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ひよきちわーるど

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2008.01.10
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カテゴリ:季節の美

菜の花が食卓に上るようになりました。
そのほんの少しの苦みが好き。

小さめに刻んでお湯の中に入れました時
とてもきれいな緑色になりましてね
そう、明るく透明感のある緑に。

こんな、ほんの小さな出来事の中にも
春の兆しはあるのだと思ったことでした。

本当は 冬の寒さはまだまだこれからなのだろうけど
でも、暮らしの端々に現れるこんな小さな兆しが好きです。






昨日、娘を歯医者に連れて行きましたとき
診察室の中にロウバイが生けてあったのですね。

花そのものはさほど好きではないのだけれど
その香りが好き。
・・・幽かに蘭を思わせます。

ロウバイの中でも
花びらも花びらの中までも黄色く染まる種類が好きで
・・・やがて この花のことを教えてくれた 
遠く懐かしい人への想いにつながるのです。

しばらくの間、その思い出に残る花を眺めておりました。





幼い頃は冬木立が余り好きではなく
その寒々とした姿に どこか怖ささえ感じておりました。

けれど、何故でしょうね
年齢を重ねるにつれ 凛としたその姿に惹かれるようになったのです。

冬の暮れ方 少しずつその色を深めてゆく空に
音もなくのぼる月。

その月は冬の裸木を従えて
地上の私たちを静かに見つめる。

・・・何か心に重くのしかかることが起きて
心の中を整理し直さなければならなくなりましたとき
私はいつも 独り車に乗り、冬空の月と語り合うのです。





道を行けば 白い椿 薄桃の山茶花
光を放つ金柑の実


長い冬を乗り越えることが出来ますのも
こういう小さな春の使者が そばにいてくれるからかもしれません。

もうすぐ春ですよ、とのささやかな声を
感じとるからなのかもしれません。










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Last updated  2015.05.03 11:40:00
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