HIKARIの毛布

そして、

今日もまだ、
やってきているものがあります。
そっとそっと寄せてくるもの。



子どもの頃、
遊びに行った、
秘密の場所の気配。

左側に描いたものたちです。



本当は一番早く、
お絵かきをする一週間ぐらい先に、
やって来ていました。



＊

こういう個人的な話をここに書くのは、

一時的に言語化することで、
意識のお片づけをしている、
ように思えるからです。


無意識という押入れから、
ひっぱりだしてしまって、
絵に描くだけでは、収まりきらないどころか、

あけたままのドアから、
しみこんでくる何かのように、
広がってくるのです。




日中から、
あまりにもためらいなく、
私の周りに立ち込めてくるので、

日常生活が危うい（笑）。

当時を味わうかのように、
ぼうっとしすぎてしまう。


なんとかここに書くことで、
収めなくては・・（笑）。


＊





それは、就学前によく遊んだ、

住宅街のすぐ裏とか近くにあった、
崩れた小山や、
竹やぶや、
荒れた屋敷林。

恐くて、
そばを通るときは誰かと手をつないで、
走り抜けたほどだったのに、

いつのまにか大好きになった。



子どもだけが入ってゆける、
隠れた入り口や、
奥に続く道、
ぽっかりと開けてあった不思議に明るい空間。

大人に内緒の場所。



崩れたほこらや、
ひっくり返りそうなお供えものや、
牛乳瓶に挿した花が、

どうやら、
誰かが時折きているみたいな痕跡がある。


そういう、
人の気配が妙になまなましい。




どこか、
打ち捨てられているような、
忘れ去られているような、場所。


そのときの空気を、
胸いっぱいに、
吸っていくうちに、


私自身も、
しいんと、
うら寂しく、

透明になって行くような気がしていた。




＊



ふらりと舞い込んできた蝶の羽音や、
しずくの落ちる重たい音、
風が木々をそよがせる音。


そんな音を心に降り積もらせながら、
長い間じっとしていて、

人はいないと思って、
走りこんできた犬や猫をびっくりさせた。


そして、ほかにも、
不思議な生き物を、
見かけたようだった。

私は、
ずいぶん多くのことを忘れてしまってきているみたいだけど、

彼らみんなが、
懐かしい・・・。





＊


さっき、
気づきました。

この空気感は、
今の私の周りに立ち込めているものは、


魚座29度の太陽のイメージに、

とても近いようだと。。