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シェフオオシマの住宅雑記帳

シェフオオシマの住宅雑記帳

第25~28回 

第25回 東海地震の前に!
第26回 建物が浮く?
第27回 バリアフリーにバリアあり?
第28回 木の家リフォーム

★【第25回 東海地震の前に!】

 中央防災会議が発表した、"予知なしで東海地震が発生した場合の被害想定"によると、最悪では23万棟の建物が全壊し、8100人が死亡するという…。そんな東海地震の被害のニュースを皆さんも目にした事でしょう。

 こんなニュースが流れてしまうと、これから家を建てようと思っている人は尻込みしてしまい、私たちも困ります!
 
 かといって、ここぞとばかりに「我が社の建物は東海地震でも決してトーカイしません!」なんて駄洒落を言ったところで、かえって皆さんはシラ~ッ…

 というわけで、ここでは、知っているようで皆が知らない『地震保険の知識』を幾つかご披露しましょう。


① 通常の火災保険では、地震により受けた損害のごく一部しか補償されない。
 これは大型地震がおこった時の被害総額が数兆円と大きく、通常の火災保険で補償すると加入者に支払う保険金も莫大で保険会社が破綻してしまうから。
 地震による火災で自宅が全焼しても、通常の火災保険では保険金額の5%しか支払われない。

② そこで地震被害に対する備えとしては、大被害が出た場合に保険金の一部を国が負担する地震保険に加入するしかない。地震保険では、地震で建物が倒壊したり土石流で埋まったり、地震が原因で火災にあった場合に保険金が出る。

③ 地震保険契約をする場合、必ず火災保険に加入する必要がある。ただし、保険金額は原則として加入している火災保険金額の5割までしか補填されない。その条件のもとに加入できる限度額は、建物は5000万円で家財は1000万円まで。

④ 地震保険料は被害の確率が大きな地域は高い。

⑤ 昭和56年6月1日以降に新築された建物は保険料が10%割引になる。(建築年割引という)また、建物が住宅品確法等に基づく一定の耐震等級を有している場合は、その等級に応じて10~30%割引になる。(耐震等級割引という)建築年割引と耐震等級割引は併用できない。

⑥ 最近は民間の損害保険も充実。例えば、損保ジャパンでは、地震で火事の場合に火災保険から3割支払い、地震保険と合わせると8割の保険金が受け取れる新商品も発売された。

 おーっと!なんと偶然!私どもの会社はその損保ジャパンの代理店だった!
 皆様、一度地震保険のことを検討してみてはどう?建築よりも保険の事なら相談もしやすいですよね!
 


★【第26回 建物が浮く?】


 船は何故水に浮くか?
どんな物体でも水の中ではその重さが軽くなることは知られています。

 アルキメデスは「水中の物体は、その物体がおしのけた水の重さと同じだけの上向きの力をうける」という原理を発見しました。

 この力が浮力であり、物体の重さが浮力より小さければ水に浮きます。

 船は、その中は多くの空洞になっていますから、船全体の重さは船がおしのけた水の重さより軽くなり、水に浮くことができます。

 では、建物は地面に浮くか? 同じ原理が通用するでしょうか?


地面は固いから、水のように浮力なんて発生しないよ!皆さんそう思うでしょうね。

 ところが、ちゃんと構造の本には浮き基礎のことが書いてあり、軟弱地盤対策として、杭工事や地盤改良工事と併記してあります。

 船と同様の考え方で、地盤面より下の土の部分の重量と地下の重量との差が浮力になると考えるのです。

 土は水の約2倍の重量なので、地中部分が深さ1mの空洞が有ると考えると(地下部分が空っぽとして) 地盤1㎡辺り2t位の浮力が発生します。

 2階建ての木造住宅の場合、基礎などを含めて建て物の重量が総合計2.3tと考えると、もし1m分地下に空洞部分があるとすれば(浮力が2tなので)建物から地盤には0.3tしか力が掛からない事になります。地下部分の深さを深くすれば理論上は『浮く』計算にもなります。

それにより、軟弱な地盤でも杭や地盤改良をしなくてもいいケースがあり得る訳です。

 実際には実例が少なく、地中部分の工事コストが発生すること等で、『浮き基礎』という工法のなじみは少ないのです。

 しかし杭工事などと同コストで施工できれば、床下空間を積極的に利用できる事、ある工夫をすれば免震効果も…という副次的な効果もあるので注目の基礎工法だと思います。

★【第27回 バリアフリーにバリアあり?】

 視覚障害者のための点字ブロックに高齢者がつまづいて転倒すると言う事故があったそうです。
 バリアフリーがバリアになっている本末転倒の事件ですね。

 住宅内でも、そんな例があると思いますよ。よく段差が解消されればそれでバリアフリーは事足りると言う画一的な考えの設計をする人も多いみたいで、『段差なし教』の信者かと思います。

 具体例を説明します。
 一般的なバリアフリー住宅と言われる住宅ではリビングとその隣接した和室(和室コーナー)の境は段差なしの設計をよく見ます。 私は逆に30cm近く段差を付けましょうと提案することがあります。長所としてまとめますと

①リビングとの視線の高さのずれが少なくなる・・会話も弾みそう

②リビングに足を下ろして座れば畳がベンチ替わりになる・・人数が増えても座る場所OK

③埃が畳の上に溜まり易くならない・・直接座る場所ですから

④足腰の悪い人を想定した場合、リビングからたたみに腰掛けて入り、座ったまま動けば、畳の上で立ち上がる動作は生じない。


 また友人の健康福祉情報研究所の芹沢さんの書いた香川県の病院の痴呆症ケアレポートにこんな話もありました。

 『各病室は畳敷きとし、3cmほどの段差をあがるように設計されている。するとどんなに重度の痴呆症の人でも土足で上がった人は一人もいず、ほとんどの人がきちんと履物をそろえるとのことなのです』

 『高齢者が身につけた生活習慣を尊重することにより効果が上がっている』

 以上は段差をつけるほうが段差を無くするよりよい場合がある、ほんの一例ですが視点を変えてみるだけで、バリアフリーの考え方、見方も変わるのではないでしょうか?


★【第28回 木の家リフォーム】

 3月にリフォームセミナー『マンションを「木の家」にリフォームしよう』の講師の1人になってしまった。初体験はドキドキでした。

 朝日新聞のTV欄の下に案内が出るらしいので、それなりに人は集まるだろうからちょっとびびっていたというのが本音ですネ。

 このセミナーを行われた背景は、4つ程考えられます。
 まず、なぜマンションなのかというと…
住まい手の意識が仮住まい意識から永住意識に変わったこと。
これまでは、アパート→マンション→一戸建てという住み替えニーズが多かった。

 次に国産の森林資源を使うことにより、地球温暖化防止、地域産業の良化が期待できる。(それでこういうセミナーに予算が下りるというわけですね。主催者の本音?ですかね!)

 そして次にシックハウス問題がクローズアップされてきて、住まい(特に気密の高いもの=マンション)が人間の健康に与えるダメージが注目されていること。自然素材に対する回帰ムードも確かにありますね!

 最後に平成15年の7月に施行予定の建築基準法改正では現在よりさらにホルムアルデヒド規制が厳しくなることを踏まえると自然素材を啓蒙していかないと知らないうちに基準法違反の建材を使ってしまう恐れがあること。

 実際木をふんだんに使ったリフォームができたらいいなあと思っている人はマンションに限らずとも結構いるのじゃないでしょうか?

 しかし実際はクロスの張替えよりお金がかかってしまうと初めから木を使うことをあきらめてしまう人が多いのでしょうね! 

 実際は使う木によりけりで価格はクロスと変わらずできるということが、わからない。その原因は作る側が伝えていないという事が事実なのでしょうね。

 前述の基準法改正で建材、クロス、塗料など値上がりせざるを得ないという話を聞きました。嘘か本当か便乗値上げを考えているメーカーですらありそうです。益々木を使うメリットが見えてきそうです。

 私の前後に話す講師はそのあたりの話をしてくれました。

 私はリフォーム打ち合わせから実際の工事が終わるまでの話とか、実際今使える床材、壁材などを触ってもらうことによりその良さを伝えようと資料を説明いたしました。

 さあ!これからは木装リフォームの時代ですよー。
 一度ご検討あれ!



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