北京五輪の代表選考レース第2戦となった大阪国際女子マラソン。
注目は3000m、5000mの日本記録。
そしてハーフマラソンはアジア記録を持っている
日本女子中長距離界の女王、福士加代子だった。

マラソン初挑戦の福士はトラックでのスピードを失わないよう
あえて30km以上の走り込みを避けて調整してきた。
比較的いい記録がでやすいとされる大阪のコースで、
どれだけのタイムで初マラソンを走るかに期待が集まっていたのだが・・・。

1km地点でのペースがあまり速くなかったレース展開に
いきなり1人で飛び出し独走を始めた福士。
大阪城へ入る頃には2位以下の集団に600m以上の差をつけていたが、
30kmを過ぎたあたりから徐々にペースが落ち始め、
35kmを過ぎた頃には完全に失速。ジョギング以下のペースに・・・。

後続に次々と交わされ、長居競技場の周回道路では完全に脚がストップ。
フラフラで転倒を繰り返しなんとかフィニッシュ。

マラソンの勝負は35kmからとされているセオリーを考えると
40kmの距離を走らなかった調整方法にも問題があると考えられるが、
福士ほどのトップランナーでもああなってしまうマラソンの恐ろしさを
まざまざと見せられたレースとなった。

逆転で総合2位、日本人1位となったのは森本友。
好タイムがでなかったので、北京五輪の代表候補としては、
最後の代表選考となる名古屋国際女子の結果次第では候補にあがれるかも？
といったところで、代表に名乗りをあげたという印象ではないが、
日本人トップの森本を放送席に呼びながら、
まだゴールしていない福士ばかりを映し、実況するテレビ局にも疑問が残る放送だった。
福士を主役に放送するなら走り終えたばかりのランナーを
わざわざ放送席に呼ぶ必要はないのではないだろうか。
日本人トップでゴールした選手に対して失礼な話である。

高橋尚子の出現からスピードレース化してきた女子マラソン。
ここ数年は最後に失速するレースをよく目にする。
アテネ五輪の代表選考レースとなった東京国際女子マラソンでの
高橋尚子の35kmの上り坂で失速し、逆転で優勝を逃しているし、
渋井陽子も昨年の大阪国際女子で終盤脚が止まってしまった。
昨年末に野口みずきが北京五輪代表を濃厚にする優勝を果たした東京国際女子でも
渋井は終盤失速するというレースを繰り返している。
これは2時間20分を目指す女子マラソンのペースが
現代女子マラソンの限界タイムとなっていることを
示しているのではないだろうか。

最終選考となる3月の名古屋国際女子マラソンで
負ければ最後のレースになるであろう高橋尚子が
どんなレースを見せてくれるか。注目したい。


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