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昼ドラHolic ~美しい罠~

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October 10, 2006
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カテゴリ:昼ドラ
類子の部屋。隠しカメラを袋に入れて、類子は金槌で壊そうとする。
槐「手伝いましょうか?」
俺が手を出そうとすると、類子は俺の手を振り切った。
類子「いいわよ!」
類子の振り下ろした金槌が、カメラを掠めて指を打ってしまう。
痛そうに指を押さえる類子。・・・言わんこっちゃない。
槐「まさか、裸を見られたくらいで手を引こうって言うんじゃありませんよね。
貴女は大金を得る為にどんな代償でも受け入れると言ったはずだ」
類子「・・・分かってるわよ」
槐「私は既にこの為に、かなりの時間と金をかけている。
今更手を引こうとしてもあなただけの問題じゃないんだ」
類子「だから、分かってるわよ!それより貴方、
あの男からこの件で慰謝料を100万でも200万でもとれるように仕向けてちょうだい。
私に考えがあるの」
槐「・・・?」
今更100万や200万のはした金で満足するわけでもあるまい。
では、お手並み拝見と行こうか。

俺は言われた通り不破に200万を慰謝料として渡すように仕向けた。
その札束を類子に手渡すと、類子は俺の顔を見てニヤリと笑った。
類子「私達の取り分は、ざっと2,30億。それを忘れたわけじゃないから安心して」
槐「分かってますよ。どんな風にこの200万を使うのか楽しみにしています」

不破の部屋。不破が俺に尋ねる。
「どうだ、あの女は。お前に言われた通り200万も出してやったんだ。納得したろう」
槐「・・・だと思います。あ、噂をすれば」
類子が入って来た。ナースの制服姿ではなく、私服に身を包んで。
「これ、お返しします」200万円が不破に返される。
類子「私はお金が欲しいんじゃありません。
あなたに、女の部屋を盗撮したことがどんなに卑劣なことかを恥じて謝ってほしいんです」
不破「お前は、一円の得にもならないのにただ謝って欲しいというのかね」
類子「世の中、損得だけで動く人間だけではありません」
不破が笑う。「信じられんね」
類子「私はそういう人間なんです」
不破が俺に言う。
「あと100万、いや、500万。この女に渡してやれ。それで納得するだろう」
類子は怒りに震えて言う。
「まだ分からないんですか?お金の問題じゃないんです。人間としての誇りの問題なんです!」
不破はあざ笑う。「誇り?誇りどころか、叩けば埃の出てくるやつらばかりだ!」
俺が類子を連れ出そうとすると、類子はその手を振りほどいた。
類子「今日中にあなたの謝罪がなければ、私は明日の朝ここを出て行きます!」

・・・何だって?それはまだ時期尚早じゃないか?!
不破が謝罪して「残ってくれ」というほど、まだ類子は不破の心を引きつけてはいない。
これではまるで、勝算のない一か八かの博打じゃないか!

類子が部屋を出て行くと、不破の怒りが爆発した。
「俺に謝れだと?!そんな奴、初めてだ!」
そこに千津が入ってくる。
「だんな様、東京からお車が参ってますが」
持っていた新聞を俺にぶつけ、席を立って不破は部屋を出た。
俺も不破を見送る為に後を追う。

ワイン蔵で類子と落ちあう。
類子「どうだった?彼の様子」
類子の顔に焦りはない。微かに笑みさえ浮かべ、何か勝算でもあるかのような顔つきだ。

その時、誰かがワイン蔵の扉を開けて入って来た。
慌てて俺は、奥の自分の部屋へと類子を引っ張り込む。
・・・岩田さんだ。岩田さんがワインを持って入ってきただけだった。
俺は安堵の息をつき、類子に言う。
槐「しかし、いいんですか。あんな真似して。あの男が謝る保証は何もない。
しかも今日は東京に行ってしまって明日までに帰ってくるかどうか。これは賭けですよ」
臆しない類子。「そうよ」
槐「負けたらどうするつもりですか」
類子「負けたらまた次の手を考えるだけ。それより初めて見たわ。ここが貴方の隠れ家なのね」
類子は俺の部屋を見渡した。

黴臭い、地下室。
ここは俺の、仕事部屋を兼ねた住まいだった。
天体望遠鏡、天体写真の数々。整理整頓は欠かさない、俺の小さな部屋。
類子「地下にあると思わなかった」
槐「静かでいいですよ」
類子「星は好きなの?意外だわ」
槐「女の裸の方がよかったですか?・・・貴女の裸、見ましたよ」
俺は少し意地悪く類子の反応を伺った。
羞恥に顔を紅くするか、怒って俺の頬を打つか。
・・・類子はいきなり俺の手を掴み、その手のひらを自分の胸に押し当てた。
類子は俺の目を見据えて言う。
「誤解しないでよ。私、裸を見られたくらいで賭けに負けて逃げようなんて思ってない。
正直、このゲームが楽しくなってきたの」
微笑んで類子は言う。
「人生は退屈な日常の繰り返しなんかじゃない。毎日が楽しい企みのはずですもの」
俺は類子の胸に手を置いたまま口元に笑みを浮かべて見せた。
槐「・・・なるほど。女は生まれ付いてのギャンブラーらしい」

その時、扉の外から敬吾の声がした「槐ー。いるか?」
俺と類子は慌てて体を離す。直後、敬吾が入って来た。
類子がその場を取り繕う。
「・・・とにかく私、このまま引き下がる気なんてないですから」
部屋から出て行く類子。不思議そうに見送る敬吾。
敬吾「・・・お邪魔だったかな?」
槐「来てくれて良かったです。ちょっとだんな様とトラブルがありまして」
敬吾「あの男とトラブルにならないのは、よほど我慢強いかよほど金に目が眩んでるかだ。
お前はどっちだ?槐」
槐「それより新しい事業は進んでますか?」
敬吾「ん・・・まあな。それはそれとして、例の鍵、貸してくれないか。
東京じゃ澪がいつ顔を出すかわからないからな」
槐「しかし・・・」
敬吾「澪と婚約したのに何やってるんだって言うんだろ?
でもこれは趣味みたいなもんだから。頼む!貸してくれ!」

・・・例の部屋。敬吾が女と遊ぶ時に使う、あの部屋。
山荘に住むほかの誰も、そして前の所有者だった槙村の娘であるレイさんさえも
存在を知らない隠し部屋。
そこは、俺と敬吾が子供の頃に見つけて以来、
秘密基地として二人の遊びの拠点にしてきた場所だった。
宝物のおもちゃを隠し、蝉の抜け殻を隠し、厨房からくすねた缶詰を隠し・・・
そしてそこは次第に、大人の遊び場へと姿を変えていった。
カーテンは淡い紫色に、ソファーは赤い色に。ベッドの上には「着衣のマハ」。

俺がそのマハ像を壁に取り付けていたとき、敬吾はベッドに寝転びながら言った。
「これ、『裸のマハ』の方がいいんじゃないか?
取り澄まして服を着ている女より、裸の女の方が興奮するじゃないか」
俺は作業をしながら言う。
「女性は直接的なものを見せられると逆に冷める生き物ですよ。
このマハだって、着衣の下に萌える肉体を想像させるこの微笑がいいんです。
なんなら実験しますか?着衣像と裸体像。どちらが女を早く落とせるか」
敬吾は言う。「関係ないね。俺は自分のこの口先だけで、全ての女を落としてみせる」

そんな会話を交わしていたのは、18歳の夏。
あれから敬吾は沢山の女と遊んで来た。
この部屋が俺の部屋の隣にあり、その時の声が筒抜けとも知らないで・・・

敬吾「お前も見ていたろう?・・・吉野尚美。
東京のマンションで、お前に声さえ掛けられずにいたあの女だよ。
あんなパーティーに来ておいてあれはないよなぁ。
清純なふりをしているのに意外と下半身は緩そうだ。
俺が『不破敬吾を紹介する』と言ったら喜んで尻尾を振ってきやがった。
だから、頼む!結婚前の最後の遊びだからさ」
両手を併せて頼む敬吾。・・・最後のわけがあるまい。
その後も、そして結婚した後も。澪の目を盗んでこの男は遊び続けるに違いない。

・・・考えようによっては、これからの俺のゲームは澪を助ける事にもなるんじゃないか?
夫に遊ばれて泣く澪を、その絶望の淵に堕ちる前に救い出す。
そう考えると、何も俺は極悪なシナリオを描いているというわけでもあるまい。

敬吾「・・・何がおかしい。クスクス笑いやがって」
槐「いえ、きっと最後じゃないだろうと思いましてね」
敬吾は笑って言う。「今は最後っていう気分なんだよ」

俺は敬吾に鍵を手渡し、二人で階上へと上がった。
その時、玄関で類子の声が聞こえた。
一緒にいるのは・・・吉野尚美!
俺はすぐに身を隠した。
敬吾は笑顔で尚美に近づく。
尚美「沢木さん!」
敬吾「いらっしゃい!よく来たね」
類子が驚き、振り返る。
敬吾「外に出よう。静かな場所で」

敬吾と女性が外に出ると、姿を見せた俺に類子が尋ねた。
「今のはどういうこと?」
槐「余計なことは知らなくていい。貴女は何も見なかった」
類子「でも・・・」

そこに、千津が澪を連れて帰って来た。
東京から来た澪と偶然近くで会ったと類子に話している。
・・・まずい。敬吾は尚美と一緒にあの部屋にいる。
事が済むまで、澪をここから遠ざけておかないと・・・
澪「こんにちは、槐。」
槐「どうしてまた?」
澪「相談があるって言ったでしょ」
澪が類子に気付く。「こちらは?」
槐「父の看護師の・・・」
類子「飛田類子です。よろしく」
澪「岸野澪です」
槐「澪さんは有名な絵本作家で・・・」
澪「やめてよ、まだまだ駆け出しよ」
槐「外国の有名な賞を取ったじゃないですか」
澪「・・・それより、表の車。敬吾が来てるの?」
槐「そうですか?僕はまだ」
その返事に驚く類子。
槐「もしかしたら湖かも知れない。行ってみましょう」
俺は目を白黒させている類子を残し、澪と湖へと出かけて行った。





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Last updated  October 10, 2006 10:05:20 PM
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王様@ 潮 吹 きジェットw サチにバ イ ブ突っ込んだ状態でジェット…
ボーボー侍@ 脇コキって言うねんな(爆笑) 前に言うてた奥さんな、オレのズボン脱が…
リナ@ 今日は苺ぱんちゅ http://kuri.backblack.net/-6jv9of/ 今…
しおん@ ヤホヤホぉ★ こっちゎ今2人なんだけどぉ アッチの話…
アゲチン@ ありがとうな!!!! http://bite.bnpnstore.com/ogwmxps/ ア…

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