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シェフオオシマの住宅雑記帳

シェフオオシマの住宅雑記帳

第5~8回

第5回 収納を平面的に考える
第6回 収納を断面的に考える
第7回 床下収納を考える
第8回 シロアリを知ってますか?

★【第5回 収納を平面的に考える】

 住宅の不満部分についてアンケートを取った場合、確実に上位にランキングされるのが収納スペースでしょう。

 今回は平面的に能率的な収納を考えてみましょう。
まず一帖大の押入れがあるとして、その奥行きは内法で約75cmあります。でも布団をしまうことが無い場合はかえって使いにくいことがあるはず。ダンボール箱を置く、収納ケースを置く、クローセットとして洋服を吊るす。いったい奥行きはどの程度いるのでしょう? 2列に縦に置くから奥行きはある方がいいなんて声も聞こえてきます。ですが取り出すとき面倒ではないですか?大きな収納があっても、ずっと物が動かない、収納とはいいにくい死蔵になっている?ことがありませんか?

  押入れが廊下と背中向かいに配置されているとき、奥行きのある押入れだけがあるより、部屋内側は50cmの奥行き、廊下側に25cmの奥行きの収納がある方が、使い勝手がいいと思いません?

 奥行きの少ない収納はかえって効率的になりえます。また収納を作りすぎても問題が出る場合があります。極端な例ですと広い部屋の方が逆に一回り部屋を小さく使うことになってしまいます。これは図面で説明しないとちょっと難しいかな?

収納2


平面的に効率の良い収納を考えるキーワードの一つは通路、住宅で言えば廊下です。なぜかといえば基本的に廊下は必ず人が通るために他のものを置くスペースではないということ。先ほどの例で部屋内に収納を設けると家具の置き方に影響が出ます。しかし廊下はそれが少ない。壁の厚みを利用すれば15cmかべをふかすだけで取り出しやすい効率的な収納ができますよ。
これは階段周りに収納を設置するときでもいえることですね!

★【第6回 収納を断面的に考える】

 3年前に建築基準法で屋根裏収納が緩和されました。 それまでは下階の面積の1/8の面積までだったものが1/2まで緩和されました。

 ただしあくまで収納としての用途以外には使えませんので子供室等にはできません。 (もちろん部屋として使う場合始めから3階建てで造れば問題はありません。)

 しかしこの空間を利用すれば相当な収納ができます。とはいってもうまく使うには適材適所のかたづけ方もまた必要です。
使用頻度の多いものをわざわざ物を運びにくい屋根裏に置くことはもちろんしませんよね。

 けれども使用頻度の少ないものをわざわざ部屋に収納して部屋を狭くしている場合があります。
2年に一度使うか使わないかの調理器具。
余暇のアウトドアライフ用品。
いつか処分しようと思っていたけれどもとりあえず置いてあるもの(もう着なくなった子供服など)。
人からいただだいたものだから処分できないもの
 (食器,飾り物など)。
お宝鑑定団に30年後に出そうと思っているもの。

 よく考えればあなたの家でもそうなっているのでは?

 収納スペースは十分取ったつもりなのにすぐ一杯になる。 けれど普段使うものはそのうちどれくらい? 納戸スペースが1,2階に充分取れる場合ともかく,これからは使用頻度の少ないものはまとめて 屋根裏に持っていけますよ。 

  ほかにも断面的に考えることによってより効率的にもなり空間が生きてくることがあります。
 たとえば玄関内の収納を例に取るとわかりやすいかな。流行りでいうと天井までの収納が多く依頼されます。 当然条件にもよりますが、玄関が住宅の顔と皆さん思っている割に空間を狭くしてでも欲しがるのです。

 玄関は,普通座らずに立っていることがほとんどの筈。空間の広がりを残したまま収納ができないでしょうか?1m位の高さで収納できなれば視線の広がりはずいぶん違うと思いますよ。

 ブーツ,かさ,サンダル,しばらく履かない靴,そのほかそのときそこに必要でないものけっこうありません?

 じゃそういうものはどこにしまえって…  階段下でも屋根裏でも造り方,造る位置を工夫すればほら大丈夫。 設計する人は喜んで考えてくれますよ。

 当然 同じことが他の部屋でも考えれるのです。
 本当にその場所に必要なものは何か?
 そこからはじめましょう。


★【第7回 床下収納を考える】

 最近は未利用空間利用ということで床下収納をつけることが多いですね。キッチンのそばに設置することが多いのですがせいぜい漬物、酒類、缶詰、しょうゆの買い置きを入れるぐらいが多いみたいですね。

 どーせならドーンといってみようという話です。
なぜなら最近の工法では基礎の高さが地面より40cmが標準になってきました。(湿気、シロアリ、強度の面から)
ならばもう少し高くすれば床下収納スペースがもっと…と考えてみたくもなりませんか?

 実は基礎高をあげることのコストアップは思ったよりも小さいんですよ。基礎高を10cm高くするのに40坪の家でも5万円以内でできると思うのですがどうでしょう。

 床下貴重品庫、分別収納庫、洋間、和室用の床下収納庫、ワインの貯蔵庫、はしごで降りる位の深さのあるもの、どれも既製品でいろいろあります。例えば90cmの深さの収納庫の既製品もあります。


 ただし設置場所は慎重に考えないと。取り出し口が家具にふさがってしまうようでは意味なしですものね。

 敷地状況によってはもっと積極的に床下利用を考えられます。敷地と道路の高低差が50cmぐらいあるならば部分的に高基礎(基礎の立ち上がり高さを高くすること)にして床下を利用する方法があります。
積雪地などでは普通に見られますよね。

 基礎高を高くとることは建物の耐久性向上、設備配管のメンテナンス、基礎強度、シロアリ対策、いろいろなメリットもありますのでぜひご検討を。

 ただし収納庫本体は既製品を使わない場合に湿気対策もしくは収納品を考えなくてはいけません。基礎の断熱をすることにより外部との通気を無くし部屋内と同じ環境にする方法もあります。折角の収納物が貯蔵庫でなく腐蔵庫では話になりませんですからね。


★【第8回 シロアリを知ってますか?】

 白蟻対策はいろいろありますが、まず白蟻そのものを知っている人は少ないんじゃないかな。

 白蟻の羽アリは4~5月の昼(ヤマトシロアリ)か6~7月の夕方から夜(イエシロアリ)に羽アリが飛び立ちます。白蟻と普通の羽アリの見分け方は大きく分けて以下の3つあると思います。 

①羽  白蟻は4枚ともほぼ同じ大きさの羽で
    羽根アリは前羽が後ろ羽根より大きい。

②触覚 白蟻の触覚は真珠のネックレスのように数珠状のものが多く羽根アリは『く』の字状をしている。

③腰  白蟻はずん胴で,羽根アリはくびれている。   
     



 また白蟻は基礎または内部の束に蟻道を作ります。それを手で壊すと白蟻の蟻道は壊れにくく、跡が残るが、羽根アリのはもろくきれいに壊れる。またそこに職蟻に混じって兵アリが見つかった場合その姿でも判断できます。

 シロアリが見つかった場合は即、専門業者さんに駆除してもらいます。

 予防策としては主に以下の4点です。

① シロアリは温暖多湿を好み、乾燥を嫌うことから基礎高をなるべく高くとる。書物によるとイエシロアリの実験では、基礎高25cm以下では100%侵入し、30cm以上ですと著しく侵入されにくく、高いほど侵入されにくいことが明らかだそうです。

② 床下コンクリートの打設。シロアリの地中からの侵入を防ぎ地中からの給水源を絶つ。

③ 床下換気を十分に取る。床下換気口を4~5mに1箇所は設ける。最近は基礎パッキンを使用し隅部にも空気が通いやすいような工法も普及してきました。

④ 薬剤防除。木材処理、土壌処理による。保証期間は5年。
 
 白蟻の薬剤ですが、その毒性が人体に影響におよぼすとゆうことで、だんだん薬が弱いものになっているのは確かだそうです。その証拠に保証期間も10年から5年に短くなっているのです。

 そういった意味合いでは、薬だけの対策では不十分と言わざるを得ませんね。




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