HIKARIの毛布

琵琶湖のほとりを
友人と数人で歩いている。

自転車に乗った青年を
見かける。


歩き続けている間に、
幾度と無く
自転車青年を見かける。



ここまで歩こうと決めていた
と思えるところに着くと、

自転車青年もやってきた。

彼も
ここがゴールだったらしい。


自転車を降りる様子では、
かなり疲れているみたいだ。



きびすをかえして、
新たに街へ向かう道を行こうとすると、

着替えをした青年が
後ろから歩いてきた。



見ると、
俳優の中井貴一さんである。

髪はきれいに整えられていて、
湖上から吹く風にも
少しも乱れない。


陽に輝くような明るい山吹色の着物に、
濃紺の袴をはいている。

何とも言えない品がある。



私にまっすぐ近づいて、
至近距離で挨拶をするので、
私も頭を下げてはみたが、


ホレボレとしてしまって、
何も言えない。


彼が数人のお供をつれて行くのを
見送ると、

同じ街に向かうようである。

私も友人も
同じ道へと歩き出す。



＊


でたあー！！！


あの、
よろよろ自転車青年が

よくも化けたものです～！　　



正直言って、
私は中井貴一さんのファンではないのですが、

若い頃は
親の七光りのイメージで、
なかなか個性を出せなかったけれど、


最近はいい役者さんだと
思っていました。

そういえば、
お正月にテレビで見た映画で、
末期ガンの服役囚を演じていました。


そこで
すべてを受け入れると決意したことすら手放したような

透明感のある笑顔を、
とても幸福そうな笑顔を、

見た印象があります。




＊


この日、
鑑定のご予約を頂いていて、
ご夫婦と息子さんのホロスコープを
預かっていました。

私は
この夢に、
すべてが出ていると思いました。


そうなったら、いいな。なってよね♪



私はワクワクしながら、
鑑定の場で、

この夢を
お話したのです。