「東京番外地」 森達也
東京番外地、それは普通の人が何となく忌避してしまうところ、近すぎて焦点距離が合わなくなってしまったすぐそこの異界。皇居、歌舞伎町、東京拘置所、山谷、霞が関-。あらゆる違和にまなざしを向けてきた著者が、無意識の底に沈んだ15の「聖域」を旅する裏東京ルポルタージュ。そして初めて出会う、この街の知られざる素顔とは-新たに「番外編・東京ディズニーランド」を追加収録。<感想> ★★★☆☆あらすじにもありますが、本書は東京にある真空スポット的な位置づけをされている場所をルポした作品です。 著者は映像作家の森達也さんです。さて、映像を見ても文章を読んでも森達也という人は極めて個性的だと感じます。 その個性を好きか嫌いかで読者の評価は別れるのではないかと思います。 読書メータのレビューには「煮え切らない」「不完全燃焼」「青臭い」との記述が数多く見られましたが、それを否定するつもりはありません。 ただ、それは、文章や記述の瑕疵ではなく前段で触れた著者のスタイルです。 そのあたりを評価できるなら面白い読み物になるのではないかと思います。