう事態は特殊作業とはいえ、何度か経験されたそうで、一度など、せっかく救出したと思ったら、今度はJAFの車の下に逃げ込んでしまったことがあったとか。 さて、JAFさんはいろいろチエックしたあと最終的にやっぱり、 後ろから声が聞こえるので後輪側を少し持ち上げ、 車の下にするするとすっぽり入りこんで行きました。 出せたとたんにすり抜けられたら、すごい勢いでどっちにいくかわからないから、見ていて下さいということなので、私は前の方で待機することにしました。が、「いたいた」という声を聞いて思わずJAF さんがもぐっているところに移動してしまった。 スタッフが捕まえ、もがく仔猫を息子さんが用意していたバッグにいれて保護しようとしている、救出の瞬間です。 あぁ、頭としっぽが黒くてうちのぷっちと似てるにゃ。 このあと、もうお一人が加わって、なんとか猫をバッグに入れようと頑張ったのは、JAFを待っている時、息子さんから 「猫を保護したら、そのまま病院へ連れて行き、自分の家で飼う」 と聞いていたからです。 私も、猫と目があったし、「うちで飼うってことになるのかも」と思うことはあったのですが、その前からすでに彼の気持ちは決まっていたようで、にゃんとも心暖まり嬉しい気持ちになりました。 だから、逃げ出そうともがく猫に 「幸せになれるんだからぁ。」 ってみんなで話しかけながら、なんとか捕まえようと頑張ったのですが、3時間くらいは閉じ込められたパニくり仔猫ちゃんには言葉は通じなかったようです。 通りまで続く塀沿いは駐車スペースの先が花壇になっていて、草花が生い茂り、その中に逃げ込み、更にその先の歩道沿いのつつじの茂みの中を抜け、すごい勢いで大通りへ飛び出して行くのは目撃できました。幸い、走る車は避けられて、たしかに向こう側の歩道まで行かれたのを確認し、みんなで 「あーあ、せっかく幸せにしてもらえたのにぃ。」 と残念がりましたけど、JAFの方は 「もしかしたら、近くにお母さん猫がいるかもしれませんよ。」 っておっしゃったので、おかあさんに会えたと思うことにしました。 JAFさんと息子さんに 「命を助けて下さって、猫の代わりにお礼を申し上げます。」 と言って、猫好き住人同士はお疲れ様と解散したのですが、JAFの料金は未入会のため18000円と聞きました。 仔猫に侵入された車の持ち主さんは大変な目にあったわけですが、心優しい方でおかげでほのぼのした気持ちになれました。はっぴいえんどということにさせていただきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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