玉虫左太夫の徒然草

2005/03/13(日)11:03

恐怖の「トントンさん」

恋しき日本文化の再認識(65)

 米国に暮らしていて、こんなことを思いだすのも唐突な話かもしれない。  子供の頃に一番怖かったものは、日蓮宗だろうか、法華宗だろうかわからないが、太鼓をたたきながら列をなしてやってくる、白装束の宗教集団だった。  あの音が遠くから近づいてくると、子供心に恐怖心が沸き起こるのだ。それを「トントンさん」と名づけ、親も巧に子供の恐怖心を利用した。  何か子供の私が、親にとって気にくわないことを「しでかす」と、電話をしたふ りをして「トントンさん、うちの子供が言うことを聞きません。すぐ来てください」とか。ま、この話を持ち出すことは、かなり気恥ずかしいが、実際あった話。  暗闇に浮かぶ白装束。そしてあの、不気味なリズム。「トン、-トン、トン」    なんでそんなことを思い出すのだろう。  運が悪いことに、近くに信者のおばあちゃんが住んでいて、そのおばあちゃんが亡くなったあとも、来ていた気がする。でも、本当に怖かった。  変な思い出。  

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