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カテゴリ:★★★☆☆な本
恋する男に身請けされることが決まった吉原の女が、真実を知って選んだ道とは…。表題作ほか、ワンマン社長とガード下の靴磨きの老人の生き様を描いた傑作「シューシャインボーイ」など、市井に生きる人々の優しさ、矜持を描いた珠玉の短篇集。著者自身が創作秘話を語った貴重な「自作解説」も収録。 <感想> ★★★☆☆ 本書は浅田次郎さんの泣かせ系短編集です。 さて、浅田次郎さんと言えば『蒼穹の昴』のような重厚長大系の作品で 本領を発揮するのではないか?と感じますが、映像化された作品を含 めて、一般的には泣かせ系短編の方が人気があるようです。 私も嫌いではありませんが、「ここ泣くところだから・・・・」が意図的に用 意されているようで、ついつい身構えてしまうんですよね。 ところが今回は不覚にも『供物』で泣いてしまいました。 すげぇ~ベタな作品だと思うんですが・・・・ たぶん年齢(とし)のせいだと思われます。 この作品集のなかでのベストは『めぐりあい』 温泉地でマッサージをなりわいとする女性が主人公ですが、小雪が舞 い散る鄙びた温泉地の雰囲気を描き出す筆と、初めと終わりに出てくる タクシードライバーとのやりとりが秀逸だと感じました。 ベタな小説で自分の老いを確認した44歳のオッサンでしたが、日曜日 から風邪が悪化して、今日(水曜日)も仕事をお休みしています。 いやはや年は取りたくないものですなぁ~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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