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カフェ・ヒラカワ店主軽薄

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2006.12.15
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カテゴリ:ヒラカワの日常
箱根から帰って見れば、デスクの上には郵便物の山。
メールボックスには1000通のメール(ほとんどがジャンク)
四方八方から仕事の催促。また、元の超多忙な日々である。

帰路、帰ったら仕事するぞと張り切っていたのだが、
机上の仕事の山を見たら、いきなり意気消沈してしまい
翌朝の目覚めは何となく気だるく、マルだけがうれしそうに
冬枯れの歩道を跳ね回っている。

朝のコーヒーを飲みながらテレビを点けると
やらせタウンミーティングの話で、安倍首相は、自らへの処罰として、
三ヶ月分の俸給の返還と発表していた。
別に、この程度のやらせに驚きはしない。
ビジネスでは当たり前のことである。
だから、電通も普通の感覚で、それを政治の世界に持ち込んでしまう。
しかし、誰かを慮って、こういうことを考える木っ端役人、広告代理店に
囲まれていい気になっている政治家を選んでしまう民度の劣化には、
げんなりとしてくる。
これは選んだ方が悪い。

もうひとつの報道は、Winnyのプログラマが
有罪となったことで、こちらは判断の難しい問題を孕んでいる。
裁判では、このエンジニアが、最初からこのプログラムが違法に使われることを
承知で開発を行ったか否かが争点になったようである。
ダイナマイトは、殺傷能力があるがノーベルは、
平和利用しか念頭に無かったのだからこれは許される開発であり、
Winnyは、違法に使用されることを承知で開発したので、罰せられるべき開発であると。
しかしだね、個人個人が己の自己利益を、何ら外部の干渉なしに、
追求した方が、政治権力が介入して調整を行うよりも
人類の未来にとっては有益であるという理由で推し進められてきたのが
市場主義というものではなかったか。
その伝でいけば、かれは己の利己心、名誉心、興味の就くところに従って
開発をした。そして、それによって、直接に他者の利害を傷つけることは無かった。
他者の権利を侵したのは、彼にとっても他者である第三者である。
そもそも、知的所有権というものが、厳密な意味で企業や、作家、発明家に100%属すると考えることに、合理性があるのか。
自分を鑑みて見れば、何一つとして自らのオリジナルなどと、強く主張できるものなどない。オリジナルらしき知見を述べるにしたところで、使っている言語も、レトリックも、文字もみな先人から受け継いだものである。俺は知的所有権という考え方を全面的に否定するつもりはないが、知的所有権という考え方そのものが、知識の領域を細分化して商品とする市場主義の要請による結果ではないのかということを吟味して見てはどうかと思う。
話を戻そう。Winnyの開発者の有罪に関して
彼の動機を、処罰の対象にするとするならば、
欲情を持って異性を見れば、それすなわち姦淫したことと同じだという聖書の記述をそのまま実行しようとするキリスト教的な原理主義(かれらだってそれほど激しい自己規制はしまい)のようなことになってしまうだろう。
動機によって、人を裁くことはできない。なぜなら動機とは証明不能の、個人の内面に属するものだからである。
人間はしばしば不純で、不道徳で、不謹慎な動機によって、生きているのであり、それを罰することのできるのは、やはり同じ人間の中にある、純粋で、道徳的で、謹厳な精神だけだからである。そして、重要なことは、不道徳や不謹慎は確かに他者を傷つけることがあるが、道徳や純粋な心はより徹底的に他者を傷つけることがあるということである。
俺は、他者と自由にファイルを交換するということ自体に興味はないのだが、それが犯罪を誘発するという理由によっても、あるいは開発者がそれを承知で開発したという理由によっても、この開発を止めることはできないし、かれを処罰することもできないと思うのである。





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最終更新日  2006.12.15 17:11:58
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