関西ひとりジョーズ紀行

2007/08/28(火)01:27

暑い!熱い!世界陸上で特等席体験@大阪・長居陸上競技場

「世界陸上、やってるな」と思っていましたが、大阪に暮らしていて、あまり大会が盛り上がっているとは思えず、しかも連日の猛暑、まったく行く気がしませんでした。ところが、友人から「きょうのVIP席、チケット2枚あるんだけど」と話を聞いて、急きょ行ってみることに。もらったチケットはなんと5列目!かなりの良席です。テレビで見るのとは大違いの数々に、戸惑ったり驚いたりの連続でした。 競技開始は19時30分。しかも最初の競技が、日本人アスリートとして数少ないメダル候補・室伏広治選手が出場するハンマー投げ決勝ということで、急いで競技場へ足を運びます。ところが、最初に入ろうとしたゲートで入場拒否。「このチケットは入口が違います」。急いでVIP席のゲートに回り込むと、再び「このチケットは入口が違います」...どーなってるの? 会場を回り込んで、競歩のように早足で歩くこと15分、やっと正規のゲートを見つけました。駅からゲートまでの全体的な案内図がないまま、たらいまわしにされて汗だく、かなりフラストレーションがたまりました。 急いで席に向かうと、そこには空席にちゃっかり座る外国チームのスタッフの姿。「ここは僕の席です」と言って、丁重にどいていただきました。その席は、なんと前から5列目。前の列はスポンサー接待の席らしく、白髪の紳士と、スーツ姿の営業マン、秘書らしき女性らが一列に整然と座ってました。ゴールラインが目の前にあります。こんな感じ。 会場の半分は空席が目立ちます。あれだけ事前に宣伝がされていたというのに...世界陸上を9日間するよりも、阪神タイガース9連戦や、高校野球の方がお客さんが入るのではないかと思うのです。関西人には、馴染みのないスポーツに金をかけて見に行くほどの甲斐性というか、好奇心がないのでしょうか。誘導はイマイチ、客は入らない、これでは五輪もサミット招致もうまくいかないはずです。それとも、ただただ暑すぎるのか... 席についた時、すでにハンマー投げは始まっていました。室伏選手が投てきのサークルに入っていくと、会場には大きな声援と拍手がわきおこりました。室伏選手は胸板も厚くて、他の選手と遜色のない立派な体格ですが、自分の席からはかなり遠くに見えました。 結局、室伏選手は6位に終わりました。勝ったのは、ベラルーシのイワン・チホン選手。ハンマーを投げた直後に叫ぶ姿が印象に残りました。「行けー!行ってくれ!」と叫んでいたのでしょうか。勝利への執着を感じさせました。 表彰式。振り袖姿のコンパニオンが先導したり、メダルを運んだりします。彼女らも暑いだろうな、と思うのですが、この振り袖の趣味が非常に悪いのです。エメラルドグリーン、黄色、赤...普通の和服では考えられない、どぎつい色ばかり。和服本来の奥ゆかしい、上品な色が一切出てきません。世界に向けてアピールすべき場面で、これでは逆に日本文化の否定ではないかと思います。着物業界は怒らないのでしょうか。 この日の競技は、ハンマー投げ、女子3000m障害、男子1500m準決勝、女子400m準決勝、男子三段跳び、男子10,000m、女子100m準決勝&決勝でした。どのタイミングでトラックを見ればいいのか、フィールドを見ればいいのかわからないまま、競技が進行していきます。場内のアナウンスは響いてよく聞こえません。馴染みのない客が見やすいような工夫は、必ずしも充分ではなかったように思います。 それでも、テレビでは見られない面白さが随所にありました。一番顕著なのは、選手の体格です。たとえば、男子10,000mのアフリカ人選手のひょろっとした体、動物に例えるとキリンみたいです。 女子400mのジャマイカの選手の足の長さに注目! 彼らに比べると、日本のトラック選手の間には、努力だけでは埋めがたいような、遺伝子の違いを感じざるをえませんでした。まるでサラブレッドやチーターが、柴犬と競争しているような感じなのです。走り方も実にしなやかでリズミカル。体のバネを感じさせます。上半身の揺れや、体の上下動がなく、脚力が見事に推進力に換わっていました。写真は女子400m準決勝。最後尾が日本の丹野麻美選手です。 見ていて面白かった競技は、男子10,000m、男子1,500m、女子100mです。 男子1,500mは、見ていてすごい迫力とスピードです。しかも集団での競り合いが激しい!選手たちの上半身がたくましいのは、競り合いで負けないためなのでしょう。ラスト1周に入ったところで靴が脱げる選手も。 男子10,000mは、トラックを25周するわけですが、最後の3周の駆け引きが実に激しいのです。5人の先頭集団から、まずケニアの選手が仕掛けます。本命のエチオピアの選手2人がついていき、3人に。続いてエチオピアの若手が仕掛けて、エチオピア勢2人のデッドヒート。最後はベテランのベケレ選手が、まるで1500mの選手のような猛スピードで後続を振り切りました。「どこにそんな力が残っていたの?」というほどの速さ。驚きを通り越して笑ってしまいました。 女子100m決勝は大激戦! 5人が同着したようにも見えました。いったい誰が勝ったのか、見ている誰もがわからず、選手たちも電光掲示板を見つめて、会場はしばし時が止まったよう。競馬の写真判定待ちのような感じです。結局、勝ったのはジャマイカのキャンベル選手。ウイニングランで近づいてきたときに見えた、足のたくましさ!すごい迫力でした。 競技が終わったのは午後10時40分。前列の接待席は、ハイライトの女子100mを見ることなく帰っていきました。オッサンがそろいもそろって、何を見に来たのでしょうか。実にもったいない。 世界陸上の特等席は、発見がたくさん、運営に対するツッコミもたくさんでした。実際に行ってみなければ知らなかったことばかり。ともあれ、チケットを譲ってくれた友人に、感謝、感謝です!

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