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障害者の雇用数が不足している場合

サム’s 書評 より
http://plaza.rakuten.co.jp/sumsum/diary/2004-04-30


『経営はロマンだ!』 小倉昌男 04月30日(金)

テーマ「★ おすすめのビジネス書は何ですか!?(6)」
★「心が苦しく死んでしまいたくなった。だが、死ぬ方法がなかった。」(p75)

★「どこの会社でも安全第一とは書いてあるが、能率第二とは書いていない。

  第二を示すことで、本当に安全が第一であることが分かる。」(p81)

★「役所や公団は計画の過ちを認めないから困る。商人の世界では許されない」(p158)

★「障害者の雇用数が不足している場合、

  一人につき月額5万円の納付金を払えば済んでしまう。」(p186)


【サラっとく?】


●「クロネコヤマトの宅急便」を生み出し、経営危機にあったヤマト運輸を

 立て直した2代目社長。“親方日の丸”の国鉄小荷物と郵便小包しかなかった時代、

 面倒な指示もなく、すぐに配達してくれるサービスがあればウケるのではないか?

 宅急便はそんな発想から生まれたといいます。


●日本人のライフスタイルまでをも変えた、物流革命の牽引車・小倉昌男。

 そんな彼の自伝である本書には、分厚いMBA書籍や、奇をてらった

 ノウハウ本には決して見られない、人生哲学の結晶が秘められています。


●彼の書いた「経営学」という著書も現場の視点が盛り込まれていて秀逸。

 なんと、講義でテキストとしている大学もあります。「小倉昌男」という人物像に

 焦点をあてている本書とあわせて読めば、一層の理解が深まること請負です。


●余聞ですが、「魔女の宅急便」ってジブリの映画作品がありますよね。

 その筆頭スポンサーにヤマト運輸の名があるのをご存知ですか?

 なんでも、あまりに普及した「宅急便」という言葉がヤマトの登録商標である事を

 気づかずに映画制作をしてしまったとのこと。気づいたときにはもう手遅れ・・・


●その後、話し合いの結果、ヤマトが筆頭スポンサーになりました。

 と同時に「魔女の宅急便」をヤマト側が自由に宣伝に使える権利を得たとの事です。

 あまりに名前が一般化するとこういったことが起こるんですね。

 あなたの周りにも、実は登録商標のものが、結構溢れているかもしれませんよ。


【突っ込んどく?】


●第二をハッキリ示すことで、始めて第一が明らかになる…なるほど!と思いました。

 人間が、決意と葛藤の狭間で揺れ動く存在である限り、

 「第一の目標だけ決める」というのは所詮虚しい行為なのかもしれません。


●子供の頃、「夏休み計画表」などというものを作った経験があるかと思います。

 そしてどこからみても完璧なプランを立てたはずが、終盤に近づくと、

 なぜか一日にドリル30Pなどという悲惨な事態に追い込まれている・・・

 苦い顔してあの焦燥感を思い出しているそこのあなた。笑


●多くの場合、その原因も「第一だけ決める」ことにあったのではないでしょうか。

 「朝は皿洗いをする」「漢字ドリルを一日5p」「夜は風呂掃除をする」・・・これを

 「皿洗い第一、サッカー第二」「ドリル5p、ゲーム30分」と変えてみる。

 このように第二を決めることで、第一に向けられる注意力が、一層高まります。


●現在、企業は法定雇用率に基づいて、全従業員数に対し1.8%の障害者を雇う事が

 義務付けられています。ただし冒頭で紹介したように、雇用数が不足しても

 納付金を払えば済まされてしまうのが現状。さらにこのお金は障害者雇用制度の

 優良な会社に配分されるという、「アメとムチ」的な制度になっているとの事です。


●「障害者を雇うより罰金を払ったほうが楽だ」そういった考えが生まれる

 温床となっているこの制度に、疑問を投げかけたのが小倉昌男さん。

 「官僚と闘う男」の異名を取る同氏は、福祉の分野でも健在のようです。






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